【日記】平家物語

 これも嫁と見たのだが、アニメの『平家物語』が、先ごろテレビ放映とか各種動画配信サイトで配信開始とかしていたので、見てみた。お恥ずかしながら、なのか、原典としての平家物語は、教科書で出て来た以外では、ほとんど読んだことがなく、歴史との兼ね合いや成立史、おぼろげながらもどういう筋書きなのかもほとんど知らなかった。「ひょうふっと」だったか、誰かが海上にある扇子を狙って矢を放った際の擬音しか、記憶にない。
 アニメとして純粋に見た場合、僕の苦手な、登場人物が、大きな動作の意味もないのに、威嚇動作みたいなものをして、それに対してビクッと反応する、みたいなことを繰り返して、繊細な動作を捉えたと言いたいような場面とか、一話の早い段階から、父なし子であることを語って泣ける演出をしていたりだとか、一番権威ある立場の人間が、子供のような眼をして「面白いだろう」などと言ったり、総じて肯定はしにくかった。
 しかし、絶対に失敗できないアニメ企画なんて、こんなものだろう。続きを見るかどうかはわからない。そして、これとは別に、古川日出男の訳業にも、自分は懐疑的である。自分の無知を棚に上げてさらに言えば、池澤夏樹の、世界文学全集の企画自体に対しても、あれがきっかけとなって、驚くべき翻訳などに触れられたとはいえ、自分は懐疑的である。

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