【日記】4/13-4/20

 やや間があいてしまった。
 この一週間、大したこともなかったが……。歯の治療をした。虫歯を削る、本格的なやつで、麻酔を、自分の感覚だと、三、四本は打った。麻酔を打つ前に、麻酔の針が痛く感じないようにする、塗るタイプの麻酔もあった。たしかに、その麻酔を塗ってから注射針を刺されてもなんともなかった。だが、そのレベルの麻酔でも、歯を削る時には痛みに耐えきれないということなのか、二重に麻酔をする必要があるということは、そうなのだろう。神経の奥に響かせなければいけない。針のタイプの麻酔は、四本打ってから間もなく、顎の半分は完全に麻痺していた。治療した歯は、一本か二本だ。いや、二本には違いないが、一箇所、歯と歯の間に虫歯が出来ていたため、本数としては二本になるが、箇所は一箇所である、という説明を受けた。外から見ると、全く判明しない虫歯なので、いったいどういう状況になっているのか、口の中でシャッターを切られる写真と、歯科衛生士の説明から想像するしかない。医師は、説明などしない、ひたすら煩雑なクリーニングとか患者への説明などは、歯科衛生士の仕事になるらしい。麻酔を打つ治療は、医師しかすることができないが、歯石を削るとか、歯周病にまつわる治療であれば、歯科衛生士がすることができると。去年の暮れあたりから、歯医者に通い始めて、はじめてわかったことだ。もともと通っている人には、先刻承知のことだろう。家に帰っても、顔の半分が垂れ下がるような麻痺状態は数時間抜けなかった。お腹が空いているのに、食べ物を食べることができない。しょうがないからと、楽器を弾き始めたら、集中力が持っていかれる為か、麻痺した口の端から、よだれが垂れそうになったのでそれもやめてしまった。人間は、いくら文化的なことをしようと思っても、身体的な制約があると、どうしようもないものだと、もう天井を見ているしかなくなった。それはそれでいい経験だった。

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