見出し画像

技術士 第一次試験を受験しました! ~その2 技術士試験編~

みなさんこんにちは。~北陸の知恵と力で未来をデザインし、世界へ広がる原動力を生み出す~ 合同会社KANAZAWA DESIGN AND MOTORS 代表の橋本です。

先日11/24に技術士 第一次試験を受験しましたので、技術士の概要や自己採点、振り返りについて書いていきます。(前回の記事

今回は技術士試験についてお伝えします。


第一次試験

技術士となる資格を得るためには、第二次試験にいずれかの技術部門にて合格する必要がありますが、第二次試験を受験するためには実務経験に加え、技術士補となる資格を有していなければなりません。

技術士補となる資格を得るための方法として、「技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)第三十一条の二第二項及び第三十二条第二項の規定を実施するため、大学その他の教育機関における課程であって科学技術に関するもののうちその修了が第一次試験の合格と同等であるもの及び当該課程に対応する技術部門として文部科学大臣が指定したもの」、いわゆる「JABEE認定」の教育課程を修了することで技術士補となる資格を得ることができます。

技術士法第三十一条の二第二項及び第三十二条第二項の規定に基づく教育課程及び対応する技術部門の指定について:
https://www.mext.go.jp/content/20240401-mxt_kiban02-100000332_01.pdf

JABEE認定とは:
https://jabee.org/about_jabee

一方、上記教育課程を修了していない場合は、第一次試験に合格する必要があります。私の場合、出身大学の学部/コースは経営工学部門のJABEE認定を受けていますが、適用開始されたのがコース修了の翌年だったため、第一次試験から受ける必要がありました。なお、第一次試験には受験資格の定めは無いため、誰でも受けることができます。

第一次試験は以下の試験科目に分かれ、全て5問択一のマークシート方式となっています。

Ⅰ 基礎科目

科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題。
試験時間:1時間
解答方法:5つの問題群から6題出題され、各3問ずつ計15問選択して解答(各問題群から4問以上解答した場合は失格)
合否決定基準:50%以上の得点

Ⅱ 適性科目

技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う問題。
試験時間:1時間
解答方法:15問全問解答
合否決定基準:50%以上の得点

Ⅲ 専門科目

受験者があらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題。
試験時間:2時間
解答方法:35問中25問を選択解答(26問以上解答した場合は失格)
合否決定基準:50%以上の得点

免除規定

基礎科目と専門科目には以下の免除規定があります。私の場合は経営工学と情報工学が専門ですが、いずれも該当しませんでした。(情報処理技術者の高度試験として情報セキュリティスペシャリストを保有していますが、残念ながら旧資格のため対象外でした)

(1)旧制度(平成14年度以前)で第一次試験の合格を経ずに(既にいずれかの技術部門について)第二次試験に合格している者が、第一次試験を受験する場合、次のとおり試験科目の一部が免除されます。

A 第二次試験の合格した技術部門と同一の技術部門で第一次試験を受験する場合
⇒基礎科目、専門科目が免除
B 第二次試験の合格した技術部門と別の技術部門で第一次試験を受験する場合
⇒基礎科目が免除第一次試験を合格した者が第二次試験を受験する際は、第一次試験で合格した技術部門を含む全ての技術部門を受験することができますので、通常は免除科目の多いAでの申込みになります。

(2)中小企業診断士に登録している方(養成課程又は登録養成課程を修了した方であって当該修了日から3年以内の方、中小企業診断士第2次試験に合格した方であって当該合格日から3年以内の方を含む)が経営工学部門で受験
⇒専門科目(経営工学部門)が免除

(3)情報処理技術者試験の高度試験合格者又は情報処理安全確保支援士試験合格者が情報工学部門で受験
⇒専門科目(情報工学部門)が免除
※高度試験(ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験、システム監査技術者試験)

日本技術士会 令和6年度技術士第一次試験 実施案内
(https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/010177.html)

第二次試験

受験資格

前述のとおり、第二次試験には受験資格が定められています。具体的には以下の内容となっています。なお、技術士補となる資格は技術部門にかかわらず有効で、第二次試験ではどの技術部門でも選択することができます。

技術士補となる資格を有し、次のいずれかに該当する者
(1) 技術士補として技術士を補助したことがある者で、その補助した期間が通算して次に定める期間((2)の期間を算入することができる。)を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 4年
・総合技術監理部門 7年

(2) 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務を行う者(注1)の監督(注2)の下に当該業務に従事した者で、その従事した期間が技術士補となる資格を有した後、通算して次に定める期間((1)の期間を算入することができる。)を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 4年
・総合技術監理部門 7年
(注1)7年を超える業務経験を有し、かつ受験者を適切に監督することができる職務上の地位にある者。
(注2)受験者が技術士となるのに必要な技能を修習することができるよう、指導、助言その他適切な手段により行われるもの。

(3) 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務に従事した期間が通算して次に定める期間を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 7年
・総合技術監理部門 10年(既に総合技術監理部門以外の技術部門について技術士となる資格を有する者にあっては7年)

なお、(1)~(3)のいずれにおいても学校教育法による大学院修士課程(理科系統のものに限る。)若しくは専門職学位課程(理科系統のものに限る。)を修了し、又は博士課程(理科系統のものに限る。)に在学し、若しくは在学していた者にあっては、2年を限度として、当該期間からその在学した期間を減じた期間とする。

日本技術士会 令和6年度 技術士第二次試験の実施について
(https://www.engineer.or.jp/c_topics/009/009927.html)

私の場合は(3)の要件を満たしているので、第一次試験に合格すれば第二次試験を受験することができそうです。業務経験及び年数の説明については別途、「実務経験証明書」を提出する必要があります。

第二次試験は以下の試験科目に分かれます。

総合技術監理部門以外の技術部門

  • 筆記試験Ⅰ 必須科目
    「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの。
    試験時間:2時間
    解答方法:2問中1問について、答案用紙3枚に解答
    合否決定基準:60%以上の得点

  • 筆記試験Ⅱ、Ⅲ 選択科目
    「選択科目」についての専門知識及び応用能力並びに問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの。
    試験時間:計3時間30分
    解答方法(選択科目Ⅱ-1):4問中1問を選択し、答案用紙1枚に解答
    解答方法(選択科目Ⅱ-2):2問中1問を選択し、答案用紙2枚に解答
    解答方法(選択科目Ⅲ):2問中1問を選択し、答案用紙3枚に解答
    合否決定基準:Ⅱ、Ⅲそれぞれで60%以上の得点

  • 口頭試験(筆記試験合格者のみ)
    技術士としての適格性等について口述により行う。
    試験時間:20~30分
    合否決定基準:各試問事項で60%以上の得点

総合技術監理部門

総合技術監理部門の筆記試験は2日間の日程で実施され、2日目は選択した技術部門の第二次試験と同じ試験内容となります。

  • 筆記試験 必須科目
    「総合技術監理部門」に関する課題解決能力及び応用能力を問う問題。

    • 択一式
      試験時間:2時間
      解答方法:40問全問解答
      合否決定基準:60%以上の得点

    • 記述式
      試験時間:3時間30分
      解答方法:3問に対し、答案用紙計5枚に解答
      合否決定基準:60%以上の得点

  • 筆記試験 選択科目
    総合技術監理部門以外の技術部門の必須科目及び選択科目。
    ※対応する技術部門の第二次試験に合格している場合は免除されます。

  • 口頭試験(筆記試験合格者のみ)
    技術士としての適格性等について口述により行う。
    試験時間(必須科目):20~30分
    試験時間(選択科目):20~30分
    合否決定基準:各試問事項で60%以上の得点
    ※対応する技術部門の第二次試験に合格している場合は必須科目のみ試問。

おわりに

第一次試験の正答は試験翌日、日本技術士会のWebサイトで公開されました。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/003935.html

また、自己採点結果は以下でした。(専門科目は経営工学部門を選択)
 Ⅰ 基礎科目:8/15点
 Ⅱ 適正科目:10/15点
 Ⅲ 専門科目:15/25点

第一次試験の合否決定基準は各50%以上なので、マークミスや設問によって配点が異なることがなければ、第一次試験は合格しているはずです。合格発表は2025年2月下旬とのことなので、結果を待ちたいと思います。

以上、今回は技術士試験ついてお伝えしました。次回は私が今回受験した令和6年度技術士第一次試験の基礎科目について、自己採点の内容をお伝えします。

いいなと思ったら応援しよう!