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ロボットは課題解決の手段-人とロボットの融合がもたらす現場イノベーション-

こんにちは!キビテク採用広報チームです。

私たちは「ロボットとAI技術を通して、心の幸せを増やすこと」をミッションに掲げ、日々ロボット開発に取り組んでいます。 

独自技術である自律ロボット遠隔支援サービス「HATS(Highly Autonomous Teleoperation Service)」では、ロボットの導入から運用、保守まで一貫してサポートしています。
ロボットの自律制御と人間の柔軟な判断力を融合させた、まさにミッションを実現するためのキーテクノロジーです。

前回のnoteでは「HATS」に関する概要と、物流倉庫における搬送ロボット「HATSキャリー」の活用事例をご紹介しました。
今回はHATS開発の裏に隠された現場の課題やロボットに対する社会的意識について、紐解いていきます。


ロボットを気軽に導入できる現場へ、HATS開発の背景


私たちがHATS事業を立ち上げるきっかけとなったのは、長年のロボット開発の中で直面してきた「ロボットの安定性」という課題からです。
先進的なロボットになればなるほど、予測不可能な状況や環境変化に対応することが難しく、安定した動作を維持するのが困難であることに気づいたのです。
ロボット導入への障壁が高くなり、普及が進まない大きな要因だと感じました。

たとえば、物流や製造現場などでロボットを導入する場合、常に同じ環境で動作するとは限りません。
物の配置や種類が変わるだけでなく、思いがけないトラブルが発生することもあります。

こうした状況では、完全自律型のロボットが即座に対応するのは難しく、場合によっては動作が停止してしまうこともあります。
ロボットを導入したが故に、かえってタイムロスにつながる可能性さえもあるのです。
そのため、多くの企業はロボットの導入に消極的になりがちでした。

私たちはこの課題について、「人間の柔軟な判断力」「ロボットの技術」を融合させることで解決できるのではないかと考えました。


HATSではロボットの稼働中に不具合が発生しても、遠隔操作によって即座に人間が介入し復旧作業を行う仕組みを取り入れることで、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
ロボットを導入するハードルが下がり、気軽に「明日から使ってみようかな」を実現できるようになったのです。

さらにHATSは、遠隔操作に適したユーザーインターフェースや、ロボットとオペレーターの連携を強化する仕組みを開発し、操作性を徹底的に追求しました。
ロボットを操作しやすくすると同時に、現場における柔軟性も向上させています。


デパレタイジングの遠隔操作画面


このようにして「ロボット導入を妨げる障壁を取り除く」ことをミッションに掲げたHATS事業が誕生したのです。
HATSは技術の進化だけでなく、人間とロボットが協働する新しい未来を切り開くための取り組みといえます。


柔軟性と精密性を融合したHATSデパレタイザの新たな可能性


HATSの1つとして、今回はHATSのデパレタイザ遠隔サポート付きアームロボットをご紹介します。
マニピュレーター技術を活用し、パレットに積まれた多種多様な荷物を効率よく取り扱うことができるロボットです。


特長は、柔軟性の高いマニピュレーターをリモートで操作できる点。
マニピュレーターは人間の手のように繊細に動くことができるため、箱の形状や配置がバラバラでも、対象物を正確につかみ、取り出すことができます。

なかでも注目すべきは、HATS独自のリモート操作技術とAI認識技術の組み合わせです。
たとえば、パレットに積まれている箱が均一でなく、形状や重さが異なっていたとしても、AIがそれらを認識し、マニピュレーターの動作を最適化します。
これにより、従来なら調整に時間がかかっていた作業も、迅速に対応できるようになりました。

さらに、マニピュレーターの先端部分は、重量物やテープで固定されていない箱、側面に穴が開いた箱など、形状に特徴のある対象物にも対応可能な構造になっており、幅広い用途に活用できます。

つまりリモート操作を駆使することで、現場にいなくてもマニピュレーターの動作を調整したり、その場の状況に応じた指示を出したりすることができるのです。

季節によって作業量が大きく変動する倉庫では、必要な期間だけこのシステムを活用し、その都度マニピュレーターの動作を調整することで効率的な運用が実現します。
また、ライン変更が頻繁に行われる現場でも、対象物や作業環境に応じて簡単に設定を変更できるのです。

HATSのデパレタイザは、マニピュレーターの高い汎用性と操作性を備えた、物流や製造業の現場での課題を解決する支援ツールです。
従来のマニピュレーターでは難しいとされていた、複雑で変化の多い環境への対応をも可能にするので、作業の効率化だけでなく、オペレーターにとっても直感的で扱いやすい操作性を提供しています。


ロボットは課題解決の手段、真のニーズに気づいた時


HATSの開発を通して、私たちは

お客様はロボットそのものを求めているのではない。
課題解決を望んだ先にあったもの、手段がロボットだった。

という本質に気づきました。

お客様は「商品を取ってきてほしい」「指示通りに動いてほしい」といった具体的なニーズを持っており、ロボットはあくまでそのためのツールなのです。

完全自動化が理想的な場合もありますが、物流業界における中小企業では迅速な導入と運用開始が求められます。

HATSはリモート操作と人間の柔軟な判断力によって、このニーズに的確に応えられるのです。
人間が働く現場を前提とし、ロボットを「解決手段」として捉えることで、お客様の真のニーズに応えるソリューションを提供できるのです。

私たちの最終的な目標は、リモート操作技術のみにこだわることなく、それぞれの現場に最適な、地に足のついたロボットソリューションを提供することです。
HATSの開発を通して、ロボットが「身近なツール」として社会に浸透し、誰もがその恩恵を受けられる未来を目指しています。


私たちの想いに少しでも共感していただけましたでしょうか?

キビテクでは、HATSやロボット技術を通して、より良い未来を一緒に作っていく仲間を募集しています。
技術を通じて社会に貢献したい、ロボットの可能性を広げたい、そんな想いをお持ちの方はぜひHPの採用情報をご覧ください。

一緒に働ける日を楽しみにしています。