消費税廃止も5%もダメ
現に消費税があるのに、なくせと言っても無理。既成のものは強い。れいわや共産に、そんなことをできる勢力はない。
れいわや共産は、消費税をなくせ、かわりに法人税をうんと取れと言う。道義的には正しいかもしれない。大企業が自分たちに課せられる税金を減らしたくて消費税と言い出したんだから、そんな税金はやめたらよいというのは、道義的には頷ける主張だ。
しかし、ことは、道義ではない、政治的駆け引きだ。
すでにあるものは簡単になくせないし、大企業は既得権にしがみつく。
だから、消費税を、無理な消費税と、無理でない消費税に分け、まず無理な消費税をなくせ、と要求すべきだ。
生活必需品にまで税をかけるのは無理無体だから、それをやめる。5%どころじゃあない。生活必需品の消費税は即ゼロだ。
だから共産党案はダメなのだ。きちんと、担税能力のある国民から取る消費税とそうでない消費税に分けるべきなのに、一律5%と言っている。生活必需品とそうでないものの仕分けもしないのか。AI使ってたたき台を作れば、選挙には間に合うじゃないか。共産党は怠惰だ。
こういう駆け引きならば、大企業もやみくもに逆らえない。なにしろ、低所得層の生活を苦しくしたら、それだけ消費が減る、彼ら(私もそのひとりなんだな)を楽にすれば、消費が増えて景気がよくなる。
で、共産党は、大企業から税を取れと言うが、そういう抵抗の大きい意趣返しみたいなことから先に思いつくところが青いんだ。
だから、健全な常識を弁えた人間は、三税のバランスと言うのだ。
それには所得税が含まれる。所得は、給料などの、労働による稼ぎだけではないのだから。
私は60年代、まだ子どもだったころに、分離課税は怪しからん、総合課税のままでいい、という話があったのを覚えている。自民党政府はわざわざ株式の売買で儲ける連中に減税措置をしてやったのだ。
どこかの会社の重役とか、売れっ子の俳優やイラストレーターや小説家なんかが、給料やギャラを稼ぐのと、自分は働かずにどっかの会社の株を買って、それを売買して利ざやを稼ぐのは、まったく別だ。利ざや稼ぎなんて、バクチ打ちの不労所得じゃないか。
そいつが、ほかに本業もってて、その所得とバクチの所得と両方もってたら、同じ人間の稼ぎなんだから合算すれば、累進課税だったら結構な税が取れるわけだが、分離課税だと、すごく割安になる。
こんな連中を優遇するのは、大企業の法人税以上に悪質だ。
企業は商品・サービスと雇用を社会に提供するから、必要性のある存在だ。また、それに資本を提供するひとも必要だ。しかし、株式投資の利益は配当が本来ではないか。なんで、株の売買なんていう、肝心の投資を必要とする企業にとってはなんの利益にもならない行為を優遇するのだ。
株を売り買いするだけのヤツなんて、企業の寄生虫、たんなるバクチ打ちじゃないか。そんなのを投資と呼ぶのはよせ。
だから、必要なのは、低所得層に対する消費税をなくす生活必需品非課税、企業に対するある程度の税の取り立て、そして、不当にも投資家と名乗っているバクチ打ちに対する厳格な課税、この三税バランスなのだ。
それも分からぬ連中に政権がとれるわけがない。