1月19日◆賃貸派の住まいは日当たりの良さしか勝たん
一人暮らしを始めた19歳から40代半ばの今まで、ありとあらゆる賃貸物件で過ごしてきた。
東京都内で7軒住んだ後の郊外で2軒目(←今ここ)、途中海外でも短期ながら5軒の賃貸物件で生活した。今あらためて振り返ってみると、いかに心地よく過ごせたかは、日当たりの良さが肝だったのではないかと思う。
物件を選ぶ条件は人ぞれぞれ違うだろう。もちろん自分のそれもライフスタイルにあわせて変化してきた。例えば、会社勤めをしていた時は駅近が最優先だったし、フリーランスになって間もない頃はフットワークの軽さが命だと思い、都心のど真ん中にあった狭くて日当たりが悪いマンションに住んでいた。
私が生活した海外というのは中国とシンガポールとタイでいずれも治安は悪くないが、それでも物件そのものよりも安心して暮らせるエリアを重視した。むろん、日当たりは度外視だった。
海外はさておき、日本で暮らした経験を総合的に判断すると、日当たりのいい家に住んでいた時は比較的体調も精神も安定していたような気がする。端的に言うと居心地が良かった。朝日を浴びて体内時計をリセットしたり、すくすくと育つ観葉植物を愛でたり、冬には犬が気持ちよさそうに日向ぼっこをするのを見ているだけで癒やされた。そういう毎日のなにげない積み重ねが、健康な心身を培っていたのだと思う。偶然かもしれないが、日当たりのいい家に住んでいた時は、衝動買いが少なかった。
今暮らしている家は、築年数が古く駅から遠いという、決して良い条件とは言えない物件だ。けれど日当たりの良さは抜群で、窓から見える景色も過去イチ好きだ。毎朝窓を開ける度に幸せだと思えることが、何よりも嬉しい。この感覚がみんなに当てはまるものではないと思うが、自分としてはこの幸福感を知ってしまったからには、暗い部屋には戻れない気がする。
おばあちゃんになっても、毎日日の当たる場所で暮らすのが小さな夢だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?