【自由研究30】 ビールをぐっと飲み干し、クリエイターさんに御返事する
本日は、最近お知り合いになったクリエイターさんからリクエストをいただいたので(ありがとうございます!)、『 クリエイターさんに御返事する 』お話をしたいと思います。
1. 御挨拶
こんにちは。
日系企業(化学メーカー)で研究開発を8年、いまは上海で技術営業をしている36歳の会社員です。『 “ ビール ” と “ 芸術 ” で面白いことをしたいな 』を合言葉に、色々な活動をしております。
今回でvol.30。今日はnoteでお知り合いになったクリエイターさんに、御返事を書こうと思います(#公開交換日記)。
2. noteでお知り合いになったクリエイターさんへの御返事
前回は、毎月行っている『 クリエイターさんにサポート(応援)する 』お話をいたしました。以下の内容です。
で、今回は、その8月にサポートさせていただいたクリエイターさん、KENさんから、
『 タイのシンハービールについて紹介してくれませんか? 』
という、本当にありがたいお言葉を頂いたので、本日はタイのビール、『 シンハービール 』を御紹介しようかと思います。
(#涙が出るほど嬉しい依頼)
ちなみに、この企画(記事)で繋がりました。
テーマ
そんなシンハービールの紹介に関し、じゃあ何を紹介しようか?、となる訳でが、悩みに悩んでこんなテーマにしました。
『 中国でのシンハービールのあるべき姿は? 』
(#ちょっと大きく出ましたね)
これでお話しようと思います。
シンハービールって何?
まず、結論から先に申し上げますと、中国において、シンハービールは以下の位置づけ、打ち出し方が最適という仮説に至りました。
『 他商品と争う必要がないように環境を整え、高貴に立ち振る舞う打ち出し方 』
どういうことか?このような仮説に至った流れを御説明いたします。
まず、何を考えるにも、『シンハービールとは何か?』、から理解します。
【 概要 】
・シンハービールは、1933年にタイで誕生。王室にも認められた由緒あるビール。
・語源となっているシンハーとは、タイやインドの古代神話や壁画に登場する“神秘の獅子”を意味する。
・シンハービールの名称は、“シン”の語をサンスクリット語に戻した形、“Singha”という表記にして、それを英語名称に用いて生まれたもの。
・100%大麦モルト。一番搾りから醸造されるプレミアムビール。
・4月8日は“シンハービールの日”。
・世界50カ国で展開中。
【 デザイン 】
・ラベル上部に刻まれているデザインは、タイ王室の象徴“神鳥ガルーダ”で、特に優れた製品にしか与えられないもの。
・シンハービールはこのデザインを1939年タイ王室から授かった。
・メインのデザインに関係し、“獅子印製品(ผลิตภัณฑ์ตราสิงห์)”として親しまれている。
【 味 】
※ 後述する自由研究を参照
中国における現在の『 シンハービール 』の様子
これらを見てくると、シンハービール自体が持つ意味として、一言で言えば、『 高貴(Premium)なビール 』という言葉がピッタリと考えられます。
となると、打ち出し方は、
中国のローカル汎用ブランド、『 青島ビール 』 ・ 『 雪花ビール 』と真っ向勝負するような大衆向けの展開
ではなく、
特定領域(エリア)で限定的に打ち出す
という方策になることが分かってきます。
こういった考えもあってか、シンハービールは、中国内ではスーパーやコンビニなどでゲットできるような感じではなく(ネットショップにはありましたが、私も買うのは苦労しました。)、高級エリア(例えば外灘、龍安寺とか)のアジアン料理店で展開する、といった展開の仕方をしている印象を受けます。
そこで出される価格帯も30~35元(同店で提供される青島ビールは18元)。もちろんインポートということもありますが。
即ち、予想通り、高級路線ですね。
ところが、
ここまで聞いてくると、それ自体が持つブランドイメージと、現在の展開の仕方がマッチしていそうだなと見受けられてきます。
では実際マッチして売れているのか?
ここからは私がアジアン料理店やタイ料理屋に行ったときの観察の様子にはなりますが、多くのテーブルで『 青島ビール 』の瓶が詰まれている状況です。
(#シンハービール頼まれてないじゃん)
ずっと見ていても、みんな『 青島ビール 』を頼むんですね。ここでなんでだろう?、と思う訳です。
(#テツandトモ)
で、現地スタッフとかにこのことを聞いてみると、納得の答えが返ってきたわけです。
『 このビールは高いですよ 』
そうです、中国の人達は何をさておき、『 価格 』を第一に見るんです。つまり、『 青島ビール 』と『 シンハービール 』が並んでメニューリストに載っていると、どんなに高貴な場所でマッチしているとはいえ、結局価格の比較で、『 青島ビール 』を選んでしまう。
もちろん、このことを議論する際には、『 味 』の議論も忘れてはならないのですが、『 味 』の観点でもほぼ同じレーダーチャートになるので、よっぽどのビール好きでない限り、『 同じ味 』になってしまいます。
こういったことから、頼まれず、売れず、認知が下がる、といった可能性があります。
今後の『 シンハービール 』の在り方
ではどう変えていくのが良さそうか?今後の在り方です。
端的に言うと、いっそ、そういった高貴な場所、アジアン料理店などでは、
『 シンハーブランドのビールしか出さない 』
ということで良いのではないかと考えます。
一見すると、『 じゃあ頼まない人も多いのでは? 』となりそうな感じはしますが、恐らくそれは起きえないと思います。やはりビールが飲みたい人は、ビールを注文するので。また、そういった高級路線に来るお客さんは、比較するものが少ないほど、選ぶ時間も節約でき、メリットに感じる可能性は高くなると推測いたします。
一方、選択肢を期待するお客さんもいることは事実です。そのため、そのうち手として、『 シンハーブランド 』で固める、ということになります。
つまり、『 シンハービール 』だけでなく、ビア・シンが展開している『 シンハービール ドラフト 』、『 ビア LEO 』、『 SNOWY WEIZEN 』をメニューに並べる、ということです。特に、『 ビア LEO 』は低価格版として御馴染みですので(中国内でもシンハーの10%ダウンくらいの価格で売られています)、こちらがウケる可能性もあります。
これらトータルで販売を展開していければ、『 シンハービール 』の高貴なイメージを確立しつつ、ビア・シン全体の販売に寄与できるのでは、と仮説を持った次第です。
(#KENさんいかがでしょうか?)
という訳で、今回のお話は『 中国でのシンハービールのあるべき姿は? 』というテーマでお話させていただきました。
『 他商品と争う必要がないように環境を整え、高貴に立ち振る舞う 』
この仮説が立証できないか、アジアン料理店とお話してみようかなと、思っている今日この頃です。(まずは中国語をもっと学ばないといけませんが)
後述する内容は、上記の【 味 】にあたる自由研究です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
3. 自由研究
1. Background
大変雑で申し訳ございませんが、やはりネットの情報力には敵いません。そのため、以下の通り、外部情報を参照させていただきます。
シンハービールの基本情報は、以下Wikipediaを参照。
シンハービールの歴史は以下を参照。
2. Sample
【試料】 シンハービール PREMIUM
【購入場所】 淘宝
【原材料】 ①水 ②大麦 ③酵母 ④ホップ
3. Results and discussion
【試験環境】 温度:24℃ 湿度:29%RH
【麦酒環境】 温度:20.0℃(MITIR製 水温計)
以下レーダーチャートに、試飲の官能試験結果を示す(n=1)。なおBlankは、青島ビールを選定した。
スッキリした飲み口の中でも、キレのある苦味が特徴的。
【ペアリング】
本命:グリーンカレー
対抗:タンドリーチキン
大穴:カレーせんべい
4. Conclusion
『 スッと自然に身体に流れ込む黄金色の高貴な一品 』
Reference
・シンハービール Wikipedia
・シンハービール HP
Data