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調子の悪さ、年末の沈殿物

調子が悪い。

調子が悪いというのはどういうことかというと、自分がやっていることへの自信が揺らいだり、これからどうするかの指針がぼんやりしたら、シンプルに仕事がうまく行っていないような状態だ。

人間、誰しもそういう状態はある。で、そういうとき、人間は何をしてしまうかというと、他罰的になってしまったりする。他罰的、というか、特定の人たちを仮想敵みたいにして噛みついてみたりとか、不特定多数に対して煽動的で露悪的な言動をしてみたりとか、調子が悪い人はそれが滲み出た振る舞いをする。

何しろ私自身そういうことをしてしまうことが結構あるからだ。調子が良ければ自分のすべきことに没頭して、他の人のことなど気にならない。調子が悪いと、考え方が合わないタイプの人たちなどに過度に攻撃的になったりする。私も大概いろんな人やクラスタに公の場で文句を言ってきたが、そういうことをしていたときは、調子悪かったなーとも思える。

私はテクニカルディレクターという職業の人たちが集まる団体を運営しているが、最近、知っている人が「テクニカルディレクター大嫌い」なんてわざわざ発信しているのを同僚に教えてもらった。

職業全体に中指立ててもいろんな人いるのだから詮無い話なのになーと思いつつ、若い仲間が自信を無くすと嫌なので、少し反応してみた。
同時に、「あー。この人いま調子悪いんだろうなー」と思った。滲み出てしまっていた。

多くの場合、そういう相手に特に個人的にもつくり手としても興味はないので、深追いすることはないし、影響は無いのだが、興味がある人というか、好きな人がそういうことを言い出したり、自分に絡んできたときが非常に困る。

そういう人の不定愁訴とか、自分に対する批評とかを食らっていると、影響を受けてしまって自信は喪失していくわ、普通に悲しくなるわ、酒量は増えるわでとても困ったことになる。なぜかって言ったら私はその相手をリスペクトしていたり、興味の対象だったりするわけで、そういう人には褒められたら嬉しいけど、負のエネルギーを発散されたら自分にまで伝播して調子が悪くなってしまう。

ここまで書くくらいなので、実際にそういう関係性の人はいて、細かくは書かないが、私はその人のことを大好きだし、つくり手として心から尊敬している。しかし、その人は執拗に負のエネルギーを噴射してくるがゆえに、私がそれに振り回されてしまって自分が信じる道をまっすぐ歩けなくなってしまう、ということが起こった、というか断続的に起こっていた。

もうちょい簡単に言うと、「その人にどう思われるか」を気にして自分の行動にブレーキを踏んだり、考えを誤魔化すようなことをするようなことが起こった。

これは自分の人生や仕事にスピードダウンをもたらすし、その時々で信ずるものはあって前に進んでいるつもりなので、自分にとって明らかにマイナスだった。QOLも下がる。

ゆえに、私はその人をさまざまなソーシャルメディアにおいてブロックした。今まで私は人をブロックしたことなど無く(ミュートは結構してるけど)、その後にもないので、後にも先にもその人のことしかブロックしていない。もちろんそれは、相手と向き合うことから逃げたことにもなるわけだけど、その通りで私は逃げた。

そのとき心の中で思っていたことが一つあって、それは、「何か私に伝えたいことなり文句なりがあるんだったら、話題にでもなるものつくって、ブロックを越えて私の目に入るようにしてくれ」ということだ。

不定愁訴ばっかり言ってないでなんかつくれや、という気持ちもそこにはあった。

私はというと、結果、判断を振り回されることか少なくなってかなり調子が良くなった。

しかし、私はいま調子が悪い。

なぜかと言うと、その人がつくったものが、ブロックの壁を越えて目に入ってきてしまったからだ。そして、それがとても素晴らしいものだったからだ。そしてそういうものが評価されてブロックの壁を越えるほど話題になっていることもとても素敵なことだと思った。

今の気持ちを書き連ねるとこうなる。

ムカつく。腹が立つ。気分が悪い。調子が狂う。おめでたい。面倒臭い。ざわざわする。混乱する。素晴らしい。うるさい。けたクソ悪い。酒が足りねえ。ありがたい。かっこいい。

詰まるところ、調子が悪い。眩しすぎるからウォールマリアを建てて防衛した相手がウォールマリアを越えてきてしまったのだから、調子は悪くなる。アンビバレントを通り越してカオスだ。

せっかく無事に2024年もまとまろうとしていて、仕事も収束しつつあるのに、神も仏もない。このまま調子が悪い混乱した感じで年末年始を過ごす他ないんだろうか。

まあしかし、こういうの来年に持ち越したくないし、年末の澱として文章の形て排泄しておくのも良いかなーということで、置いておこうかと思う。しばらくしたらきっとまた調子が戻る。

引き続き、自分の信ずるところを進んでいけると良いなあと願いつつ、この調子の悪さが成仏することを祈念します。