言霊少女とスタートダッシュ
清楚と罵倒とドリンクバー
さてさて言霊少女プロジェクトの事。
というか、それはもう僕の中ではほぼにぃさんの事と同義でありますのでご了承ください。
思い出語りその2。
スタートダッシュの頃のお話をしましょう。
なお、この記事を書くに当たって自分で書いた非公式wikiを参考にしております。便利な記憶バックアップであります。
前回のエントリで書いた通り、配信三回目のにぃさんに出会ってあっさり虜になりました。翌日に行われる「チキチキバンバン清楚罵りボイス垢BANチキンレース」に参加するべく清楚系罵り台詞を沢山書きました。6つくらい。馬鹿なの?
そしてその日の配信に遅刻したので全然聞けませんでした。馬鹿だね。
遅刻したという事で、わざわざもう一度にぃさんが罵倒してくれました。なんだこの日本語。
参加二日目にしてこの居心地の良さ。
多分、リスナーみんなが感じていたと思いますが、彼女の配信はとにかく居心地が良いのです。全てのコメントを拾い上げ、大半の話題に反応が出来て、楽しく自分の意見を言える。基本的に否定的な事、悲観的な事は口にしないので雰囲気が悪くなる事がありません。楽しい話題を楽しく提供し続ける。簡単なようでいて難しい事です。
リスナーのプロフィールも全て読んでいくという事でそこから話題を拾っていく事もありました。
このルームの雰囲気を、深夜のファミレスのドリンクバーのようだという表現をした人がいました。的確な例えだと思います。
僕は、それとは別に、放課後の文化部の雰囲気を思い出していました。
夕方まで延々と続くおしゃべり。
部室の色が次第に紅く染まっていく中でも話題は尽きず、しまいには窓の外が真っ暗になってしまっても、まだお話は続きます。
先生に言われて渋々外に出るも、今度は駅に着くまでの時間がおしゃべりの時間。残りの時間が少ないことを自覚しながらも、ちょっとだけ遠回りをしたり、寄り道をしたりしてその時間をほんの少しだけ引き延ばしつつ、楽しい時間を維持しようと試みます。
少し違うのは時間が最初から深夜である事と、ネットによる配信であるという事。
そして、多分みんなにぃさんの事が好きになっていたということ。
元々Showroomは配信者とリスナーの距離が近いのが特徴だと思います。配信もコメントが大事な要素となっているし(定番の50カウントも、元々は沢山コメントすればポイントになるよ、というものであって50の数字を数えるのが目的ではありませんよね)、大抵の配信者はTwitterでリスナーと交流します。コメントやリプに対してリアクションをちゃんと取るのが人気を得る秘訣の一つとなっているくらい、リスナーと配信者は交流を深めていきます。
その近さ故に問題も起きそうなものですが、幸い僕はそういうトラブルを目にしたことがありません。見始めて日が浅いということでもありますが、まだ「みんな行儀が良い」レベルの知名度ということかもしれませんね。(トラブルが起きて欲しいという意味ではありません)
この日はつっぱしちゃんを見つけるという大きな出来事がありましたが、つっぱしちゃんの事は単体でエントリが書けてしまうくらい大きな存在なので割愛して後日別エントリに書きます。ごめんね。こんなの読んでないと思うけど。
スタートダッシュで印象的だったのはやはり深夜まで続く長時間配信でしょうか。28時まで続く配信が何度かあり、何故かにぃさんを含めて皆が変わらないテンションで馬鹿騒ぎを続けました。中だるみなんて一切ないまま、豊富すぎる話題が尽きることなく延々と夢のような時間の無駄遣いが毎晩繰り広げられ、このまま永遠に続いてくれればいいのになあ、と思うくらいには楽しかったです。
僕らはPCやスマホでコメントを打つだけですから、途中で寝ようが何か食べようが犬をなでようが忘れてしまった純真だったあの頃の事を想って生卵を壁にぶつけようが配信に影響はないのですが、にぃさんはその間ずっと喋り続けなければならないのです。想像を絶するものがあります。
僕は普段あまり喋らないので、人に聞こえるように話す(よそ行きの声、と呼んでいます)と一時間もすれば喉が痛くなってしまいます。彼女はそれを最大で六時間ほど続ける事が出来るのです。いつもお仕事などの都合で23時頃から配信が始まっているためにその程度で済んでいますが、これが20時スタートなどという事になったら10時間くらいは平気で配信してしまうのではないかと危惧したものです。
その危惧は実際に近いことが後日起こるのですが。
最終日の涙
そして最終日、累計ポイントが25万を突破しましたね。
それを知った瞬間、にぃさんが急に泣き出してしまいました。この時はまだ僕らも慣れてなかったので、本気で狼狽してしまいました。一人もぼけることなく慰めようとする愚民達、今見ると可愛い。
実際、にぃさんはこれまであまり感情を表に出すことはなかった気がします。喜の感情は出してくれていましたが、逆に言えばそれ以外の事を極力出さないでくれていました。にぃさんの配信を、素のままで気楽に流していると思っている方もいらっしゃると思いますが、日常と切り離して夜中に楽しい話題だけを提供するというのは(例え実際に楽しい時間であったとしても)それは難しい事ではないでしょうか。時折話す裏話的な部分でも、楽しそうに脚色してくれてはいますが、話す人によっては業界の闇のような話にする事も出来る内容だったのではないかと思います。
人を悪く言う事もなく、良かった事、楽しい事、それだけを話題にし続ける事が可能だったのは、ひとえに彼女の人柄によるものだと思います。だから配信のどこを切り取っても楽しくて、どこから入っても楽しめたのでしょう。
だからこそ、25万ポイントで泣き出したときに、ああ、彼女も人なんだなと安心した記憶があります。特にこれといって目標やノルマではない、区切りの良い成績という所で緊張の糸がほどけてしまったのは、これが最終日という事もありますが必然性のなさが逆にリアルでした。そして、やはり彼女は頑張っていたんだなと確信した瞬間でもありました。何も考えずに楽しい事をしていただけだというのなら、ポイントの獲得で感情を揺さぶられるという事もないでしょう。一生懸命に新規を増やす事を考え、人を楽しませる事を考え続けたからこその感情。あくまで彼女はオーディションを勝つためにここにいたのです。ちょっと忘れかけていましたが、これはオーディションなのでした。
ただ楽しい人だったら、僕もここまで好きになりません。ここでこの事があったから、最後まで応援しようと思ったのです。
とても楽しい時間を終えて、ブロック順位は7位、26万ポイント超という成績で、予選に向かう事になりました。
予想外の展開に、ちょっとだけ波乱が起こりますが、それはまた次のエントリにて。