IPOセカンダリーを徹底攻略①
新規公開株(IPO)はボラリティが高く、大きく儲けるチャンスであると同時に大きく負けるリスクもあります。そんなIPOのセカンダリー投資を攻略することができたらどんどん稼げるのではないかと思い、データを分析してみたいと思います。
1.IPOの上場数は?
分析するうえである程度のデータ数が必要ですが、まずどのぐらいの企業がIPOしてるのか調べてみましょう。
2011年初~2020年末までにIPOで上場した企業数は、なんと747社(投資信託やREITを除く)もあります。全上場企業数は3800社ぐらいのようなので、なんと上場企業の20%ぐらいが10年以内に上場したことになります(途中で上場廃止されたものもあるので厳密にはこれより少ないかも)。
これだけのデータがあれば統計的には十分でしょうかね。
IPOのデータ自体は2001年から持ってるのですが、以下の理由から2011年からのデータで分析にしたいと思います。
・2011年より前に上場廃止になった銘柄の株価データが私が調べた範囲ではネット上に見つからない
・2011年以前は値幅制限、呼び値、単元株が異なり株価の動きが変わる
2.IPO公募では勝てるのか?
公募でとるのは、資金をたくさん持っていて抽選するとか、大手証券会社のお得意様になってないと難しいと思います。
これは調べるまでもないような気がしますが一応調べてみます。
平均で約2倍。すごいですね。
評価別だと、こんなかんじ。
D評価だけは手を出しちゃいけないようですね。
吸収金額別だとこんなかんじです。横軸が吸収金額(単位億円)
上場した年の別
2011年はダメですね。2020年も2月3月がかなり悪かったのですが、平均損益は一番ですね。
ということで公募でとれればよっぽどじゃない限り勝てそうです。
3.IPOセカンダリーはマイナスサムゲームか?
IPOというのは特に今のようなIPOバブルだと公募価格の何倍にも吊り上がり、上場したては注目も集まり出来高も多いですが、だんだん出来高も細っていきずるずる下がっていく印象があります。
初値で買って今まで持ち続けたらどうなるのか確かめてみます。
(備考)上場廃止した場合は上場廃止直前の株価とする
持ち続けてれば勝てるようです。とはいえ、2011年から2020年にかけて各種指数も上がりまくっていますので、IPOのほうがパフォーマンスが高い、とまで言えるかは微妙ですね。
ちなみに2011年以降に上場した747社のうち、上場廃止になったのは33社あるのですが、私の調べた限り破綻した会社はゼロです!意外ですね。
破綻のリスクを回避したければ老舗よりもフレッシュな企業のほうがいいのかもしれません。
さて、では状況別に損益を見ていきます。
上場した年ごと
IPOというより2013年の株価高騰の恩恵をかなり受けているという感じですね。
初値の上昇率ごと
初値が低いほど、セカンダリーは有望だといえます。2011~2012年が初値が低かったのでその影響も大きいと思います。
期待が高い企業は初値高騰しますが、期待だけで実績にならず終わってしまうということでしょうかね。
IPO時の吸収金額別
吸収金額が少ないほど、と思ったのですが結果はそうでもなくて吸収金額が100~1000億ぐらいのほうがむしろ上がるようです。
ちなみに吸収金額5億未満は12590%上昇というすごい銘柄が平均を+140%ぐらい押し上げています。
上場時の市場別
東証二部が強いです。地味だから初値は上がりにくいけど、着実に業績を向上させてるイメージでしょうか。地方市場はグラフ切っちゃいましたが+824%なので夢がありますね。これも12590%上昇の銘柄のおかげなんですが。
ということでIPOセカンダリーは数年レベルで考えれば決してマイナスサムゲームではなく、他の株と同様にプラスサムといえそうです。
長期で買うなら初値がそこまで高騰していない堅実な企業を買うべきなんでしょう。
ちなみに初値で全部1単元ずつ買った場合、2億7174万円必要で、+1億3929円の利益がでてるようです。
4.短期投資ではどうなのか
気になるのはこっちのほうですよね。
これは次回以降にやっていこうと思います。
例えば以下のようなものを考えてます。
・初値買い、その日の引け売りパターン
・初値買い→5日後売りパターン
・即金銘柄は買いか
・上がった場合の持ち越しパターン
などなど。
5.おまけ-IPO上昇率ランキング
2011年以降上場した銘柄の初値からの上昇率をランキングにしました。
初値高騰率のランキング
初値が高騰した場合、ほとんどがマイナスですね。ロゼッタその中でもこれだけ上昇ですごいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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