タカマガハラ

本日はアコースティックライブの音響テストやリハーサルを兼ね、昼から夜まで屋外で数人で話し合いと演奏を行なった。その帰りに晩御飯を食べようということになり、5人で近所の二郎系ラーメンに向かった。もともと私は家に賞味期限が本日までの豚肉があったので、それを消費すべく晩御飯は自炊をする予定であった。なので今日晩御飯を外食で済ませてしまうと、その豚肉は明日以降に食べることになってしまい、そうなると豚肉の賞味期限は切れてしまうのだが、別に1日くらい過ぎようと気にしないというマインドであった。

二郎系ラーメンは美味しかった。1週間前に食べたばかりであったが、今日は完食時の満腹具合も丁度よく、磐石の一杯であった。「ラーメンけんじろう」は熟練の業というものを感じるのである。

「業」といえば昔、週刊少年ジャンプで「タカマガハラ」という漫画が連載していた。この漫画はもともと「金未来杯」という新人漫画家の読み切りが一ヶ月前後に渡って掲載される企画に参加していた。「タカマガハラ」というこの漫画は、「全ての人間に潜在的に備わっている特殊な能力」である「神業」に目覚めた主人公・山田ヤマトが、同じく神業に目覚めた人間たちと戦うバトル漫画であった。読切の時点でなかなかインパクトのある内容で、今でも記憶に残っているほどだ。

タカマガハラ

金未来杯でグランプリを受賞した作品は後に連載されるというのが恒例で、過去には「べるぜバブ」「ぬらりひょんの孫」といったヒット作品たちがグランプリを受賞し連載されてきた。しかし、この「タカマガハラ」はグランプリ受賞を逃したのにも関わらず、読み切り時と大きく内容を変える事がなく連載化されたのである。

金未来杯から連載化された作品にはヒット作が含まれるとは言ったものの、大半の漫画は短期間で打ち切りになっているのが現状である。事実この「タカマガハラ」も単行本2巻分しか連載できなかった短期打ち切り作品であった。しかし私はこの「タカマガハラ」を、連載が終了するまで毎週楽しみにして読んでいたのである。

大半のジャンプの打ち切り漫画は、掲載順が次第に降下して行き、「あ〜、この漫画面白くないからそろそろ終わるんじゃないかな」と予感する。一度そう思ってしまったら、それ以降はこの作品があとわずかな連載期間にどうやってラスボスを倒し、うまく話をまとめるのか、ということばかりに注目してしまい、作品のストーリーを純粋に楽しもうという気は無くなってしまう。しかしこの「タカマガハラ」は順調に掲載順を落としていきながらも、その型破りなキャラクターたちとダイナミックで迫力のある絵柄で新人漫画家の作品とは思えない風格を漂わせており、最終回まで私を飽きさせる事がなかった数少ない作品なのである。

これまで短期間で打ち切りになった漫画の中で、私の琴線に触れた漫画は「タカマガハラ」「LIGHT WING」「逢魔時動物園」の三作である。これら作品に関しても機会があれば話していきたい。

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