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その雄姿を「自分の目で見たい」というサッカー小僧たちのそばで

新国立競技場、2023年6月6日19時30分。
47,335人の熱烈なサッカーファンが一人の選手を見つめています。
視線の先にいる選手、そう「イニエスタ」です。
もはや語る必要もない元スペイン代表、元FCバルセロナ、7月にヴィッセル神戸を退団するイニエスタ。今日はイニエスタの退団試合です。

やってきたぞ!新国立競技場!

47,335人の視線。
ヴィッセル神戸のユニフォームに袖を通すイニエスタを見つめる47,335人の視線の中には、5人の目の見えづらいサッカー小僧の視線も含まれています。見えづらさはあるもののイニエスタの最後の雄姿を見ようと、5人のサッカー小僧がスタジアムにいました。

5人のサッカー小僧たちは、正式名称:Clube Atlético SOLUA (クラブアトレティコ ソルア)、通称:CA SOLUA (シーエーソルア)という「ロービジョンフットサル」チームのメンバーで日々サッカーの練習に励んでいる、小学生、中学生です。(ソルアに集うロービジョンの子供たちは「ソルアキッズ」と呼ばれています。)

大人チームには日本代表選手もいます。
ソルアキッズもみんな楽しみながらサッカーをしています。

皆さん「ロービジョンフットサル」はご存じでしょうか。
ロービジョンフットサルは見えづらさのある(眼鏡やコンタクトをしても視力が上がらない)ロービジョン(弱視)が、一人ひとりの異なる視力・視野を生かし、お互いを補い合いながらプレーするサッカーです。アイマスクをして全盲(何も見えない)状態で音を頼りにプレイをする「ブラインドサッカー」とは異なり、アイマスクは装着せず、音の出ないボールを用いて、弱視の選手たちが見えにくい状態のままプレーすることが特徴です。

5人のサッカー小僧も、それぞれの見え方は違います。
視野狭窄(一部の視野が欠け視野が狭くなっている)、中心暗点(中心視野がなく真ん中がすっぽり見えづらい)、羞明(光を取り込みすぎて明るく見えづらい)、眼振(目の揺れ)、視力が0.1以下、見え方はそれぞれ異なるので一様ではありません。共通しているのは、見え方は異なっても「見えづらさがある」ということです。そしてもう一つ共通しているのは、5人とも「サッカーが大好き」ということです。

私も大学までサッカーをしていたので、小学生のころキングカズに対して目を輝かせ、毎月サッカーダイジェストを読んでいた私と、5人のサッカー小僧たちは「見えづらさを感じている」こと以外なにも変わりません。
みんなサッカーが大好きで、スーパースターに無条件で憧れ、今日は退団するイニエスタを「絶対に見たい」のです。

通常見えづらさのある5人がサッカー観戦をする時は、アイフォンや単眼鏡といった拡大してみるデバイスを利用します。アイフォンの場合は、ぼんやりと見える画面で写真を撮り、指で拡大し、アイフォンを目に近づけて撮れている画像を確認します。素早い動きのサッカーを見るには、少し大変な見方です。(子供たちはそれに慣れているので悠々と使いこなしていますが)

単眼鏡は拡大して見ることができますが、拡大するため見たいものを見つけることが少し難しかったり、拡大した状態の映像しか見ることができず、広く全体を捉えることに難しさもあります。

そんなサッカー小僧たちに、いつもとは違う方法で、できる限りいつもよりも見えやすく、「絶対に見たい」イニエスタを見てもらいたい、楽しんでもらいたくて、レティッサネオビューワを持参し一緒に新国立競技場にやってきたのです。

ご覧くださいこの、子供たちがレティッサネオビューワのファインダー越しに見えるイニエスタを目で追い、試合を楽しむ真剣な姿を。

S君はお父さん曰く、普段はひと試合を集中してみるのは難しいとのことですが、
今日はレティッサを使ってまるまるひと試合、食い入るように観戦しています。
H君は普段は見えづらい選手の背番号まではっきり見えることが嬉しくて、
レティッサを使いながら選手を一生懸命追いかけていました。
S君も30倍のズーム機能をうまく使います。
いつもよりもはっきりと見える選手のボールさばきに興奮していました。
S君もぼんやりとではなく、ある程度しっかりとした輪郭で、
選手を認識しながらサッカー観戦を楽しんでいます。
隣にいるお父さんも驚いていました。
R君はお気に入りの武藤選手を見つけるたびに、「武藤選手だ!武藤選手だ!」と、
お母さんに何度も伝えていました。はっきりと顔が認識できているんだね。

子供たちみんな、普段は一部が見えづらかったり、ぼんやりとしか視認できないピッチや選手を、今日はレティッサを使って一生懸命目で追いながら、ファインダー越しに見ているんだね。
退団するイニエスタがボールを追いかける姿を、いつもとは違う見方で、いつもよりもはっきりと見ることができているんだね。
かつてサッカー小僧だった私も、とても熱いものを感じました。

この5人のサッカー小僧にとって、今日は記憶に残る一日になったでしょうか。この子たちが大きくなった時に「イニエスタが退団する試合を、僕は見に行ったんだ。その時いつもよりもよく見えたんだよ」と、次の世代のサッカー小僧に伝えているでしょうか。

これから先もっといろいろな場所で、より多くの見えづらさを感じている方のすぐそばで、レティッサが活躍してくれる未来を描きたいです。
特に子供達には遊びも勉強もスポーツも、見えやすくなることで新しさや楽しさを感じ、可能性を広げていってほしいと感じています。

イニエスタのその雄姿を「自分の目で見たい」というサッカー小僧たちのそばで、そんなことを思うかつてサッカー小僧だった私でした。

みんなの心に残る素晴らしい日になりましたね!みんないい笑顔!

大切なおまけのお話

レティッサネオビューワはソニー株式会社のデジタルスチルカメラ Cyber-shot「DSC-HX99」を搭載した網膜投影型ビューファインダーです。

カメラ型といっていますが、カメラなのです。
カメラなので当然写真を撮ることができます。

ロービジョン者には見えづらさがあるため、通常のカメラではファインダー越しの被写体がぼやけてしまったり一部が見えないので、被写体を視認し撮影することが難しいのですが、レティッサネオビューワなら被写体を直接網膜に投影するため、視認することができます。
つまり見えづらさがあっても被写体を捉え写真が撮れるのです。サッカー小僧たちも当然、見るだけでなく写真を自分で撮りたくて懸命にシャッターを切っていました。

なにをそんなに頑張ってシャッターを切っていたのか。。。

そう、「イニエスタ」を「自分の目で見て」撮っていたのです!

実際にS君がレティッサネオビューワで自分の目で撮影した写真です。
どうですか、ばっちり撮れているでしょう?
これだけ撮れているのだから、イニエスタをしっかり目で追って、
シャッターを切ることが出来たんだね。

レティッサネオビューワは全国のソニーストアで予約体験、販売をしています。この価値を一人でも多くの見えづらさを感じている方にお伝えし、是非全国のソニーストアに足を運びご体験いただけると嬉しいです。

※網膜の状態で見え方には個人差があります。だからこそすべての見えづらさを感じる方に試してもらいたいです。