ウクライナ、ブチャの大量の死体の謎

ウクライナのキーウ近郊ブチャで、ロシア軍が撤退したあと、大量の死体が遺されていたという件で、田中宇氏の田中ニュースが、あれはウクライナの自作自演だというロシア政府の言い分に相応の根拠があることを伝えています。

https://tanakanews.com/220408bucha.htm

田中ニュースは、英語で発表された海外諸国の記事を大量に読み込んで比較するという独自の作業にもとづいているのが特色ですが、ウクライナ戦争に関する記事は、ロシアの新聞記事にもとづくものが多いので、多くのひとはプロパガンダだと言って一顧だにしないでしょう。

では具体的に、「プロパガンダ」の一例を見てみましょう。

スプートニクという新聞(もちろんロシア)が、ブチャの大量の人々の遺体について大略こう書いています。

<ニューヨークタイムズが、遺体は3週間前、まだロシアが居座っていたときに殺されたものだと書いている。この報道は、マクサー・テクノロジーというNASAと契約している企業の報告にもとづいているる。
3週間どうして遺体は腐敗しないのか。
ネズミや犬や鴉に食われなかったのか。
さらに、撤退するロシア軍は、路上にころがる遺体をまったく轢かないように、丁寧に避けて走ったのだろうか。>

付け加えるなら、死体は放置すれば内部からガスが発生して、膨れ上がるはずだ。写真に写っている遺体は綺麗すぎないか。

https://sputniknews.com/20220405/msms-bucha-tall-tale-1094504500.

同記事は、Wikipediaの「Bucha massacre」という項目にもとづいて(4月5日の9時25分にアクセス)、当時のブチャの気象のグラフを示し、零下の日はほとんどなく、日によっては11ー17度のときもあったことを示しています。このように、全部西側のニュースを根拠に書いているのです。これでは、よほどリクツに合わない推論をしないかぎり、ウソはつけません。

ロシアは即座に、現場検証を安保理に要請しましたが、議長国の英国が却下しました。ウクライナ政府は検証などなしに遺体を処理しました。
(なお、propagandaというのは、「宣伝する、情報を広める」という意味の言葉で、ウソをつく、騙すという意味はありませんが、一応いま一般に使われているように使ってみました)

【2023年10月27日 ひとつ重大な気がかりを言うのを忘れていました。ウクライナで闘うウクライナ軍とロシア軍は、どう互いに識別しあうのでしょうか? また、ロシアに通じている人間を、そうでないひととどう区別するのでしょう。ブチャ市街に並んでいた死者たちが全部ウクライナ人などと断定する根拠はなんでしょう?】

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