【創作と道具】偏っている/西川火尖
実は私は漢字があまり書けない。小学生の時、毎日の漢字の書き取りの宿題をサボりにサボった影響で今も怪しい字は結構多い。サボったというか、出来なかったのだ多分。性格的に漢字を繰り返し書くということができなかった。そういう問題のある子供だった。小学校低学年の超基礎的なところで躓いたものだから、親もさすがに焦っていろいろ手を尽くしたが、あまり効果はなかった。そこで親が失望で取り乱さなかったので学問まで嫌いにならずに済んだのは良かったが、ここまで書いて、「響」と「躓く」、意外なところで「焦る」は多分今も書けない。どうしても書かなければならないときは細かいところをペン先でごちゃっと誤魔化すしかない。そうやって大学入試の小論文は乗り切ろうと思って、結果で言えば乗り切れなかった。
そんな私が大学時代に難読漢字渦巻く俳句の世界に足を踏み入れたのだから分からないものである。とは言っても、現代人の例に漏れず読むだけなら不自由はなかったし、一応中学生のころ詩を書いていた時期があるのでそういう表現欲求があったことは確かだが、それでも一番大きな要因は、俳句との出会いが、Web応募の俳句賞だったことにつきるだろう。投稿フォームに直打ちで思いつくまま投句し感情の捌け口にしていた。PCの変換機能がなければ俳句に手を出すことはなかっただろう。何というかここまで書いてきて思い出したというか、思い至ったというか、私にとって句作のための道具のファーストチョイスは最初から筆記用具ではなくPCや携帯などの電子デバイスだったのだ。
PCにそれほど詳しいわけではないが、いわゆるガジェット類はかなり好きな方だと思う。ウェブのガジェットレビュー記事はよく読むし、スペック比較表を眺めてるだけで中々想像が膨らんで楽しい。中には購入して失敗した製品もあるが、教訓として購入判断の助けになっている。
キングジムのPOMERAが初めて発表されたときはものすごく興奮した。出たばかりの初号機DM10を即定価で買ったが、これは失敗だった。2秒で起動、テキストのみに特化した機能、折り畳みキーボード、機能美を凝縮したかのような美しい筐体。コンセプトも質感も最高だったし、自慢がてら何度か句会にも持って行ったのだが、長くは続かなかった。
テキスト専用機なのに変換がしょぼすぎるのだ。漢字の収録数が少なすぎて、句作にならない。3万払って日本語IMEの性能がここまで創作に影響することを学んだ。ちなみに現行機種はDM200といって、IMEの問題はすべて解決しているが、なんというか別物なんだよな。折り畳みキーボードギミックがないし、それに今のPCが凄すぎて、必要性の無さがロマンまで道連れにしてしまって食指が動かない。
ちなみに今のPCにする前は富士通のLIFEBOOK AH47/Mを使っていたんだけど、個体差なのかどうなのか、とにかくこれが本当に使い物にならない最低のPCだった。PCで失敗すると高い買い物だけにその後数年レベルで落ち込むよな。
長すぎる起動時間、Core i7積んでるくせに腹話術みたいな鈍い反応(あれ?文字が、遅れて出るよ?)、爆音FAN、メモリを2Gから4Gに増設しても全然だめで、先代のFMV-BIBLO NF/A50のときは180度近く開いていた画面も120度くらいまでしか開かなくなった。富士通に対する期待や信頼がゼロになったのと、CPUの肩書だけでPCを選べば失敗することを学んだ。
で、それらの失敗を活かして購入したのが今のPC、HUAWEI Matebook X proなんだけど、これがもう、ものすごく最高。まず画面のアスペクト比が従来の主流の16:9じゃなくて3:2ってのが画期的。ワイド画面は映画とか見るにはいいか知らんが、ウェブや書き物するには縦に画面が長い方が有利ってよく考えたら当然なんだけど、こんな単純なことを見過ごしていたなんて、俺は本当に常識に縛られていた。次に画面占有率まさかの91%、最新のスマホかよってくらいベゼルがない。全部画面。しかも3K液晶、しかもタッチパネル対応でちょっと便利。めっちゃきれい。音もやばい。前のPCと全然違う。粒感とか奥行が本当にある。Dolbyアトモス対応。やばない?次に電源ボタンが指紋センサーを兼ねてて、押したら8秒くらいで起動完了、この辺はさすが第8世代Core i5と高速SSDの組み合わせ、全然ストレスがない。次にFANレス、音がしない。他のレビューだとコイル鳴きがするってあったけど、俺には聞こえない。
そしてギミックこそガジェットの神髄、ポップアップカメラ!!セキュリティ的な意味合いはもちろん、画面占有率91%のための工夫にこういう遊び心、好き!大好き!
これはあれやな、設計哲学としてはスマホやな。ほとんどスマホみたいに使えるPC。身体感覚。これで12万。
もちろん、HUAWEIについてはいろいろな疑惑が取りざたされるけど、それでも、製品力で見た場合に、これを作った人たちのことを考えるとさ、素直にありがとう、これめっちゃ最高のPC、ありがとうってなるんやわ。
次回、もしかしたら自分のブログで「ここもうちょっとどうにかならない?Xpro」やるかも!なんか、詩歌のnoteなのに途中から変なテンション!
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