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アートな旅 〜Abū Dhabī(アブダビ)編〜

コロナ前の2019年10月頃、UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ(Abū Dhabī)に出張した。

その時に出会ったアート(写真)で今でも忘れられないものがある。

UAEのフォトアーティスト、
Yousef Al Habshi(ユセフ・アルハブシ)氏だ。 

彼の特徴は昆虫を被写体とすること。またミクロな世界に迫るため、虫の頭部や目、羽根など部分的に撮影した作品が高く評価されている。

まだ日本では知らない人の方が多いと思うが、とあるイベント内でNikon主催の個展が開催されてたので覗いてみたのがアル・ハブシさんの作品に出会ったきっかけだった。

日頃虫が苦手な私だが、この写真からは生命の神秘の美しさを感じずにはいられず、食い入るように作品を眺めたのを覚えている。

既に現地では注目のフォトアーティストで、アジアアカヤシゾウムシの複眼の一部と周囲の緑色の鱗片を捉えた画像で、2018年の第44回ニコンスモールワールドコンペティションで受賞もされていた。その他受賞経験多数である。

他作品もホントに美しいので、ご覧になりたい方のためは是非。


人間の目には映らない多くの光景を撮影してきたアル・ハブシさんは、新しい科学プロジェクトや専門的な研究を行うために、昆虫やその部品の画像の一部を海外の大学に提供している。

また、専門的な研究を行う学生には、学術研究や卒業研究のためにこれらの作品一式を提供したりもしているのだそう。
立派な人だなと思った。


"現代科学は今もなお、これらの生物の生命の謎に迫り、日々新たな発見を生み出している。"

と彼が言うように、人類は数々の発明のヒントの多くを生物から得ている。

種の生存、外敵から身を守り生き延びるため、何千年、何万年の歴史の中で、少しずつ進化を繰り返してきた生物たちの歴史の尊さを、私はアル・ハブシさんの作品から感じたのかもしれない。

生物から知らないうちに様々な恩恵を受けて生活している私たちが今後生物とどのようにら関わっていくべきか?

多様性とは何か?
共存とはどうすることか?

そんな声が私には作品から聴こえてきた。

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