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菅さんの人柄は信頼できる?

   9月16〜17日に日経新聞とTV東京が行った世論調査では菅内閣の支持率が過去3番目に高い74%で、支持する理由のトップが「人柄が信頼できる」というものだったとのことです。

 この調査は基本的にデタラメです。まだ菅氏の首相としての仕事ぶりがわからない段階です。それをどう評価するんですか。回答者は、答えようがなかったけど、何か答えなきゃいけないと思ったから、テキトーな答えを選んだのでしょう。日経とテレ東(だけではないが)が愚劣もしくは悪質です。

 そして、回答者の少なくとも一部は、いまはコロナ禍でたいへんなときなんだから、それに取り組む政府を批判なんかすべきじゃない、国民みんな一丸で、とか、できたばかりの段階の政府は批判はできない(なら、どうして支持できるのか?)と考えたのだろうと思います。チョーお祝儀相場。とはいえ、このようにして、いい子ぶることに汲々とする近世いらいの日本の伝統が連綿と続くのには、うんざりします。

 白坂和哉さんのYouTube動画「デイウォッチ」が、これを取り上げていて、白坂さんは、のけぞるというか、呆れています。

 https://www.youtube.com/watch?v=w7ZzGWYMcRo&t=1s&fbclid=IwAR3H4LmHpPWQ2KK-Vsa2e39abowdmaKL_W7Y_o30FPYQo-VxR_OcX1zKcAA

 白坂さんの語ることはもっとも至極で、とくに、官房長官菅義偉とその天敵、東京新聞の望月衣塑子記者のやりとりを、米国務省のモーガン・オルタガス報道官の記者会見での質疑応答と比較している点は出色だと思います。

 白坂さんも指摘している通り、まだ首相として何もしていない段階で人柄がわかるものではありませんし、就任したての政権者について評価は不可能です。言えるのはせいぜい期待だけです。なのに、この調査では、「指導力がある」「政策がよい」「政府や党の運営の仕方がよい」「清潔である」「国際感覚がある」などという選択肢があげられているのです。そんなこと、いざ実際に菅さんが首相としての仕事を1年くらいやってから聞くべきことです。

 そもそも私は、政治家について人柄をあげつらうことが非常に気になります。

 外交手腕とか経済政策というのなら、政治家の仕事ぶりに対する評価ですが、人柄というのは個人的側面の意味合いがつよく、政治家を評価するときの回答の選択肢に含めるべきものではないと思うのです。だいたい私たちは一面識もないあれこれの有名な人物について軽々しくその人格を云々しがちなものです。

 なるほど菅さんは、いろいろと蔭で手を回して、アベ政権にとって邪魔な人間は排除するということを、ずっとやってきたことは、確かです。だからこそ安倍首相の信任厚かったわけです。政治関係の情報を日頃少しでも見ていれば、「スガは陰険」というのは常識と言っていい。官邸記者会見で東京新聞の望月衣塑子記者の質問を妨害し、やがて官邸から閉め出したことは、広く知られている(はず)です。

 集団的自衛権の行使は合憲であるという決定が国会ではなくアベ政権の閣議で行われたとき、それを取り上げたNHKの人気番組「クローズアップ現代」で、菅氏に一対一で重ねて質問した当時の国谷裕子キャスターが、ほどなく番組から外されたことも、よく知られているところです。

 さらには、これもジャーナリストの伊藤詩織さんの事件。

 伊藤さんと山口氏、双方の主張を比べ、伊藤さんだけが主張していることは除外し、山口敬之氏が月刊Hanada  などに書いていることをもとに事件を検討してみても、同氏の有罪が明らかです。

https://www.facebook.com/notes/萩谷-良/山口敬之氏の動かせない証拠/2174126185935832

https://www.facebook.com/notes/萩谷-良/詩織さんの記憶喪失山口氏の証拠湮滅/2841634759184968

 それがなんと不当な不起訴。でもその後の民事訴訟で同氏は笑うほかない矛盾だらけの陳述をして自ら墓穴を掘っています。

 この山口氏が安倍首相(当時)を讃える本を書いたことから、政権につながりが深く、TBS退社後の再就職は菅氏が面倒をみてやっていること、犯行後、伊藤さんの追及に困った彼が相談した相手、北村滋氏や、逮捕状まで出た彼を刑事たちが空港で待ち構えているときに逮捕中止の命令を出した中村格警視庁刑事部長(当時。その後出世)が菅氏の引き立てた人物、ありていに言えば子分であることも、確かなことです。

 なんと、菅氏は何人の美女に追及されることやら。私が日経新聞、TV東京なみに軽薄か軽率か、もしくは悪質だったら、「菅さんは美女が嫌いである」と結論してしまうところです。

 とは言っても、彼のこれまでしてきたことは、どれも職務上のことで、彼はそれを、あくまで仕事のスキルとして身につけて、行使してきたので、必ずしも人柄の問題ではありません。まあ、仕事の上で疚しいことをし続ければ、段々人柄も暗くなるということは大いにありうることなんで、だから、菅さんも若い頃とはかなり人相が変わっています。私は彼が若い頃彼の選挙区にいましたから、街角でポスターをさんざん見たけれど、おべんちゃらっぽくて魅力を感じない人相だとは思いましたが、いまほど露骨に陰険な感じではありませんでした。でも、それは職業のしからしむるところです。彼の仕えた政権者が安倍晋三氏でなければ、あんなに無理に庇わなくてもすんだかもしれないのですから。だから彼のほんとうの人となりはわかりませんし、私は興味もありません。

 もし、彼の人柄を云々することに意味があるとしたら、「政治家としての人柄」、彼が政治を志した経緯を考えるべきでしょう。彼は苦労人だと宣伝していますが、豊かな農家に生まれ、親類は教師がたくさんいるのだから、故郷で農家を継ぐもよし、教師になるもよしだったのに、それを拒否しての集団就職、段ボール工場勤めだったのです。それは彼の個人的選択だから、誰も文句は言えないが、そんなときたまたま政治家秘書の口があったから政界に入っただけで、政治的な志はなく、金儲けの手段のひとつにすぎないのだから、いま増えすぎて問題の二世、三世政治家と選ぶところがない。それこそが問題でしょう。

 白坂さんが、このとんでもない「調査結果」に驚いて、菅さんの人柄を問題にしてしまったのは、ほんとはどうかなとは思うものの、オルタガス米国務省報道官の記者会見と比較してくれたのは、価値あることです。もちろん、それは、仕事ぶりの比較であって、人柄の比較ではありません。

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 以上のように書いていたら、白坂さんの再度の投稿があり、要するに、高支持率のカラクリは、回答者が支持か不支持か決めかねていると答えると、もしどっちかにするとしたらどっちかと聞いたというのです。これじゃあ、気の弱い普通の日本人はネガティヴな答えは遠慮してしまいます。他紙では60%台なのに日経は74%だったのは、そんなわけだった・・と言われても、私は他紙が60%台という調査結果を出していること自体がすごく疑わしいのですが。

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