書籍要点「紙1枚!独学法」
「トヨタ式紙1枚にまとめる」でお馴染み、浅田すぐる氏の書籍が目を引いた。
いわゆるテクニック本ではあるのだが、なぜ20字でまとめる必要があるのか、その目的を理解する視点でこの本をまとめてみたいと思う。
*具体的なテクニック部分については割愛しますので、実際に読んで試してください。
本書の慣例に従って私なりに20字でまとめてみた。
アウトプットは、他者の役に立つための手段
働くことの意味
働く意味を考えると本書の意図が見えてくる。では、働くことの本質とは何だろうか。
本書では、他者に貢献することと位置づけている。
アウトプットはなぜ必要か
他者の役に立つためには、相手の悩みや知らないことに対して回答する過程は避けては通れない。つまり、自分から相手に発信する作業が必要となる。
アウトプットの必要性はまさにここにあり、アウトプットの本質は「人に説明すること」である。人に何かを説明するためには、少なくとも自分がその本質を理解しておかなければならない。
さて、ここまで「本質」という言葉を繰り返し用いてきたが、改めて本質とはなんであろうか。
本質の本質
本書の言葉を借りるならば、本質とは「シンプルなよりどころ(判断基準)」である。よりどころがあるからこそ、自分軸がブレないし、応用という枝葉を伸ばすことができる。そしてなにより、シンプルだからこそ伝わりやすい。
それでは、本質を理解するためにはどうしたらいいだろうか。
なにをもって理解したと言うか
本書における理解とは、「Why」「What」「How」の3つ(総じて、2W1H)に対して回答できる状態のことを指す。すなわち、相手が「なぜ(Why)」悩んでいて、どんな解決できそうな「方法(What)」がありそうか、そして「どのように(How)」解決していくか、に対する答えを持っているかどうかがカギとなる。
理解することの取り組みが「学習」であり、学習を繰り返し行うことで、本質理解へと繋がっていくと考えられる。
これまで、本質とか絶対的に真であるもの、という固定観念に縛られていたが、「よりどころ」という表現に救われた気がする。正しいか正しくないか よりも 2W1Hを考えることで生まれる仮説に対して答えられれば、それは立派な本質なのだろうと思った通り。
アウトプット前提のインプット
以上のように考えると、インプットはアウトプットのための情報収集に過ぎないと考えられる。したがって、アウトプットを前提としないインプットは「学習」とは言えない。それは単に、知識の習得である。
知識を使える形にアレンジしていくことが、学習の本質なのかも知れない。