与えられる務めによって人の価値が決まるわけではないとは?短編小説
幕末の肥後国、小藩の片隅にある辺境の砦に、下級武士・せいじは“閑職”と呼ばれる任を受けて暮らしている。華やかな手柄もなく、誰からも称えられないその務めに、果たしてどれほどの意味があるのか。
しかし、人知れず山賊の襲来を防ぎ、村人たちを守ることで見えてきた真実は――“与えられた役目が地味であろうと、人の価値はそこに囚われるものではない”ということ。彼が砦で貫いた誇りと行動が、やがて多くの人々の運命を変えていく。
人はどんな境遇にあっても、自らの意思と行動によってその価値を見出すことができる。