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その日は

少し早めに仕事を上がって帰宅途中
1番後ろの車両に乗って
座席でうとうと寝ていた

とある駅まで数十メートル手前
急ブレーキで目が覚めたら

何⁉️


そのうち思いっきり車両が揺れた右左に大きく
座っている人間には前に後ろに揺れる

その揺れは半端なくて

❗️

車掌さんは 
いつもと違う呼び出しのアナウンスをし
1人の男性が車掌さんのいる最後尾に
向かって行くのが見えた
するとドアが開いた 非番の職員のようだ

開いた扉から 東北地方震度7と
無線の声が聞こえる

今となっては その無線内容は
うろ覚えなんだけれど7と言っていた
気がするのね

放送を聞いて東北の親戚は?と気になる
でも電車の中に缶詰状態で何も出来ない


電車から誘導されて外に出て
線路を歩いて 道に出て駅まで行くも

まだまだ 最寄駅では無いし
バス乗り場は人の列 公衆電話も人の列
とにかく何か…みんな焦っている様子が見えた

運良くバスに乗れて 乗り継いで
自宅に到着した時は外は薄暗く
生まれて初めてガスの安全弁の
ロック解除をして 家に入った

思ったほど物が散乱していない事に
ホッとしたなぁ 夕飯は冷凍庫の炒飯

この時点ではまだ あぁ良かったって
後の大変さに
気づくことも無かったんだよね


唐突ですけど
計画停電を知ってます?


あの時色々と 大人の事情と言うか
電気供給確保の為 電車は間引き運転とか

そして首都圏の決められた地域は
計画停電という 一日のうち数時間
電気が止められてしまったのよ


東京の真ん中に住んでいる友達は
いつも通りの生活をしていたので
えー 良いなぁってモヤモヤした

TVでは計画停電中冷凍庫は
数時間では中のものはすぐ溶けないとか
マンションでは停電中ポンプが動かないから
トイレに流すための水をバケツ一杯
用意しておくようにとか
番組で特集していていたなぁ


2度とは見ないかも知れない景色


ある夜停電中外を眺めてみた時の事


それは真っ暗な 街頭の明かりもない暗闇
例えるなら 明かりが殆どないお化け屋敷

各家の懐中電灯かキャンドルの灯りで
少し明るく見える窓 街頭も付いていないから
わかるんだよ


暗闇の中 車のヘッドライトの2本の光

自転車も…黒い道 
長いひかりの帯は細長く白く伸び
そして明るかった

被災はしていないけれど
生活に影を落とした震災は
今日でひと回り12年経った

そしてまだ覚えている


昨日 
雑談の中で一回りしたねって言われて 

一瞬わからなかったんです…私は

それで少しずつ振り返る事をしました


TOPの画像は6年くらい前に行った旅行での
松島のうち海です 良い天気に恵まれて
穏やかな海でした




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