0512「妄想の器」

昨日は10時くらいに東京からJFKに到着した。さすがに帰りはアップグレードせず、しかし上級会員特典でプレミアムエコノミーにしてもらえた。全然時差ボケを補正せずに東京での30時間を過ごすことができたので、ものすごくぐっすり寝た。通路側の席だったので、窓側の人が何回かトイレに立つとき、全然起きなかったらしくて、3回くらいCAさんに揺り起こされた。

入国の列も短くって、すぐに空港の外に出た。そんなわけだったので、帰宅したときにはわりといつものニューヨークの土曜日のお昼みたいな感じになっていて、洗い物して掃除してコーヒー淹れて抹茶点ててプロテイン飲んで子供と遊ぶ、みたいな感じで過ごした。

東京オフィスから持ってきたBlackMagicのeGPUを自宅のマシンとつなげて設置した。これで3D系の作業が高速になる。さっそく、マシンが遅くて止めていたUnreal Engineの勉強を再開した。これが欲しかった環境だ。重い思いをして持ってきて良かった。

夕方くらいに、長男が映画「Detective Pikachu」を観に行きたいというので、長男と次男を連れて84ストリートのAMCシアターに行った。例の「実写ポケモン」だ。次男にとっては実は初めての映画館だった。彼は大きい音が嫌いな人なので、いつもちょっと怖がっていたのだが、今回はピカチュウを観たかったらしい。

私はポケモン世代ではないし、ポケモンであんまり遊んだことがないが、「ポケモンはゼビウスマニアがつくったものである」というイメージがある。書籍にもなっているこの記事だ。ポケモンをつくった田尻智さんと杉森建さんと「ゼビウス」の作者である遠藤雅伸さんの対談だが、田尻さんは、有名なゼビウスマニアで、当時はいろいろあったらしい。

この記事は、書籍にもなっている。このシリーズは本当に面白い。

ここにも出てくるポケモン作者の田尻智さんの「パックランドでつかまえて」をものすごく読みたいのだが、Kindleにもなっていないし、Amazonではプレミアがついて単行本が¥40,000とかになっている。

「ゼビウス」っていうのは、とにかく細かいバグというか裏技みたいのが多いゲームで、このインタビューにもあるように、「◯◯すると■■するらしい」みたいな「噂」を生み出すゲームだった。その噂を確かめるために当時のゲームっ子たちはずっとゲーセンに通ってゼビウスをやっていたが、「ポケモン」もやっぱりそうで、製作者側は「ポケモンの数って、何匹いるんですか?」みたいな質問にはっきり答えないようにしているらしい。

で、長男なんかを見ていると、確かにいつもポケモンのゲームだけではなくて、ポケモンカード的なものについても、「伝説のポケモンカードが存在するらしい」みたいな感じで、そういう製作者側が用意した「奥行き」みたいなものをきちんと感じて楽しんでいるように見える。そういう奥行きがあるコンテンツは、本当に人を引き込むものだなと思う。

で、映画「Detective Pikachu」は、そういうポケモンが持っている奥行きがきちんと理解された、きちんとポケモン世界の広さに乗っかった楽しい作品だった。「スターウォーズ」しかり、妄想の器というのは大きければ大きいほど広がるなあと思う。

そういう奥深さにふれるたびに、小説とか物語を書きたいなあと思って考え始めてみるが、どうしても考えすぎて最終的に相撲小説になってしまう。自分には相撲小説しか書けないのだろうか。もう43歳になってしまったので、焦ってしまう。