私が選ぶ次代の大ブーム漫画はこれだ!! 「ふしぎの国のバード」

英国人女性冒険家が描く日本奥地


明治時代の日本奥地を旅したイザベラ・バード氏

<以下、Amazon.co.jpより抜粋>
イギリス人の目から見る、懐かしくも驚きに満ちた日本文化

ディスカバー・ジャパンー―これは、古き良き日本文化を取り戻すための物語。
時は明治初頭。東京から蝦夷まで、地図なき道を旅したイギリス人がいた。
その名はイザベラ・バード、冒険家。彼女の目的はただひとつ、滅びゆく日本古来の生活を記録に残すこと。
通訳の伊藤鶴吉をひとり連れ、日本人すらも踏み入ったことのない奥地への旅が、今はじまる!
漫画誌ハルタの実力派新人・佐々大河。初のコミックスは、日本の魅力を熱筆した旅物語!!
☆既刊9巻、第45話掲載

~特徴~
実在の人物、それも女性が日本の奥地、秘境を旅してその土地の文化、風習を記録していくというのが1番の特徴と言えよう。
江戸や大阪、と言った主要都市ではなく、当時の日本人すら知り得ない奥地の集落や農村の暮らしを覗き見る事が出来る、と言う点が他の外国人の日本滞在日記とは一線を画している。
明治と言う時代を境に日本の失われていく文化、文明の数々とその深淵が英国人女性からの視点で蘇り、触れられるのがこの漫画である。
「日本奥地紀行」より抜粋

~魅力~
何と言っても、主人公のイザベラ・バードを抜きにこの漫画を語る事は出来ない。
そして、そのバード氏を公私共に支える伊藤鶴吉の存在も欠かせない。
物語は、バード氏の日本文化への視点を中心に展開していく。そこで、彼女は目にしていく。貧しいながらも、清く礼儀を失わず、勤勉で誠実に生きようとする人々の姿を。
人々の懸命に生きる姿に、彼女は胸打たれる。同時に、彼女は不思議に思う事も多々あった。何故、そうまでしてその土地で生きようとするのか。彼らは何を考えているのか、奥底に秘めている思いとは何か――。
彼らの答えとは――。

~個人的見所シーン~
・旅を続けるバード氏は、会津道中でとある農村に足を踏み入れた。彼らの暮らしはかなり貧しい。理由を聞いてみればそれもその筈。戊辰戦争の際、男達は徴兵として戦場に駆り出され、女達は連れ去られた――。負傷しながら生きて帰っても労働の毎日と一向に生活が上向かない地獄の様な毎日。それでも、彼らはこの土地を離れようとしなかった。
その理由を、馬子が話す――。<第3巻、10話より>
・幸か不幸か大火事に遭遇したバード氏。江戸特有の火消し文化等、火事ならではの独特な文化を目の当たりにした彼女は、大きな衝撃を受け、時には混乱しながらも見た事、聞いた事を記録していく。家は全焼し、家財道具を焼失し、ひどい火傷を負った人々。しかし、火事が起きた後でも笑っていられる人々に彼女が感じた、文明の深淵とは――。<第6巻、26話より>
・川辺で、2人の女性の紙すき師に出会ったバード氏。ヨーロッパではほとんど見なくなった紙すき。しかし、日本は独自の技術で紙が作られている事を知り、バード氏は俄然興味を持つ。彼女自身も日本独自の紙すきを体験してみるが、大苦戦する。貴重な伝統技術を見せてくれた礼にと、バード氏は女性2人に金銭を差し出した。
しかし、女性達は頑として受け取らなかった。女性が言う、自分達にとっての最高の報酬とは――。<第6巻、27話より>

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