1209「QRコードの寄り切り」

今日も華強北に行ってから夜に上海に戻ってきた。深圳で仕事関連のものから、お土産から、単純に興味を呼んだものに至るまで、かなりいろいろ買い物をしたので、荷物が重くて本当に移動に疲れてしまった。

で、疲れてしまって寝てしまったし、そもそも月曜日はひどく重要な会議があるしそのために上海に来ているので、今日は完全に日記存続の危機だ。いまこの行を書いている時点で、そんなに何かを書くモチベーションがないし、書く内容も決まっていない。これを書くために費やせる時間も限られている。いまこの行を書いているタイミングから10分くらいしかない。

たぶん10分程度で書けることなんて多寡が知れているが、なるべく脳内で考えたことをそのままここに書きなぐってみる。
中国にいるので中国のことを考えてしまうが、あれである。キャッシュレス社会についてだ。
中国のキャッシュレス社会はすごいとかなんとかみんな言うし、実際に凄いし、便利なんだけど、実はユーザーエクスペリエンス的には日本のSuicaとかああいうタッチしたら決済されるやつが一番便利だ。タッチすれば良いので。

私はアメリカに住んでいて、まあやはり財布持ち歩くの面倒くさいし、近所のスーパーマーケットに買い物に行く際なんかは、携帯だけ持っていく。Apple Payだ。ただ、Apple Payはまあ面倒くさい。私はIPhoneXを使っているのだが、支払いのときに、電話を端末にかざして、ボタンをダブルクリックして顔認証しないといけない。面倒くさい。財布から金を出すよりはましだが、2ステップくらい、しかも結構面倒くさいステップを踏まなくてはいけない。

中国の場合、WeChatかAlipayのカメラを起動してお店に提示してあるQRコードをスキャンして支払うか、大手のチェーンとかだとこっちの支払い用QRをスキャンして課金してもらう感じだ。お店としてはQRをプリントして貼っておけば「ここから支払ってね!」
と言えるので、その「QRプリントして置いておけばいきなりキャッシュレス化完了」という参入障壁の低さがこの「誰でもどこでも携帯で支払い可能」な社会を実現したと言えると思うが、まあ、カメラ起動してスキャンして金額入力しないといけないので面倒くさい。

で、モバイルSuicaは何が素晴らしいかというと、タッチするだけで支払いが終わるということだ。一発であるが上に、要求される動作もシンプルだ。どう考えてもこれが一番いい。コンビニとかスターバックスとかだと、この動作の上に「Tポイントカードはお持・・・」「大丈夫です」という無駄としか言いようがないエクストラワンステップが入ってくるのがアレだが、モバイルSuicaは最強だ。要するにあの端末を、田舎の個人商店とかがそう簡単に導入できるわけがないから、中国における支払い系の万能感には至らないわけで、UXと導入コストがトレードオフになっている、みたいなところで、煮え切らない感じになっている、が、モバイルSuicaは最強だ。

QRコードは、数年前は結構欧米や日本のデジタルクリエイティブ社会だと馬鹿にされていて、数年前の広告賞の審査とかで「Oh no, いまどきQRコードかよ今は2015年だぜ一体いつの話をしてるんだい」みたいな感じになる光景を何回か見ているが、QRコードは結局導入コストとのバランスの良さなりで、ぐいぐいアンチQR欧米文化を土俵際に追い込み、概ねのスマホもデフォルトのカメラにQR機能を搭載し、とうとう寄り切りで勝利した感がある。

よし、10分経ったので仕事しよう。どうにか書いた。