
PAVILIONの記録

こんばんは。PAVILIONの支配人です。
皆さんには、これから2025年1月18日に一夜限りで開催された『PAVILION』を追体験していただきます。
まずは、『PAVILION』について説明しておきましょう。『PAVILION』とは「この世の様々な虚構を集めた博覧会」です。参加者の皆さんにはいくつかの展示室を回っていただき、これらの虚構をご覧いただき、そしていくつかの展示品では実際に体験していただきました。もちろん、みなさんが大好きな「謎解き」という虚構もこの『PAVILION』全体に準備しておりました。
次に、『PAVILION』での注意事項を説明していきましょう。
走らない
大きな声を出さない
図1がある展示品は写真撮影してよい
図2がある展示品は触ってよい
図3がある展示品には触らない、
図3が貼ってある場所は関係者以外立入禁止、その先に虚構は一切ない、あるのは現実だけ



6F 空想の間
空想の間のスクリーンには次の画像が表示されていました。

『PAVILION』の幕開けとして参加者の皆さんに楽しんでいただいたのは、A~Kまでの謎解きでした。












これらの謎を解いていくと、アンサーシートを次のように埋めることが出来ました。

これを指定されているように▶ ▷ で読んでいくと、答えはオープニングセレモニーとなりました。これを管理係に伝えると、次の2種類の紙を受け取ることが出来ました。


この博覧会において、次の展示室に進むためには「展示室移動コード」を導くことが必要でした。次の展示室である8F 夢遊の間に進むためには「空」と「夢」の間、「想」と「遊」の間を順に読めばよかったようです。

それぞれ読んでいくと、移動コードは「うたかた」であることがわかり、これで6F 空想の間から8F 夢遊の間に移動することが出来ました。
8F 夢遊の間
空想の間で次の2つのものを受け取り、参加者は夢遊の間にやってきました。



801/802 魔法薬学Ⅱ
それでは、8階はここからスタートしましょう。部屋に入ると魔法薬学Ⅱの教授が待っていました。しかし、参加者の皆さんは調合の実験の講義に教科書を持参し忘れてしまっていました。
優しい教授が教科書を貸してくれたようですが、その教科書はこうなっていました。

どうやら、校舎に住み着いている悪戯好きのゴーストが中身を書き換えてしまったようです。
どうみても「なべ」ですが、「とぶ」と書いてありました。つまり、青の斜体は50音で一つ後ろにずらせばよかったようです。

ほのおの魔石は机の上の右の瓶の中、みずの魔石は引き出しの瓶の中、かみなりの魔石は机の上の左の瓶の中にありました。

それでは実験開始です。与えられた薬草は次の5種類でした。

薬草の種類は教科書の特徴を見ると判別できました。


それぞれに対応する魔石の数を当てはめて、調合の手順を導きましょう。右に3回、左に5回指を回してちちんぷいぷい。
無事に姿隠しの薬を調合することが出来て、無事に講義は終了しました。
終わり際に教授から
「あーそうだ君たち、ルーン文学Ⅱも取ってたよな」と声をかけられ、

こんな石板を渡されました。ルーン文学Ⅱの課題のようでした。
803 宇宙留学生選抜試験模試
この部屋では、宇宙留学生選抜試験模試が行われていました。
まずは<情報伝達の試練>です。
この試験では伝達側のメンバーが口頭で説明した「完成図」を受信側のメンバーが手元の図形で再現できればクリアできました。


次は<連続計算の試練>です。
フラッシュ暗算を行ったようです。
これら2つの試練に合格すると次の資料を手に入れることができました。

8F廊下 水底の竜宮研究所
ここの手がかりは乙姫に頼まれた謎を解いて玉手箱を開ける番号を導くと手に入るようでした。壁に貼られていた謎を見ていきましょう。





ヒトデのヒクスリーの問題から考えていきましょう。彼が使っているクッションの形は8Fのパンフレットに載っていた803号室の形と同じでした。そして彼の名前はヒクスリー=-3より803-3=800なので、答えは800でした。
次に亀の問題です。クロスワードになっているので埋めていくと、

こうなるので、?を考えると、
かき=8
くり=3
もも=?
となりました。「桃栗三年柿八年」なので、答えは3でした。
それでは、エイの問題を見ていきましょう。壁を見てみるといろんな模様の魚が泳いでいました。それぞれ数えていくと、緑色で角がある魚にはDの模様が入っていて2匹、青くて細い魚にはYの模様が入っていて4匹、赤いカニにはMの模様が入っていて2匹いました。YYYY/MM/DDと直せば分かるでしょう。それぞれの魚は西暦、月、日を表していました。

上の2つの式から考えると当日(2025/01/18)が当てはまることが分かるのでそれぞれ計算していくと、答えは2007でした。
それぞれの答えから

このようになるので、足すと2810となり、玉手箱を開けることが出来ました。

開けると中にはいっていたのはブラックライトでした。

803で手に入れた資料には次のような記述がありました。

実際に照らしてみると、

石板にはこのようになりました。この指示通り、この石板と803でもらった資料「未知への”扉”」で太陽のマークを完成させましょう。

読んでいくと、でんち出せとなります。手元にあるもので唯一電池が取り出せそうなブラックライトから電池を取り出すと、

何やら、紙が挟まっていました。

指示通り、石板を割ってみると、

キーワードが分かったので7階に向かいましょう。移動コードの出番です。8F 夢遊の間から7F 虚実の間に向かうので

このようになり、無事7階に向かうことが出来ました。
7F 虚実の間
まずは、夢遊の間のキーワードを管理係に提出しましょう。キーワードはありすでしたね。

ところで虚実の間のスクリーンには次のように表示されていました。

このままでは参加者の皆さんは無事にこの博覧会の展示品になっていただけるようです。また、夢遊の間の謎を解いたことで次のメモを手に入れることができました。

実際に机の裏を確認すると、次の紙が貼ってありました。

移動コードの求め方と同じ形なので2つを比べていきましょう。

上から読んでいくと「きゅうじんをみた」となり、これを管理係に伝えると、スタッフ採用試験を手に入れました。


















Aの謎は「暗号画5部作」のうちの1枚を、答えの書かれている他の4枚を下に解き明かす問題でした。まず、解くべき暗号画を見ると、黄緑や水色、オレンジの特徴的な図形が描かれています。これは観覧開始前にもらった各展示室のマップでした。そして「じくう」と書かれた暗号画を見ると、解くべき暗号画と同じような矢印があり、図形の数から各展示室の名前の読みを当てはめることで答えを導くことができました。

このことから解くべき暗号画も「じくう」と同様に、展示室の名前を当てはめることで解けそうです。しかし、マップ右下の黄緑色の展示室については、展示室の名前がわからないため、他の暗号画から導く必要があります。「あお」「はるとうた」「red」では全てマップの図形が半分になっていました。このことと各暗号画の答えを合わせて考えると、半分になったマップは展示室名を表す漢字2字のうちの1文字に対応しているとわかります。(どの暗号画がきっかけになるかは人それぞれかと思いますので、以下に3枚分の解説を記載します。)
「あお」:答えは「あお」なので、①②に「あ」「お」を当てはめてみます。そして、マップの一部分だけで別の読み方ができると考えると、半分になったマップは漢字に対応しており、左は「空」の上半分で「穴(あな)」、右は「?」の左半分で「?(お?)」となります。

「はるとうた」:答えの文字数から、分数のようなもの1つ1つが1文字に対応していると考えられます。そして、数字が縦に並んでいることから数字それぞれに意味があると考えると、マップには漢字が対応しており、対応する画数の部分がカタカナとして読めると推測できます。「?」の6~7画目で「ハ」、「空」の4~5画目で「ル」、「虚」の1~2画目で「ト」、「実」の1~3画目で「ウ」、「夢」の11~13画目で「タ」となります。

「red」:まず①~③にredを当てはめてみると、上が〇〇r〇dの右半分、下がre〇〇の右半分となります。ここで、マップが右の英単語を日本語訳したものの一部だと考えると、下は「現実(real)」の右半分、「実」であると考えることができます。

以上の情報から黄緑色の展示室名を考えていきましょう。移動コードを導く紙で使われていない漢字は「構、天、世、界、現、像」の6つでした。まず、1文字目は漢字の左半分、つまり偏を「お?」と読むことができるということから「現」とわかります。そして、2文字目は、6~7画目だけを見ると「ハ」と読むことができ、〇〇r〇dを日本語訳したときの2文字目でもあると考えると、「世界(world)」の2文字目である「界」とわかります。以上から、黄緑色の展示室は「現界(げんかい)の間」であると導くことができました。

ここまでの情報をもとに、解くべき暗号画を見ると、「げんかい」の1文字目、4文字目、「きょじつ」の3文字目、小さい「むゆう」の2文字目、「きょじつ」の4文字目を続けて読んで、「げいじゅつ」がAの答えとなりました。
Bの謎には「テープ」を貼ることでこの問題は完成するとあるので。展示室内で貼れるテープを探す必要があります。室内を探索すると、「合言葉が要る部屋」の入口を封じている「立入禁止」という展示品には「貼られているテープを記念品として持って行っていい」とありました。(写真はありませんが、実際に扉の開く側にテープを貼って、物理的に封じていました。)

このテープを剥がして謎に貼ることで、下の四角に「立入禁止」が当てはまり、さらにその下の丸には各漢字の送り仮名を埋めることができます。実際に左から「(立)つ、(入)る、(禁)じる、(止)む」と入れると、答えは「むじつ」となりました。

Cの謎は説明を見ると、赤い白抜きの文字は嘘であることがわかります。これを参考に5種類の動物の台詞を見ると、「リス、ヘビ、ヤギ、クマ」は殺しておらず、「フクロウ」が殺した、となるので、オオカミを殺したのは「ふくろう」でした。
Dの謎は人間の目には見えないものを見て解く必要がありました。説明を見ると「遠く離れた銀河系に住む知的生命体からのメッセージ」と書いてあります。これは、夢遊の間で手に入れた情報を参照すると、「ブラックライトで照らすことで読める」とありました。

実際に当ててみると、「ちんもく」という答えを見つけられました。

Eの謎は、貼られた地図にある県を3次元ポリオミノの要領で埋めると解けるようです。現実性の高い情報であるためにモザイクがかかっていますが、大まかな形から九州・沖縄地方であることが予測できます。実際にそれらの県名「ふくおか、さが、ながさき、おおいた、くまもと、みやざき、かごしま、おきなわ」を埋めていくことで、答えは「まがたま」とわかりました。
Fの謎は、またも現実に近い地図ということでノイズが入っており、貼られた内容を見ることはできません。しかし「メッセージだけでも解ける」とあるので、説明上部のメッセージに注目していきます。メッセージの読めない部分を予想して補うと「天神にあるSから博多のGまで最短で行くとき曲がるところの文字が謎の答えとなります」となります。

これだけで解けることからメッセージを迷路の盤面と見立て、読めない文字を通れないマスとして指示通りにSからGまで辿り、曲がったところを読むと「らすと」という答えが導かれました。

A~Fの答えを記入し、管理係に提出すると、無事スタッフパスと次の指示が書かれたメモをもらうことができました。


メモを見ると「スタッフパスの裏を読み、自分たちが展示品にならないようにする」ことと「現実の世界に帰る」ことの2つを達成すればいいようでした。
スタッフパスの裏はこうなっていました。

「スタッフの命に危険が及ぶ展示品を見つけた場合は管理係に報告すれば展示中止にできる」と書かれています。スタッフパスを手に入れたことで「スタッフである参加者が展示品になる」=「スタッフの命に危険が及ぶ」となるので、このことを管理係に説明すれば、自分たちが展示品になることを阻止することができます。
そして、このタイミングがスタッフの退勤時間ということで、再び「展示室移動コード」の提出用紙がまたもらえました。これを使えば現実の世界に帰ることができるかもしれません。
次は「現実の世界へ帰る」ための出口を探す必要があります。最初に訪れた空想の間ではスクリーンに「出口は7Fにございます」と表示されていたので、虚実の間の中にあるかと思いきや、この「7Fにございます」は赤い白抜き文字で書かれています。これはスタッフ採用試験Cの謎「うそつきの台詞」と同じです。つまり「出口は7Fにございます」は嘘であり、「出口は7Fにはない」ということがわかります。

そこでスタッフパスの裏を見ると「現実の世界へつながる扉はQuestの裏にある」と書いてあります。これは「現実の世界へ帰る」ための出口が「Questの裏」にあるというように解釈できます。しかし、これまでに訪れた展示室に「Quest」という文字列が書かれたものは1つもありませんでした。また、この博覧会では前のフロアに戻ることができないため、他の展示室を探すとすれば、まだ行っていない「現界の間」しかありません。

参加者は「展示室移動コード」の提出用紙をもらっているので、これを使えば現界の間へ移動できるかもしれません。この提出用紙には、移動前後の展示室名・階数と移動コードを書く必要があるので、現界の間は何階にあるのかを突き止める必要があります。ここで注目すべき点は2つあります。
①現界の間のマップのほとんど、と虚実の間の右上部分がモザイクやノイズによって見えにくくなっていること。
②マップ右下の辛うじて読める文章には「現界の間は関係者以外は入場できない」と書いてあること。
マップにあるモザイクやノイズは、スタッフ採用試験E、Fの謎にある通り「現実の世界の内容である」ために入っていると考えられます。つまり「現界の間は現実の世界にある」と推測することができます。となると、虚実の間のマップ右上部分も現実の世界、ということになりますが、マップ右上部分にあたる場所に実際にあったのは、ストップマークの貼られた「関係者以外立入禁止」である司会スタッフの控室です。ここで参加者の皆さんは、司会からの最初の説明を思い出す必要がありました。「ストップマークの先に虚構はありません。あるのは現実だけです。」一見、よくあるお決まりの台詞ですが、これをそのままの意味で受け取ると、ストップマークのある「関係者以外立入禁止」の区域は現実の世界であると解釈できます。そして、先ほどまでにこの博覧会のスタッフになった参加者は、博覧会の関係者であるため、虚実の間の控室や現界の間にも入ることができます。
そこで、まだ探していなかった虚実の間のスタッフ控室に関係者であることを伝えて入ると、箇条書きになった注意事項が書かれていました。

しかし、この部屋の中をいくら探してもそれ以外の手がかりは一切得られませんでした。
ここで皆さんは視野を広げる必要がありました。この部屋にないなら窓の外はどうでしょう。実際に窓の外の現実の景色を見ると次のようになっていました。

これまでに突き止めてきたことや「現実の世界へつながる扉はQuestの裏にある」ことを思い出すと、向かいのビルに現界の間はあり、今見えている窓の裏に現実の世界へ帰る出口があると考えることができます。窓から数えると現界の間は「4F」であるとわかるので、展示室移動コード提出用紙に記入して管理係に見せると、スタッフの先導のもと、ビルを移動することができました。

現界の間には、キーボックスがあり、どうやらこれが現実の世界へ帰る扉のようです。

そして、Questのロゴの裏は次のようになっていました。

「扉を開ける番号は、虚構から現実への移動コードが示す」とあるので、移動コードを求めると「さくせす」、さらに対応表をもとに数字に変換すると「0425」となります。

これをキーボックスへ入力すれば、現実への扉を開けることができ、無事生きて現実に成功帰ることが出来ました。

実は、参加者の皆さんはまだ一度も訪れることが出来ていない部屋がありました。それは「合言葉が要る部屋」でした。

ここの説明には「中にいるスタッフに合言葉を伝えると特別なものをもらえる」とあります。しかし、スタッフ採用試験中には「立入禁止」が貼られており、開けることができなかったほか、必要となる合言葉もわかっていませんでした。
ここで、キーボックスから手に入れたクリアカードの裏を見ると、

一見空欄になっていますが、何らかの合言葉が書かれていることがわかります。周りの枠線に注目すると、スタッフ採用試験Dの謎と同じ枠線であることから、ブラックライトを当てることで合言葉は「クエストアンテナ」であることがわかりました。

また、クリア後に7Fに戻ってくると、時間経過によって全チームがスタッフ採用試験に到達したため、「立入禁止」が全て剥がされています。これにより「合言葉が要る部屋」に入ることができるようになり、中にいたスタッフに「クエストアンテナ」と伝えると、「本公演オリジナルステッカー」を手に入れることができました。
以上が『PAVILION』の全容でした。
これにて『PAVILION』は完全に閉幕となります。また、どこかでお会いしましょう。
謎制作:オギワラ 川地麻美子 北忠明 中山実咲 山田詩奈 山内崇弘
照明:合田慎吾(照明屋)
BGM制作:淵上響
動画制作:北忠明
制作指揮・司会演出:山川綾斗
制作協力:Polaris
制作著作:九大謎解き企画Quest