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[創作と仕事]変遷(西川火尖)

つくりながら生きていくための同人『Qai(クヮイ)』
同人4人が一つのテーマで毎月noteを更新しています。

7月のテーマは「創作と仕事」です。

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更新が遅くなりすいません。
さて創作と仕事ですか。創作はともかく、仕事、憂鬱ですね。
前回の裕美さんの回と打って変わり、私は仕事が全然好きではありません。
就職してから12年、学校で言えばちょうど中学を卒業したあたりですが、途中、無職になったり非正規雇用になったり、世の中に通用するスキルなんてほとんど持たないまま、そういう人でもできる仕事をして食いつないでいます。にもかかわらず、いや、だからこそかもしれませんが、仕事にまつわる俳句は結構できてしまいます。それが俳句になるから何とか自分を見失わずにやっていけてるのかもしれません。

これまで転職を二回しました。少しだけ振り返ります。
春昼に一滴修正液たらす (2008/03/19)

ボーナスを初めて貰いました。
明細を配る賞与の明細を (2007/07/10)
所長来て賞与と言ふを待ちにけり (同)
賞与明細机に置くや裏返す (同)
はじめての賞与一万七千円 (同)
明細にして渡すほどかと思ふ (同)

飛び込み営業に耐えられなくてサボるようになりました。
まだ朝の蟻を摘んでをりたるに (週刊俳句2008/08/10)
百日紅やはり稼がねばと思ふ (同)

最初の仕事を一年半で辞めて、家を出ました。
秋蜂やふつと無職に醒めてをり (2018/10/17)
瓢の実に詳しきホームレスになる (同)
冬近し無料情報誌の黄色 (同)

ハローワークで自罰的な就職活動をしました。
電極を枯野に挿して離れけり (2009/01/23)

二つ目の仕事のことを長いこと人に言えなかった。
消灯を挟む猥談そぞろ寒 (2010/11/08)
水涸れて即席麺の銀の蓋 (同)
密婚や野分ビニール傘越しに  (2010/11/11)

隠れて公務員試験を受けました。
冬野来て祈りの言葉知らざりき 
(2011/01/21)

2012年から今の仕事を続けています。
非正規は非正規父となる冬も (2015/02)
真白なテキストエディタ耕しぬ (2015/06) 


これからの人生でもおそらく、仕事で満たされることはないでしょう。
年収は数百円レベルで上がる予定ですが、余計惨めです。
それでも、これからできる私の職業詠に私は期待します。

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