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カザフ語のアルファベット

 こんにちは、カザフ語たんです。昨日、『星の王子さま』のカザフ語の記事を上げたところ、思っている以上にたくさんの人が記事をご覧になっていて、びっくりしております。記事のネタを提供してくださったウギャーさん、ありがとうございます。

 さて、今回ですが、こちらの記事↓

でカザフ語のアルファベットの紹介記事を書いてみてもいいのでは、と指摘をいただいていたので、今回はそれについての記事です。

 実際のところ、前回の記事で一緒に取り上げてしまっていてもよかったのですが、どこまで解説するのが正解なのかがわからなかったので保留にしたんですよね。(発音のルールとかまで書くと相当な分量になって記事の本題から外れかねませんでしたし)

 ということで冗長になりすぎない程度にカザフ語のアルファベットの読み方についてみていきましょう。

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多少汚いでしょうが、こちらがカザフ語のアルファベットの一覧です。なんとなく見てもらえればと思いますが、各文字の右側の[ ]内が代表的な音価です。右肩に*が付与されている文字ですが、見方は

赤→ロシア語アルファベットには無くて、カザフ語アルファベットには追加されている文字

青→ロシア語からの借用語のみに使用されている文字(実際には起源が他のものの借用語にも使用されていると思いますが、ここではそのことには触れないようにします)

黄緑→ロシア語アルファベット、カザフ語アルファベット両方に存在する文字だけど両言語で扱いが異なる文字

を指します。乱暴な話、発音記号はIPAに準拠したものを書いているので、それをWikipediaで調べてくれ、で終わってもいいような感じなのですが、流石にそれでは解説になっていないのでおそらく多くの人が馴染みがないかなという文字に絞って簡単に解説していきたいと思います。

Ғ ғ[ʁ] これは一言で言うといわゆる「パリのR音」と呼ばれるものに近いものです。喉奥を摩擦させて発音する「が」や「は」の間にあるように聞こえる音価を持っています。

И и[ij]これはый/ійの合字というように(固有語などでは)言われています。どちらであるかは母音調和を勘案したり、あとは語によって違うのでその都度覚えておく必要があります。

Қ қ[q]これは喉奥で息を破裂させて発音する「か」のような音です。練習しましょう。

Ө ө[ɵ]これはいわゆる中舌母音と呼ばれるもの(本によってはø,œのような音価が割り当てられていますがここではこの音価として解説します)で、円唇広母音のО оを中舌化したものというように言うことができます。これは、О оを発音する時には舌は後にある状態で発音されることになっていますが、この文字では『ある程度』舌を前に移動させて発音することが要求されると言うわけです。

У у[uw]これはw単体または、狭母音+wの合字のような役割を固有語では果たします。語での位置によって発音が微妙に異なっていて、これらにもルールがあってそれに従えば正確な発音はわかるのですが、ここでは割愛させていただきます。

Ү ү[ʉ]この文字も中舌母音に分類させるもので(この文字も書籍によっては[y]になっていますがこちらもこの音価で解説します)Ө өをさらに狭くして発音したもので、日本人にはほんの少し「ユ」の要素の入った「ウ」のように聞こえるものです。

І і[ɘ]これはおおよその発音としてはロシア語のыに少し似ていますが、この文字はそれより少し広く発音する(実際本によってはロシア語のыの音価である[ɨ]として表記されているものもあります)ことになっていて、日本人の耳には「エ」の響きが多少入った「イ」のように聞こえると思います。

 余談ですが、最近はPCで文字を打ち込むことがほとんどになったのでそこまで意識はしてなかったのですが、私はキリル文字は基本的に印刷体(に近い形)で書くようにしています。もちろん筆記体は書けないこともないんですが、視認性がお世辞にも良くはないので(この手のネットミームとかそこそこあった気がします)、カッコつけたいとかそういう時以外は基本的書きません。実際どのように書くのが正解なのかはよくわからないので、ご意見のある方はどうかお知らせください。

 今回見てきた発音については、あくまで文面上でしか解説できないものですので、一番は実際に発音されているものを聞くことでしょう。

これあたりは(一部出てきてない文字もあるので要注意ですが)おすすめできます。なお、今回のものでは扱いきれなかった細かいルールもあるので、そこら辺ももしも機会があれば形にしていきたいと思います。

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