春節21億人移動の計算方法はどうなっているのか
先日来、ニュースでは「中国の春節に21億人が大移動する」と、しつこいほど繰り返している。これを聞いて、なんか変だなと感じた人も少なからずいるのではないだろうか。というのは、中国の人口は14億人余なので、21億人というのはそれを大幅に上回っているということである。
単純に「21億人移動」と聞けば21億人の人間が移動するかのように思える。もちろん21億人は延べ人数のことであるが、それにしても多すぎるるように思える。ちょっと詳しく読むと、「特別輸送体制(春運というそうだ))期間の1月7日~2月15日(39日間)に国内移動した人の数」ということだそうだ。ということは、帰省などで移動した人は往復するだろうからおそらく2人分に数えられているのだろうし、期間中に何度か出かけたら当然それも計算に入るであろうが、それにしてもまだ多すぎるように思える。国内移動と言っても当然、通勤やごく近距離の移動は含まれていないだろうから、どのくらい以上の移動距離を対象として計算しているのであろうか。
「大移動」と聞くと、我々が一番知りたいのはおそらく人口のうち何割の人が移動するのだろうか、ではないだろうか。しかしそれは、発表数字からは全くうかがえない。中国政府の発表する各種数字に対する信頼性が落ちているように見える昨今、各種ニュースサイトはもうちょっと数字の意味内容に注意を払うべきではないだろうか。余りに機械的に「21億人大移動」と繰り返しているように思える。もっとも、中国で何人が国内移動しようが特に問題があるわけでもないのではあるが。
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