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Study groupに入ってみました

New Yorkは一気に秋の雰囲気になり、朝晩は特に寒くなってきました。
紅葉もちらほら始り、秋晴れもきれいです。
週に2回メインキャンパスの前で開催されるファマーズマーケットでは、いろんな種類のりんごが並んでいました。

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さてさて、教員から学生の立場になって約1ヶ月が経ちました。
今日は、最近感じたことをまとめてみます。

①誰かと学びを共有すること

今学期は、3つの授業のうち2つがオンラインです。
Cognitive Development(認知発達学)のクラスは、毎週決まった時間にオンラインで講義があり、もう1つのStatistics(統計学)はasynchronous(非同期) sessionといって、先生が決められたスケジュールでアップする動画を見ながら、自分でリーディングをして、宿題をオンラインで提出します。

最初の数週間はまだ内容もそこまで難しくなく問題なかったのですが、少し前からディスカッションの内容が難しく感じたり、何度計算しても正しい答えが出せず、TA(Teaching Assistant:授業のアシスタントをしている学生)に会おうとしても時間が上手く合わなかったりして、イライラや不安がつのっていました。

そこでやってみたのが、study groupに参加すること。

大学院では、学生たちが有志でstudy groupを作って、宿題を一緒にしたり、授業の前に宿題やリーディングの内容を確認したりします。

どちらの授業もタイミングよく「Study groupやりませんか?」とクラスメイトからメールが来たので、思い切って入ってみることにしました。

Cognitive Developmentの授業については、自分自身がリーディングの内容が理解できてなない部分もあるし、事前課題(ひとつのリーディングにつき、10個ほどの質問が用意されます)も答えが見つからない時があるので、「私がstudy groupに入っても足を引っ張るだけなんじゃ...?」とも感じましたが、

こうなったらやった後悔よりやらない後悔だ!

と、半日くらい悩んだ末、勢いで返信。

結果、すごく心も楽になったし、勉強も以前よりはかどっています。

今は、zoomを使って授業の前夜に2時間ほどみんなで事前課題の答えを話し合ったり、図書館で一緒に勉強してわからないところを確認したりしています。

内容の理解が深まったことももちろんですが、それよりも自分自身の気持ちに大きな変化がありました。

気持ちを共有できる相手ができた

Study groupで、「この質問、難しかったんだけど...」と話すと、結構ほかの子も「私もそれちょっと理解できなかったー」など似た感想をもっていることもあり、「あぁ、みんな画面越しにはバリバリ自分の意見を言っているけれど、似たようなこと思ってるんだな」と安心しました。
自分の気持ちや状況を友達とシェアすることで、安心できる場所(心理学などで言うComfort Zone)をもつことができたようです。

宿題に対する姿勢が変わった

これも一人ひとりの学習特性によりますが、私は誰か相手がいた方が頑張れるタイプです。
「月曜日の夜にstudy groupがあるから、それまでにリーディングを終わらせないと」と思うと、1人で勉強する時よりもやる気がでるし、難しいリーディングもめげずに読もうという気持ちになります。
Study groupがスタートしてから、宿題に取り組む時の集中力が高まりました。
宿題が出てる時点で取り組む責任は私にあるわけですが、仲間がいることでその責任がさらにはっきりした、ということもあるかもしれません。

教えることで、自分の理解が深まった

統計のクラスでは、私が友達に問題の解き方を聞かれることもちらほら。
でも、頭ではまだ日本語で考えている節があるので、
「どうやって答え出したの?」
と聞かれても数学の専門用語を使って伝えるのは以外と難しい。

考えを頭の中で英語に変換して友達に伝えることで数学の言葉を覚えたり、自分のケアレスミスに気付いたりと、自分の理解も深まるし、友達も問題が解けるようになっています。
誰かの役にたてるのは嬉しいものです。

今まで、ラーニングピラミッドやNorman L.Webbの「知の深さ」(Depth of Knowledge(DOK))なども研修で学んだことがあり、教室でも「答え方がわかった人は、次にどうやったらその方法をわかりやすく誰かに教えられるか考えてみよう。そうすると、自分ももっとわかるようになるよ」という声かけもよくしていました。

でも、ここまではっきりと自分の心の状態や学びの姿勢に影響が出るとは自分でもびっくりしました。

まさに松下幸之助さんの言葉にあるように、「百聞百見は一験にしかず」

もし次に授業をするなら

オンライン授業は、離れていても同じ時間や学びを共有したり、フレキシブルに学ぶことができたりといいことも本当にたくさんあります。

でも、
「え?今先生なんて言った?」「正しい答えにならないんだけど!」
という本当に些細なつぶやきや、

「そういえばそれに関して、こんなことがあってさ〜」
と気軽に話せず、対面と比べて話が展開しづらい。

そんな小さななことが積み重なって、不安やイライラ、消化不良のような気持ちができていたんだなぁと思います。

去年、学校現場でたくさん工夫もしたけれど、これがもっと早くわかっていたら、もっと良いオンライン授業ができていたんじゃないか。悔しい。

また、これはオンラインに限らずですが、自分の考えやわかったことを話し合う時間以外に、「これは難しそう」「わからない」など、ネガティブなものも含めて純粋な気持ちや考えを子どもたちが共有できる時間をもっと増やしたかったなと思います。

②想像以上にマスクは気になる

もう一つは、思った以上に勉強中にマスクが気になること。

最近は、できるだけ集中できる場所でリーディングをしようと思い、よく図書館で勉強しています。
5時間ほどは集中して取り組みたいものですが、マスクが気になるんです。

もちろん図書館でマスクは必須だと知っているのに、無意識に外したくなって自分がびっくりすることがあります。

今まで一日中マスクをつけて仕事をしていたのに、なぜ今になって気になる?
集中力が欠けている?
リーディングから逃げたい?
日本よりも空気が乾燥している?

いろいろと推測したのですが、振り返ってみるとマスクが視界に入って気になる、ということが多い。

どうやら私の場合は、リーディングをしているとだいたい目線が手元にくるため、鼻の上あたりのマスクの先がやけに視界に入る気がして気になるようです。

教壇に立っていた時は、だいたい子どもたちと話すか、黒板を書くことが主だったので、下を向く瞬間は今より少なかった。
けれど、リーディング中はほぼ下を見ている状態。これがきついようです。

子どもたちも、ノートを書いたり、問題を解いたりと下を向くことが多かったと思います。難しい問題もたくさんあったでしょう。
こんな風に気になりながら、頑張ってつけてたのかな。
マスクをつけて勉強するのは大変だとわかっていたつもりでしたが、足りなかった。

次に子どもたちに会ったら、

あんなに大変なのに、本当によくがんばっていたんだね。
と伝えたい。頭が上がりません。


さぁ、10月ももう中旬。
あと2ヶ月で1学期目が終わると思うとびっくりする。
仲良くなった友達の中には、12月で卒業してしまう子もいてすでに淋しい。

中間テストも近いですが、健康と勉強のバランスを考えて取り組んでいきます。

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