【日記】かな入力

 我ながらあきれるほど最近はいろいろなことに手を出しているけれども、今回はPCでのかな入力に挑戦している。今、実際にこれをかな入力で入力している。まだ始めてから二日しか経っていないので、一分間に70キーくらいしか打つことができない。ローマ字入力だと、だいたい450キーくらいは行く。職場で、打つの早いですねとよく言われるくらいには早い。これから、この、既に習得した手段を捨てて、ゼロからやり直そうというのだ。二日なんてゼロのようなものだ。前に、今言ったローマ字入力や、その他の配列を練習していたことがあった。とにかくキー配列というものは、最適化されるべきという信念に突き動かされるように練習や鍛錬をしていたのだが、その返す刀で「かな入力なんてあり得ない」と、ひどくけなして下に見ていた。だが、思い出してみると、その時、今もかもしれないが、タイピングが最も早かった人は、かな入力だった。ローマ字入力とかな入力で比較したら、理屈で言って、特定の音を打つのに常にキーの数が少ないので、明らかにかな入力の方が早いことになる。厳密にいえばいろいろあったと思うが、そんな様々な議論はもう忘れた。問題は、そのかな入力の条件があった場合に、どんな配列が一番効率が良いのかということだ。キーを眺めてみれば、「ぬふあうえお」と並んでいるではないか。「あうえお」て。よく見ると、「あいうえお」と、少し歪んで並んでいる。こんなの、適当に作った配列に違いない。おおよそそんな風に考えていた。しかし、のちに私は、とりあえず、とか、暫定的に、といった理由で決まったことやものの価値というのがなかなか侮れないことに、気づかされる。それはまた別の話になる。人は暫定的に、とりあえずそこにあったというだけの理由から、手に取って、使わなければいけない、場合によっては、使いこなして、気が付いたらそれしか使えないようにすらなっているものだ。もっと言うと、人間が使いこなさないうちからすでにその価値が知れるような、神の視点のようなものは、存在しないのだ。いや、もしかしたら、タイピングのような単純な条件のもとだったら、そういうこともあるかもしれない。しかし、大方のことはそうは運ばない。

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