中国脅威論をやめてくれませんか
中国脅威論を語る人間がいるのは憂うるべきことです.
こんなことを言います。
<日本は、中国と、台湾の、どちらと、仲良くすべきかと言えば、間違いなく台湾だ。台湾が中国に攻撃された時、日本は、黙っていられるか?>
こう答えておきました。
中国が台湾を攻撃して、何の得になりますか?
日本は台湾と大陸を二者択一で考えなければなりませんか?
外省人が17%いる台湾を大陸が攻撃するということは、その17%の親戚を敵に回すことです。鄭成功の時代から大陸の中国人がわたってきた歴史を考えれば、圧倒的に多くのひとが中国人で、現に北京官話を公用語としており、そのひとたちは大陸に血縁の人々をもっているのです。北京の政府が台湾との戦争をするなんて、支離滅裂で北京政府の損です。
台湾は今やアジア有数の技術水準をもつ国です。戦争などでなく、利用するのが、得です。
中国人はソロバン勘定にたけたひとたちです。米国のイデオロギーなどで理解できるものではありません。今現に一帯一路は152ヶ国位を関与させて、ユーラシアを越える広がりを見せています。
あなたは、朝鮮戦争がまだ終わっていないことをご存じないでしょうか。休戦中なのです。その休戦中の国の近海に韓国、日本とともに軍を送って演習をするのが米国です。1962年、ソ連がキューバにミサイルを配備したとき、ケネディ政権はどう対応したでしょうか? 核戦争も辞さずと強硬に威嚇して撤去させたのです。
中国は世界中にひとを住まわせています。その人たちは現地に棲みつき、会社を興し、現地で中国人労働者を雇って、道路、橋梁、ビル、スタジアムを作り、カラオケ(中国語で女性が男性に性的サービスをする店のこと)をもち、そこで働く女性達がおり、スーパーは中国製の食品、日用品がいっぱい。そうやって稼いだ金を彼らは本国に送金し、現地の確実な情報を本国に伝えているのです。北京政府が彼らを見殺しにできるわけがない。
中国は自由がないなどと言うひとは、中国人がトラック運転手の待遇改善のため、今年の3月、100万規模のストをやって習近平に政策を変えさせた例でも考えたらいいのです。
日本では、教員にもストができないから(アメリカのせいで朝鮮戦争のとき以来公務員のストが非合法だからです)、待遇が悪くて、教師になり手がないじゃありませんか。ほんとに視野の狭い日本人が多くて困る。私は中国に危険な動きがあるかどうか知りたければ横浜中華街にでも行こうか、川崎駅前の中華食材屋にでも行こうか、そこがカラになったときがヤバいときだと思ってます。
これは、今や重大なことですから、どうかご理解いただきたいのですが、いま日本で主流メディアが流している中国脅威論は絶対に間違いです。
中国脅威論は、昔から黄禍論として、欧米にあったものの引き続きではないでしょうか。西洋人は、自分たちが近代になって、世界を支配しようとし、植民地を作ったから、中国も同じ事をすると思いたい。つまり自己投影にすぎません。しかし、西洋がやった世界支配は軍隊を送り、圧倒的な軍事力と技術の差で、現地人を支配し、差別し、彼らをまず生産力として利用して現地資源を収奪し、やがては市場として利用しようとしたのでした。
中国は、フビライハンの遠征を除けば、遠くの国に軍を出すような損なことはしていません。近隣とのいざこざだけです。今だって東シナ海か南シナ海とカシミールあたりがせいぜいじゃないですか。昔からいざこざのあったベトナムやラオスだって、韓国だって、やたらに軍を出しはしません。
そして、いま中国が進めている世界支配は、非軍事的、互恵的なもの、一帯一路政策と、華僑・華人の世界各国への定住です。これをどうやって批判し、禁止できるのですか。米国はしょうがないから、華為やTikTokなどのやることにケチをつけて、自分こそ資本のグローバリズムで世界を支配している現実を見ようとしません。そして、愚かな多くの日本人がそれを信じ込んでいるのです。
かつてのように、圧倒的な力の差で支配することなど、今の世界では不可能なのを理解できないほど中国人が愚かなら、こんなに世界に広がっているでしょうか? むしろそんな米国のデマを信じる日本人のほうが、アナクロニズムだと言うほかありません。