withコロナ時代の吹奏楽コンクールに寄せて
昨日、吹奏楽コンクール関西大会(一般の部)を聴きました。
昨年は新型コロナウイルスの関係で中止となったため、2年振りの開催となります。状況は依然として厳しいですが、これまでの感染対策の知見を総動員して会の開催に尽力する連盟役員・関係者の努力に、並々ならぬものを感じました。
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今年の関西支部は、関係者のみの無観客で開催されました。通常であれば、千人単位の観客で埋め尽くされる会場も、今年はそうもいきません。
その代わりに、有料のライブ配信が設けられました。演奏が最も聴きやすいとされる席(審査員席)周辺に設置されたカメラ越しにステージが映され、さながら本当に会場にいるような感覚に。
唯一違うところは、離席や飲食が自由な点でしょうか。離席時に隣の方に「すみません。。」と配慮する必要もなければ、席が取られる心配もない。「ホール内での飲食はかたくお断りします」のアナウンスもなんのその。なんなら、演奏中に会話しても問題なし。
新しい聴き方に驚きながらも、コンクール特有のセッティング・演奏・拍手・舞台転換の一連の流れに、どこか懐かしさを感じながら聴いていました。
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私は小学生の頃に吹奏楽の世界に入り、中学・高校・大学と青春を共にしました。大学を引退してからも社会人団体に在籍させていただき、就職後も初めての土地で続けていました。全国大会・金賞を複数回いただけたことは、かけがえのない思い出です。
「ずっとやってきたし、これからも続けていくんだろうな」と半ば惰性的に思っていた矢先、コロナの影響で練習がストップ。図らずも、音楽との向き合い方について考えるきっかけができました。将来のことや仕事のことと天秤にかけた結果、プレーヤーとして続けていくことの優先度は低いと判断し、いまは足を洗っています。
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「自分がやめるなんて想像が出来ない!」「やめたらなにが残るの!」と、昔から抱いていた強迫観念も、いま思い返してみると小さいことだったと思います。無論、やめたらなにも残っていないことは事実なような気がしますが。ただ、こんな難しいご時世のなかでも、一生懸命働きながら演奏している後輩や古巣の皆さんの勇姿に、賞の色以上の喜びを感じたことは紛れもない事実です。