【日記】昨日の続き
その池はかなり広く、端から端が見渡せないほどで、水平線の奥にいくつかの山並みが、どんどん白く色の抜けたきれいなレイヤーの重なりのように見えた。人工池と言うが、地形を作ったのは人間なのかもしれないが、おそらく作ったとたんに自然が嵌入しており、池の周囲には煙のように見える枯れ枝が広がっているし、汀の黄色い礫の上には二羽、白鳥か鷺のような真っ白の鳥がいた。これらのものに人工、と名が付いているのは不思議な気がした。写真をうまく撮るには高低差がなければならず、池の周りをぐるっと柵が囲っており、中には一般人は入れないようになっているから、なかなか上手く撮れなかった。池と反対側の彼方に、高くて古そうなラブホテルの看板が見え、これもピンぼけしているし間によくわからないネットのようなものがあったにもかかわらず、写真として見ると良くできていた。どの写真が上手くいくかどうかというのは、撮影して帰ってデータを再生してみるまでわからない。
その池の外周にはサイクリングロードがあり、ロードバイクなんかに乗る人には有名らしい、その日も何人か、スピードをもって横を走り抜ける姿があった。ウォーキングをしている人も多く、なんだかのどかだった。
ちょうど飯を食べたかったのだが、そのあたりに気のきいた店もなく、結局自分の家の駅まで帰ってきて、最近出来た串焼きの店で食べて帰った。帰っても、まだ五時頃だった。