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0113「Pass or Gunをカジノでやりたい」

ニューヨークに帰ってきた。次男の調子が悪い。私は幼少期、頻繁に自家中毒になって苦しんだのだが、この子もそういう気があるのかもしれない。

先週はラスベガスで数日を過ごした。まあ基本的に楽しい場所なので、楽しかった。

ラスベガスにはカジノホテルというものがある。カジノホテルというもののユーザーエクスペリエンスは徹底的にカジノというものを中心に構成されている。国や州によって法律も違うので、変わってくるが、ラスベガスの場合下記のようになっている。

入口にレセプションとコンシェルジュ、基本的に一階にどでかいカジノがあって、そこを通り抜けて客室に行くようになっている。
つまり、カジノを通らないと客室に行けないようになっている。
シンガポールとかマカオとかだと、そこはまた違ってきて、たぶん本当はそうしたいのだか、一般エリアとカジノエリアはしっかりわかれている。

客室だけではなくて、いろんな施設に、カジノを通らないと辿りつけない。各種レストランやビュッフェも、カジノフロアの中にある。ショッピングモールはカジノの奥か、二階とかにある。
さらに、シルクドソレイユのショーであったり、マジックショーであったり、セリーヌ・ディオンのナイトショーであったり、ホテルに常設されたエンターテインメント会場にはカジノを通り抜けて行かなくてはいけない。

CESのような展示会の会場も、カジノに隣接する。
ラスベガスのホテルにとっては、こういうコンベンションセンターみたいのも、シルクドソレイユも、ホテルの宿泊サービスなんかもすべて、カジノでお金を使ってもらうために存在している。
メインコンテンツにたどり着くまでにトラップを配置する。あの手この手でカジノに誘導する。

たとえば、カジノホテルの客室の冷蔵庫のミニバー的なものは、めちゃくちゃ高い価格設定になっているうえに、ちょっと動かすと課金されるようになっている。
なるべくカジノフロアに降りて飲食してもらうためにそうなっている。

これがいわゆるIRという商売になっていて、カジノIR法案の「IR」っていうのはこういうコンベンションセンター的なものやエンターテインメントの招致みたいな話だ。

というのは、だいたい受け売りだが、実際そうなっている。
客室に向かうまでのカジノには着飾った人々が歩き回っていて、各所で人々が盛り上がっていて、とても楽しい。
常に新しいホテルが登場して、街も成長している。

とはいえ、そこで行われているゲームにイノベーションが全然ない。カジノで行われているのは、ブラックジャックだったりルーレットだったり、クラップスだったり、バカラだったりで、これらは昔から全然変わっていない。各々に各々の風情があるのでそれは良いが、わりとどこに行っても遊べる競技は同じだ。スロットマシンはどこにでもあるが、あれはパチンコだ。風情というものがない。

地域ごとの偏りはあって、シンガポールやマカオの中華系カジノには、大小(シックボー)やバカラのテーブルばつかりになるし、アメリカ系はクラップスが必ずある(他の国だと全然ない)。

中華系だと他にも面白いゲームがある。牌九とか、役を覚えるのが大変だが、すごく面白い。

で、何が言いたいかというと、日本にカジノをつくるのなら、日本でしか遊べない、日本ならではの風情がある日本のテーブルゲームというのを発明した方が良いのではないか。
チンチロリンみたいのを洗練させたようなものでも良いし、花札をカジノ向けに拡張したものなんかでも良いかもしれない。

「日本のカジノに行くとあれが遊べる」となれば、それも1つ、多くの人に来てもらう理由になるのではないか。

バスキュールの原さんチームが前にKDDIのキャンペーンでやってた、「Pass or Gun」なんか、カジノでやると超良いような気がする。あれはすごい楽しいので日常的にやりたい。金を賭けてやれたらめちゃくちゃ楽しいはずだ。
原さんはああいうものを突然ゼロからつくりだせるから本当にすごい。KDDIとあんまり関係ないのも逆にすごい。

日本のカジノのエンターテインメント施設にチームラボっぽいものをつくるような仕事はたくさん発生しそうだし、している気がするが、カジノのゲームそのものに関係する仕事はまだ無いような気がして、できればそういうのをやりたい。どうやったらそういう仕事ができるんだろうか。

CESでVR/ARが面白かったので、今日は自分にとってとっつきやすいiOSからやり直そうと思って、堤修一さんの「実践ARKit」を買って、ARKitの勉強をした。まだ触れてなかったのだが、Scenekitわかってればめちゃくちゃ簡単だな。