【日記】パソコンを買う

 今使っているノートパソコンは2018年のモデルで、買い替え時期に達するか達しないかのギリギリのところで、今の所不具合などほとんど出ていないにもかかわらず、新しいパソコンを買ってしまった。
 今使っているパソコンの二代前くらいまでは、パソコンを買うとなった時、もし持ち歩く時もあるかもしれない、また、デスクトップを使うまでの性能を使うことはないか、という認識のもと、常にノートパソコンを買っていたのだが、じっさい、その三台のどれにしたところで、結局は据え置きと同じ使い方をして、しかも外付けキーボードをわざわざ使うものだから全体に埃を被っている。別に埃を被る分には構わず使えればそれでいいんだけれども、ノートパソコンという形態を利用していながらもったいなくはある。そして、今までそれほど気にしてはいなかったけれども、解像度の高いモニターがだんだんほしくなってきた。というわけで、今回ミニPCと4Kのモニターという組み合わせで新しいパソコンを買うことにした。
 パソコンというのは、本当に買うときに迷う。迷うというのは、何が使えたらいいか、といったようなポジティブな悩みではなく、どれを選んだところでだいたいできるところは一緒なのに、色々な会社から色々スペックを変えて出ている、どれを選んだらいいかわからない、という茫漠な悩みである。
 そんなものは悩みでも何でもないので、サイコロでも振るようにモニターはサイズで、ミニPCは本当に目についたものを購入した。その賽子の一擲がそれぞれ五万円するのだが、どれを選んでいいかわからない、どれを選ぼうが同じだという感じ、というよりも確信があるので、使えないということに対する補償さえあれば、どんなものが来ようと全く後悔しないという自信がある。
 実際、今まで後悔したことはない。僕の需要というのは、ささやかなもので、文字を書けて動画が見れればそれでもう事足りている。特に文字を書くということは、二十年以上前のPCからできることで、それ以上に発展した需要を持たない、むしろ、ワープロのように打ったそばから紙が出てくるようなものがあったら面白いけれども、それが廃れたことへの嘆きすらある。三十年前の機体があればそれでいいのである。
 しかし、そうはいっても、ワープロでは世界中に何かを発信するということはできない。世界中に、何かを発信する必要があるのか? 今、なにに発信しているのか? 今やっていることって、パソコン通信の時代にできることではなかったのか? だから、今最新のPCを買う理由って、あるのか? 色々なことを思う。しかし、買ってしまったものは仕方がない。もう、支払いは済んでしまったのだ。
 多分、トントンか、もう少し上回るくらい、キーボードとスピーカーの値段を足した方が高い。感覚器にどれだけお金を掛けるのかという話になってくる。

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