ピンクのポルシェとセブンスコード
街を歩いていたら、向こうから奇抜なピンク色のスポーツカーが走ってくるのが目にとまった。
私は車にはあまり詳しくないけれど、あれはたぶんポルシェだった。
乗っていたのは白髪のおばあさんだった。颯爽と、バスを追い抜いていった。
じょわーっと体内に泡がたって、元気がわいてきた。
というわけで久々の更新だ。おばあさんのおかげかせいか、ふと日記を書きたくなった。いつまで続くかわからないが、書き続けてみる。
今日は、正確には昨日は、晴れ。でも雲の動きがわりと激しくて、不穏。
もう4、5年は室内で育てているガジュマルの木が徒長していたので、思い切って「丸坊主」にした。つまり、枝も葉もすべて切り払い、膨らみのある胴体だけにした。無事、変身できるだろうか。
その後は、むきになってキーボードにむかってコード進行を勉強した。
いわゆるセブンスコード(C7とかAm7とか)は「属7の和音」とも呼ばれ、典型的なコード進行にちょっと色をつけたいときに使うのだとか。
ある基本的なコードの代理ができるというのだが、何度聞いても「不自然」に聞こえてしかたがないのだ。
例えば童謡「ちょうちょう」(ちょうちょ、ちょうちょ、なのはにとまれ〜)でセブンスコードを混ぜると、にわかにトロピカルなちょちょうになってしまう。
早くも西洋音楽理論から弾かれてちょっと困惑。Ⅰ→Ⅴ→Ⅰという超基本展開さえ疑わしく思え、騙されているような気分になってくる。
理論というのはそういうもんだと思い直す。どだい、セブンスコードの基本形を使ったところでダサくしか聞こえない。どういったタイミングで使うか、要はセンスが重要で、じつは、ことは、はるかに複雑なのだ。
でもきっと、ポルシェのおばあさんならこう言うだろう。
うるさい、難しく考えすぎだ。ダサい、ダサくない、そんなレベルで考えている時点でアウトだベイベ、と。
無意識のうちに、ポルシェのおばあさんの顔が、故・内田裕也のそれとオーヴァーラップしていた。
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