【日記】クリスマスイブ
クリスマスイブの日に、我が家でローストチキンを買ってケーキを食べ、シャンパンやビールを飲みながら、M-1を見ていた。理想的なクリスマスイブの過ごし方で、子供もいないからプレゼントをどうするということも考えなくていい、ただ自分たちの飲食だけ考えればいいのだから簡単なものだ。クリスマスイブらしい過ごし方がしいてしたいというわけでもないけれども、日常に何かしらの節目が欲しい、さもなければ本当に連綿と時間が続いて行くだけだ、というどこか焦燥に近いものも働いたのかもしれない。手を汚したくないから、ローストチキンはフォークで何とかほぐしながら食べた。筋肉の、骨寄りの所は緊密につながっているので、多少フォークを差したところでなかなかほぐれにくかった。人の前腕とだいたい同じ大きさの足の肉が、フォークにそのままついてきて、振り落としながら、口の端にソースが付くのを気にしながらかぶりついた、とにかく手を汚したくない。インドには行けないかもしれない。M-1は、ヤーレンズを一番推していたけれども、令和ロマンが優勝してしまった。令和ロマンも面白くなかったわけではない。いろんなタイプがいて、優劣はつけられないと言ったりするけれども、面白さを数直線上にプロットすることが難しいと言った方が良いかもしれない。点数をつけるとは、その数直線上に位置させるのと変わらない。方向性、訴えかける客の性格、受け入れられる暴力性、そんなもので、それぞれ評価される人が分かれてくる。まあそれを、あえてレーティングして勝敗に一喜一憂する、何なら自分まで評論家にでもなった気分で家庭内で一席ぶったりすることを楽しむ、そういう込み入ったエンターテイメントなのだろう。もともとよく見ている方ではない、ただクリスマスイブに何かしらの楽しみが欲しいと思って、なくもがなの気持ちで、付けていたにすぎない。その割には楽しんだ。