【日記】九龍城
横浜あたりにあった、中国の九龍城をテーマにしたゲームセンターがあって、今は潰れたと聞くが、一回嫁と一緒に行ったときはとても良いものだと感じて、今でも良い思い出の一つになっている。嫁も自分もゲームセンターでゲームをするという質ではないから、そこでゲームをしたとかではなく、ただひたすら内装を眺めていた。特に一階から三階あたりがテーマパークのように凝っていて、吹き抜けのようにその三階分が一体となって中国の、怪しい店とか住居の雰囲気を醸していた、肉屋の肉を模したものが天井からぶら下がっていたのが印象的だった。そもそも、一階からエスカレーターで上がって入場するのだが、入場する前から様々なモニュメントがあった。障子に擦りガラスが張ってあって、中が覗けないその中から、もやもやした料理をしているような音が延々と流れている。その音と雰囲気があんまりリアルなので、その部分は本当に料理店なのではないかと、最初は勘違いしたほどだった。実際の家屋に近い場所もあった。全体として、ネオンが輝いていたり、中国の繁華街を思わせる雰囲気も漂っていたのだが、本当の九龍城は、単なる住居という側面が大きかったはずだ、大きいマンションのようなものだが、中身が、端的に言うと腐っているかのようで、増築や取り壊しなどを無秩序に行った結果、階層がいつの間にか変わっているとか、電線が多すぎてどれがどれだかわからないので修理などが行えないとか、そんなイメージがある。実際に見たことがないからそこは想像だが、一つ写真集を持っていて、それを見ながら、ウィキペディアで実際の成立過程や取り壊される過程などを読んで、そうそう書いていて思い出したが、もとのクーロン上も取り壊されたし、それを再現したゲーセンも取り壊されてしまったのだ、ゲーセンの方はまだしも、本物の九龍城は、相当に歴史的価値があったはずだ、今では望むべくもないが、内部のデータをまとめて、3Dにして保存しておいてほしかった。きっと同じ思いをしている人も多いだろう。しかし、九龍城の内部は、本当に治外法権であったらしい、地勢的に、どちらの領分とも言えない、という部分に建っているから、という理由だった気がする。九龍城を模したというゲームセンターの名前が、どうしても思い出せない。