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#11 フルフル

クトゥルフに似合うモンスター

「モンハンワールドの古龍ヴァルハザクがクトゥルフっぽい」という発言をどこかのネット掲示板で見たことがあります。
ヴァルハザクには深海魚を思わせる見た目のかっこよさもありますし、おそらくあの古龍の威風がクトゥルフっぽいと感じたんでしょうね。
私の場合、ハザクよりもフルフルの方がクトゥルフに合うと感じます。
もう少しちゃんと言うなら「アザトースっぽい」と感じます。
「らしい」よりも「っぽい」ですね。
この微妙な言葉の距離感、日本語あるあるだなあ。

鈍重な体躯に似つかわしくない翼、肉感の不気味さ、血の気の引いた体色、伸びる首に人間のくちびると無数の牙、そして知性を感じさせない凍える叫び声。
この「知性を感じさせない」というポイントに何よりもアザトースっぽさを感じられるのです。
フルフルって他のモンハンモンスターとは明らかに一線を画してますよね。
私的にはイソネミクニは物語にしたくなるモンスターで、フルフルは具現化そのものがすでにクトゥルフ世界を体現できてるモンスターなのです。
人によってはモンハンワールドがウィッチャーとコラボした時のレーシェンの方がホラーっぽかったりするでしょうし、あれは魔術的な側面が強調された感じですのでシュブ=ニグラスあたりと親和性あるかもしれませんが、あくまでこれは私個人の観点です。

フルフルの一番の特色は、背筋がぞっとするあの叫び声だと思います。
あの声をサンプリングした音響スタッフさんは良い仕事をしてますよ。
電線に当たる北風とか、寒い夜の隙間風を彷彿とします。
なまじ生々しい生物感を表現するよりも、生き物のくせに妙に無機質さを感じさせる、あの叫び声が好きです。

シナリオフック

フルフルには知性を感じさせない不気味さがあります。
つまり意図的にどこかに配置するような類の存在ではなく、重要な場所でのみ偶発的に遭遇しうるワンダリングモンスターの類だと思えるのです。
ドリームランドでいえば"雲の獣(クラウドビースト)"的なポジションにいるモンスターとでも言いましょうか。
蛇足ですが、私はクトゥルフモンスターガイド2(1989年刊)の表記が頭にあるので、"クラウドビースト"と呼ぶ方がやはりしっくりきます。

知性に関しては私が個人的に言ってるだけでして、実際はあります。
ただどうなんでしょうね、「フルフルを召喚する」呪文はありえても「フルフルを従属させる」呪文は無さそうに思えます、なんとなく。
だって誘導はできても命令は難しそうじゃないですか。

フルフルを直接登場させるよりはいっそフルフルの肉片とか血液を登場させて、それによって犠牲者の肉体が蝕まれて徐々にフルフル化してゆく、なんてのはどうでしょう。
現れたフルフルの正体は元人間だった、というアイデアです。
モンハンライズでのフルフルのモチーフはのっぺらぼうですしね、ありだと思います。

クトゥルフナイズの最後に

思いつきでスタートしたモンハンライズのクトゥルフデータ化は、今回のフルフルをもって終わりになります。
案としてはヤツカダキも候補にあって、特に防具の説明欄を読むととても情緒あふれるバックグラウンドなので大変魅力的なのですが、データ化したとしても火を吹く巨大蜘蛛怪獣にしかならない気がしますし、それにクトゥルフ界隈にはアトラック=ナチャというお方も既におられますので割愛致します。
ちなみに私的にヤツカダキは亜種の方がかっこよくて断然好きです。

ナルガクルガまでの9種類のデータ化はすべて、イソネミクニとフルフルをデータ化するためのものでした。
全種類モンスターをデータ化するつもりはありません。
だってモーターボートの体当たりで粉々になるクトゥルフよりもブレスを吐くリオレウスの方が強いでしょうし、それだとコズミックホラー(宇宙的恐怖)なんてどこにも微塵もありませんよね。
激昂ラージャンにボコられるクトゥルフとか、見たいですか?
ヨツミワドウとがっぷり相撲をとるクトゥルフとか。
あ、でもこれはちょっと想像するとおかしくて笑えますね。

クトゥルフのドリームランドにモンハンイメージを持ち込んで具現化するドリーマーが、もしかしたらいるかもしれませんね。
大都市セレファイスを創ったドリーマーがかつていたように。
そうなると、ドリームランドの荒野にもしかしたらドスジャグラスくらいは存在しているかもしれません。
私は小型モンスターならスクアギルとメルクーが割りと好きなので、ドリームランドに潜るとしたら特にメルクーを創りたいです。
一緒にセッションするプレイヤーがいるなら、いつかそれもデータ化する日がくるかもしれませんね。
今はただ空想する日々です。

ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。
拙い記事ばかりで恥ずかしながら、アイデアをどうにか形にすることが出来ました。

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