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「つながる、広がる、新しい世界」〜網膜投影カメラキットで発揮される新たなクリエイティビティ〜
「○○ちゃん、きれいに撮れたよ!」「○○ちゃん、次は私が撮る!」「見える~?もっと撮って~」。きゃっきゃ、きゃっきゃ笑いながらカメラを片手に、東京都立八王子盲学校の小学生ふたりが、お互いを撮り合って楽しんでいます。彼女たちにはそれぞれ違った見えにくさがありますが、本格的なカメラを触ること、自分の指でシャッターを切ること、ファインダーをのぞき友達の顔が見えること、すべてが新鮮で喜んでいます。
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彼女たちの周りにいる、盲学校の先生、校長先生、副校長先生、取材の記者さん、テレビのカメラマン、そしてカメラを開発したソニーと我々QDレーザの担当者は、網膜投影カメラキットを片手にはしゃいでいる生徒たちを見て、とても嬉しい気分になっています。
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メディアの取材に答えてくれました
2024年3月末、ソニーとQDレーザは、全国の盲学校および視覚障がい者施設・団体に、合計約200台の網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER(レティッサネオビューワ)」を搭載した、網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」を寄贈させていただきました。盲学校の生徒さんをはじめ、より多くの皆様へ、自分の目で見える喜びや、撮影できる楽しさを実感してもらいたい、クリエイティビティを発揮する機会を増やしてもらいたい、という想いから寄贈をさせていただきましたが、寄贈式にご協力をいただいた八王子盲学校の生徒たちの楽しむ様子を見て、「こんなに喜んでもらえるなんて寄贈できて本当に良かった」と皆が感じていたのです。
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QDレーザ 事業推進室長 宮内から生徒様に網膜投影カメラキットを寄贈させていただきました
寄贈式の様子はテレビニュースでも取り上げていただきました。
見える喜び、撮る楽しさに触れ、生徒がクリエイティビティを発揮する!?
現在、寄贈させていただいた盲学校1校1校に網膜投影カメラキットの使い方や網膜投影の技術について、また、我々がどんな取り組みをしているか、これからどんな可能性を目指しているかお話しをさせていただいています。これから網膜投影カメラキットをどうやって活用していこうか、検討し計画を立てていこう、という盲学校もあれば、すでに授業で積極的にご活用いただいている学校もあります。
例えば、島根県立盲学校の先生からある写真とメールが送られてきました。
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島根県立盲学校 N先生より
(5月2日)、学部遠足を実施しました。松江フォーゲルパークという鳥や花を見ることのできる施設と、秋鹿なぎさ公園でのヨット体験をしてきました。最高の天気の中で実施できました。遠足時に網膜投影カメラを2台持って行き、生徒たちがとても喜んで活用していました。本当に、よく見えたようで、ずっとカメラを覗いて撮影に夢中でした。本当にありがとうございました。今後もいろいろな学習で活用したいと思います。(一部抜粋)
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より多くの皆さんに、「見える喜び、撮れる楽しさ、クリエイティビティを発揮する機会を!」という想いでご寄贈させていただきましたが、生徒さんが楽しんでいる生の声を知ることができ、とても嬉しく感じます。
また、「オンリーワンがここにある!」をスローガンに掲げる島根県立盲学校では、公式のInstagramに網膜投影カメラキットで撮影をした写真を生徒自身が投稿しているとのことです。クリエイティブ!
また千葉県立千葉盲学校の先生からは、こんなメッセージと写真も届いています。
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千葉県立千葉盲学校 S先生より
生徒の作品を添付させていただきます。
写真に言葉を添えて、発表しあっています。
お陰様で、生徒はとても生き生きと学習しております。(一部抜粋)
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その時の気持ちを文章で表現してくれました
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イメージを豊かな言葉で表現してくれました
ファインダーから網膜に投影される先生を目で見て、感じた瞬間にシャッターを切り、気持ちを表現する。ファインダーから網膜に投影されるツツジを目で見て、感じた瞬間にシャッターを切り、気持ちを表現する。これこそまさに、ソニーもQDレーザも生徒さんに体験いただきたいと感じている、新しい価値なのです。
千葉盲学校では校外散策をしながら撮りたい写真を生徒自ら撮影し、写真に言葉を添えて発表し合う。お互いの違った視点や、新しい価値観に触れ、コミュニケーションや学びを深めるという授業をすでに実施しています。
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お互いに新しい気付きが生まれています
S先生の「生徒さんが生き生きと学習している」というお言葉を聞くことができ、本当に嬉しく感じます。島根県立盲学校も千葉盲学校も、先生方だけではなく生徒さん自身が、手探りながらカメラキットで何ができるか、何ができたら楽しいかを探し始め、クリエイティビティを発揮する楽しさに気づき始めているようです。
網膜投影があれば今まで体験しづらかったようなことも、生徒さんたちが体験でき、学校生活の楽しさ、学ぶ楽しさ、周りとのコミュニケーション、発表、発信を通し発揮されるクリエイティブな楽しさに触れることができるのではないでしょうか。これから先、盲学校で、どのような生徒さんが、どのように網膜投影カメラキットを活用し、クリエイティビティを発揮していただけるか、楽しみで仕方がありません。
With My Eyes 作品展「うつる、うつす、新しい世界」を終えて感じること
2024年5月10日(金)~5月16日(木)、銀座のソニーイメージングギャラリーにてソニーとQDレーザは、With My Eyes 作品展「うつる、うつす、新しい世界」を開催しました。
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網膜投影カメラキットを普段からご利用いただいている、8人のロービジョンの方々の素晴らしい写真が展示されました。
撮影者には、普段からプロカメラマンとして活動をしている緑内障の豊吉雅昭さんもいれば、旅行好きで旅に出るときは必ずカメラを片手に旅行に行くあさひ旅するロービジョンのあさひさん、家族旅行で網膜投影カメラキットを片手に思い出の写真を撮る高校生、と年代も見え方もバラバラですが、網膜投影と適応性があること、そして新しい発見に積極的で、好奇心が旺盛、という点では共通する8人が、普段から撮りためた写真を応募してくれたのです。
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金閣寺のてっぺんの鳳凰までちゃんと見てとれたと喜んでくれました
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サグラダファミリアの素晴らしい写真をたくさんスペインから送ってくれました
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もともとカメラが好きで沢山の写真を撮っていますが、
ソニーイメージングギャラリーに展示され大喜びでした
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自分の目では見えないのではと思っていましたが、網膜投影で見ることができ
今では旅行先では沢山の写真を撮っています
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あさひ旅するロービジョンのあさひさん
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緑内障の啓発も行いながら自分の目を通し見える世界、感じる世界を発信しています
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躍動するお子様の走る姿を見事に捉えています
この写真展を通しとても嬉しく感じたことは、出展いただいた8人の撮影者様全員に「自分の写真を多くの人に見てもらえたこと、写真を通してまた新しい人たちと出会い繋がれたことがとても嬉しく、素晴らしい経験ができました」と口をそろえ仰っていただいたことです。撮影や発信を通し、コミュニケーションが増えたり、新しい世界に気づいたり、また新しい出会いがある、そんな経験が非常にクリエイティブなのだと感じました。
今後、寄贈させていただいた全国の盲学校の生徒さんの写真を発表できるような機会を作り、撮影だけでなく、発信する喜びを生徒さんたちにも体験いただければと考えています。
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網膜投影はまだまだお試しいただいている方も多いとはいえず、見え方にも個人差があります。それでも今回の寄贈、盲学校でのお取り組み、With My Eyes 作品展を通し、クリエイティビティを発揮するための新しい手段の一つになれると感じています。網膜投影カメラキットを手にしたみなさんには、思う存分ご利用いただき、「見て、撮影できる。楽しめる」をこれからもご実感いただけましたら幸いです。