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0118「Marie Kondo your closets」

昨日はやっちまって、時間を間違えていた日本とのオンラインミーティングが午前0時〜2時で入ってしまい、すっかり疲れてしまった。たまにやってしまうのだが、この時間に仕事をすると最終的に絶対に持たないので、気をつけなくてはいけない。
ニューヨークは朝から雪が降っているが積もら無さそうな雪だ。次男は幼稚園の年中にあたる「Pre-K」という学年で公立の学校に行っているが、年長にあたる「Kindergarten」への申込みが昨日までだったのが火曜日に延長されたよ! という連絡があって、申し込んでなかったのでめちゃくちゃびびった。今週〆切だったのか。延長されてなかったらやばかった。長男と同じ学校のKIndergartenに申し込んでおけば兄弟なので自動的に入れるのだが、申し込んでなかったらそれはまずいことになる。危なかった。

それとは別に長男の学校の先生から業務連絡が来ていて、ついにそこに全米で話題沸騰中のMarie Kondoの名前が「動詞」として登場した。

You may want to start sifting through winter gear to make sure your child has appropriate weather proof/waterproof/warm clothing. Wool socks are always a plus! If you happen to have a surplus and are looking to Marie Kondo your closets, let us know- we may be able to put them to use.
意訳)
お子様がちゃんと防寒できる温かい服を着るように、冬服を整理してくださいね。ウールの靴下はいいですよ!
もし余っている服があったり、クローゼットを「Marie Kondo」しようと思っているんだったらこっちで使いみちがあるので教えてね

Marie Kondoつまり近藤麻理恵さんは、片付け専門家として日本で活躍された後、アメリカに渡って、最近Netflixでシリーズものである「Tidying Up with Marie Kondo」という番組を持ち、これがめちゃくちゃ流行っている。もはや「Marie Kondo」は「片付け」というか「超片付け」の代名詞というか動詞になっている。ちょっとニュアンスが違う気もするが「断捨離」みたいな言葉として「Marie Kondo」が浸透し始めている。

あと、なんかのビジネス記事で「MarieKondo-ization」というすごい言葉を目にしたことがある。「徹底的に整理する」の意だと思う。

元新日の中邑真輔がWWEで成功して、「アメリカではイチローよりも大坂なおみよりも中邑真輔が有名」というのはある種真実だと思うのだが(イチローも大坂なおみも、タクシーの運ちゃんが私が日本人と見るや会話のネタにしてくる程度には有名)、たぶんMarie Kondoはもはや中邑選手より有名だ。この国では、本当に認知されると動詞になる。

日本には存在しない個人間送金サービスの「Venmo」は、ニューヨーク民はわりとみんな利用していて、飲み代などを建て替えてもらうと「I will Venmo you later on」(あとでVenmoしておくよ)となる。実際、Square Cashとかこういう軽やか送金サービスはあったのだが、Venmoだけが動詞化して勝った感じがある。

それ以前にもう完全に自然な言葉として誰も疑わずに使っているのが「Google」で、これはもう「検索」と同義だ。何かわかんないことがあると「Let me Google it」(ちょっとGoogleで検索します)なんていうのは非常に日常会話だ。
前述の通り、動詞化されるともう勝てない感が出てしまうので、競合の検索サービスであるMicrosoftのBingが、「Bing it」という言葉を広告して流行らせようとしたが、全く定着しなかった。

で、「Marie Kondo」は、アメリカに今まで存在しなかったIntense Cleaning(超片付け)の代名詞というか代動詞として、うちの学校の先生が連絡メールに使う程度に定着したのだ。たぶんこの場合、彼女が日本人であることも多分に効いている。アメリカでの日本人のイメージというのはまあ、良い面では「きちんとしてる」「時間を守る」みたいな感じなので、「きちんとしてる」感の極致として出現した「Marie Kondo」が日本人であったことはすごくわかりやすかったんじゃないかと思う。ちなみにMarie Kondoは、番組中普通に日本語でしゃべって英字幕が表示される。それでも全く気後れせずに堂々とすべきことをやっている。すごい。
「英語しゃべれんから・・・」という日本人にありがちな気後れは全くないし、通訳や字幕を駆使してでもちゃんと伝えたいことを伝えることの大事さを教えてくれる。

以前、公用語が英語の外資系の代理店に勤めていた知り合いが、上司に日本人が入ってきたときにその上司が屈託なく通訳を連れていて「あ! これでいいんだ!」と思ったというのを思い出すが、通訳は別に恥ずかしくないし、海外で勝負する上で1つの有効な手段だよなと思う。英語はしゃべれた方が良いけど、他の方法もある。