英検準1級・3ヶ月で一発合格の記【二次試験対策編】 〜40代からの学び直し〜
TOEICしか受けてこなかったわたしにとって、ライティング同様に自信がなかったのがスピーキングです。二次試験は、ネットの情報によれば「合格率7割」とか「よほどのことがなければ落ちない」とか言われていますが、「よほど」の「3割」になっちゃったらどうしよう…と不安を抱えつつ、それでも一次試験前には準備する余裕が全くなかったので、一次が終わるまでは二次試験のことは一旦忘れることにしました。
準備期間
ライティングのトピックが微妙過ぎたために出来を判断することが難しく(トピックの解釈が「的外れ」だと判断されれば丸ごとアウト!なので)、なかなか二次試験の準備をする気にはなれませんでした。わたしはB日程だったので、一次試験の合否がわかってからでも3週間あるし、まぁそれからでもなんとかなるかな〜くらいの気持ちで、とりあえず問題集だけを購入して、結果を待つことにしました。
結果一次に合格し、そこからおよそ3週間でなんとか仕上げることができました。ちなみにわたしの英会話力のスペックとしては、
・日常生活や仕事で英語を話すことは皆無
・海外旅行先のホテルや買い物でまぁ何とか困らない程度
・2019年の夏ごろ〜コロナ前まで、半年ほど週一ペースでマンツーマン英会話(いつも同じ先生)に通っていたけれど、その後コロナの影響で約半年のブランク
…といった感じです。日常生活で英語を話す習慣があったりすれば、試験の形式的な対策だけをすればいいので、1〜2週間程度でも十分かもしれませんが、わたしの場合は、試験の対策に2週間、「初対面の人との英会話」に慣れるのに1週間、3週間でギリギリだったと思います。
問題集
一次試験と同様、旺文社のものにしました。タイトルの「14日間でできる!」のとおり、ひとまず2週間かけて予想問題に取り組むことにしました。いろいろなジャンルの予想問題が網羅されているし、試験の形式や当日の様子がわかるDVDも付いているので、試験対策としてこれ一冊でも十分だと思います。
4コマのナレーションとQ1の対策
4コマはキレイな起承転結になっているので、問題集を3〜4日分やれば、大体の流れがわかってきます。ナレーションには「主人公の感情・気持ちの表現」「状況・行動の描写」、そして行動のきっかけとしてありがちな看板やニュース、チラシなど「notice類の説明」のバリエーションが必要になるので、それぞれ使い回せそうなフレーズを書き出し、音読を繰り返して覚えることにしました。Q1(4コマ目の「もしあなたが主人公だったら?」)の答えも同様に書き出します
【主人公の感情・気持ちの表現】
・She was very relieved to hear that ...
・The woman felt very happy that ...
・Her parents were very worried by ...
【状況・行動の描写】
・A driver told them to move out the way.
・Many people were waiting in long lines.
・Everyone agreed that this was a good idea.
【notice類の説明】
・There was a notice saying that ...
・The advertisement explained that ...
・The leaflets asked people to ...
【Q 1の答え】
・I’d be feeling sorry for ...
・I’d be happy for now but ...
・I’d be thinking that we should ...
いくつかのバリエーションを覚えると、何とか4コマを説明できるようになるので、あとは1コマあたりを2〜3センテンス、30秒で説明する感覚を覚えるために、時間を計りながらナレーションし、模範回答とは多少違っても、自分なりの表現で時間以内に説明できるように意識して練習しました。
Q2〜Q4の対策
旺文社の問題集では、特にQ2〜Q4の模範解答が高度すぎる気がしたので、もう少しシンプルな言い回しのバリエーションを増やしたいと思い問題集を探していたところ、amazonのKindle Unlimitedてちょうどいい本を見つけました。
本を見つけたのは5日前を切っていたかと思いますが、それほど量も多く無いので、ザッと読んで使い回せそうな解答例やフレーズを書き出し、「14日間」の問題集から拾い出したフレーズを含め何度も音読して、だいたいの構造だけでも頭に入れるようにしました。
オンライン英会話
2週間でインプットをしたら、直前の1週間はアウトプットに重点を置きました。英検の二次対策ができるオンラインレッスンを探しましたが、準1級のコースがあるところはそう多くは無いようでした。検討した結果、学研Kiminiの「英検準1級〈二次試験対策〉」(全10回コース)を受講することにしました。
Kiminiは10日間の無料体験期間があるので、いくつかレッスンをしてみて、合わなければ他に変えてもいいかな〜と思っていましたが、直前の1週間で7レッスンを受講し、結果、かなり役に立ったと思います。何より、模擬試験の形式のレッスンなので、本番と同じような自己紹介やちょっとしたフリートークにも慣れましたし、Kiminiオリジナルの問題を使うので、全くの初見で対応する力と時間の感覚が身につきました。最初の2〜3回はあまりにヒドい出来で、25分のレッスンが終わると変な汗をかいてグッタリでしたが、元々小学生のユーザーが多いからか?どの先生もやさしく、明るく励ましてくれて、だいぶ救われました。無料体験10日間の間に全レッスン受講というのも可能ではありますが、スタンダードプランでも月額5,480円と料金も比較的お手頃なので、 2〜3週間くらいかけて全レッスンを受講できれば理想的だと思います。(ちなみにわたしはその後も継続して別コースを受講中です。)
注意点として、レッスン自体はスマホやタブレットでも受講可能なのですが、4コマの問題シートを小さな画面で見るのは相当キツく、吹き出しの文字も見にくいので、PCで受講できる環境がないとちょっと厳しいかなと思います。
オンラインレッスン以外はひたすら拾いだしたフレーズの音読、あとは予想問題(特にQ2〜4)の自分なりの答えをとにかく口に出してみる練習をしていました。とりあえず日本語でもいいから意見を決めてその理由を思いつく瞬発力は、練習あるのみ!だと思います。数をこなせば、ドンピシャで同じこと質問でなくても、類似のトピックに対応できるようになると思います。
本番当日
ラッキーなことに、試験会場は電車でひと駅と近かったので、早めに向かいました。集合時間は決められていますが、到着した人から順に待合室に座って順に試験の部屋に案内されるようでした。わたしの待合室は準2級の受検者と同室だったのですが、小学生が多くてびっくり。さすがに準1級は大学生らしき方が多く、たまに制服姿の高校生?がいるという感じでした。
待合室にいる間は本やノートを見て直前まで復習することができますが、スマホは受付後に首から下げるケースに入れて封をしてしまうので見ることができません。わたしはフレーズを覚えるメモは全て手書きだったので、それを繰り返し読んでいました。
20分くらい待機した後に3名ずつ、別のフロアの試験会場に案内されました。普通の学校の教室なので他の方も体験談などにもあるとおり、試験の様子は微かにですが聞こえてしまいます。が、問題はいくつかバリエーションがあるようですし、他の方の流暢な英語が聞こえたりして焦るのもイヤだったので、手で頬から耳を覆うような格好で待機していました。
いよいよわたしの番になりました。ノックをしてから中に入り、「Hello!」というところからスタートです。ちなみに「May I come in ?」は言いませんでした。試験官はよく声の通る、わかりやすい英語を話してくださる若い女性でひと安心。ここからの流れは、問題集やDVDにあるとおりですが、今回からは試験管がフェイスシールドを着用してテストをするとのことで「声のボリュームはこれで大丈夫ですか」みたいな質問があり(事前に待合室でも説明がありました。)「Yes, I can hear you.」と答えました。
フリートークで何を聞かれるかもドキドキしていましたが、普通に「あなたのことについて少し聞かせてください」というパターンでした。わたしは「東京オリンピックにボランティアとして参加予定です。英語が必要な担当に決まっているのですが、日常生活では英語を話す機会が無いので、今準備のために勉強しています」というようなことを答えました。さらに「オリンピックは楽しみですか?」と聞かれ、「covidなど不安な要素もありますが、楽しみにしています。」と答えて、フリートークは終了でした。
そしてA4サイズ?の4コマのイラストのシートを渡されます。わたしの問題は以下のような感じでした。
①女子大学生が授業を受けている。黒板には若者の投票率が低いことを示すグラフ。
②彼女が街を歩いていると、候補者が選挙活動を行なっていた。
③翌日、彼女は大学で友達と「今度の選挙はみんなで一緒に投票に行こう!」と話す。
④投票日の朝になって「やっぱりまた今度にする」「今日は行けない」とドタキャンのメッセージが続々届き、彼女はがっかりする。
パッと見で理解しやすいシンプルなストーリーだったこと、そしてちょうどこの頃アメリカ大統領選のニュースをよく耳にしていたおかげで、candidate, campaign, voting rate のような単語もド忘れすることなく話せたので助かりました。何より時間配分が驚くほどぴったりで、最後のセンテンス「She looked so disappointed.」と言い終わった瞬間に、試験官のタイマーがピピピピッ!と鳴って嬉しくなりました。
その後の質問はお決まりのQ1「あなたが彼女だったら?」の後、緊張でだいぶウロ覚えではありますが…概ね以下のような感じでした。
Q2:「環境保護について学校でも子供に教えるべきだと思いますか」
Q3:「インターネットのニュースは信頼できる情報源だと思いますか」
Q4:「政府は大学進学のための奨学金を用意すべきだと思いますか」
トピック自体は、教育や環境、インターネットの功罪など練習でも何となく触れた範囲のものだったので、答えが思いつかずにパニック!ということはありませんでしたが、途中やや言葉が詰まってしまって、必死にfillerで繋いだり、単数複数や時制の語尾を言い直したりというところは何箇所もありました。そしてやはり相当な緊張から、質問を1度に聞き取れた自信がなく、おそらくQ2とQ4の2回、「Could you say that again, please ?」と聞き直しました。2回目(Q4)の時は冒頭に「I’m sorry.」も付け加えましたが、「聞き直し2回まで」のルールはあくまで「一つの質問に対して」ということなので、毎質問全てを聞き直しても点数に影響はないはずです。曖昧な解釈のままズレた回答をするよりずっといいと思うので、自信のないときは躊躇せず聞き直したほうがいいと思います。
全て終了したら、「Have a nice day !」「Thank you. You, too.」で終了です。
大失敗!はなかったはずなので何とかなったかな〜と思いつつも、Q2〜4については質問を丸ごと勘違いしていたらどうしよう…という不安も多少ありましたが、とにかく終わった!と解放感に浸りながら帰りました。
結果
そして結果、34/38点で二次試験もパス、準1級に合格することができました!
ナレーションは1点減点。QAも3点減点で済みました。何よりアティチュードが3点満点だったのが嬉しかったです。できるだけ試験官の目を見て、笑顔を心がけた甲斐がありました。
そしてオンラインの合格結果の時には、県内受験者内での順位のパーセンテージも出るのですが、これが何と上位1%!でとっても嬉しかったです。
以上、3週間ギリギリでわたしが取り組んだ二次試験対策です。いろいろな方の体験記を読むと、試験官の運?みたいなものも多少あったりはするようですが、おそらく一次を突破する英語力があった上で対策をすれば、それほど難易度の高い試験ではないというのは本当のようです。この体験記がこれから受験される皆さんのお役に少しでも立てれば嬉しいです。長文をお読みいただき、ありがとうございました。
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