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【萌え語り】「繁栄と衰退と -オランダ史に日本が見える-」 岡崎久彦/著【ヘタリア腐】


【ご注意:さすがに何もかも一緒にするのもどうかとは思い
書評のページと分けました。
こちらはヘタリア腐女子的萌え語りのページとなっております。】


※書籍紹介のページはこちら↓


★≪書評のおまけの≫ヘタリア蘭日妄想ネタ≪萌え語り≫


つらつらと書いてゆきます。


蘭英関係と日米関係の相似点が語られたこの本を読みながら、

『蘭さんは(一方的に)菊さんの中に共通性を見出していたのでは』という萌えが生まれてしまってちょっと試行錯誤中。

というのも、私はずっと「蘭さん(※オランダ人、ではなく)は、利根川東遷や江戸湾の埋め立てを見ていたはず」と思っていて、

故郷とはまったく異なる地であるはずなのに、遠浅の海を埋め立てて新たな土地を造ったり、治水のために河川の向きを大きく変えたりと、まるで自分たちがやってきたことと同じことをやっているではないか、という感想を抱いたり、

さらには今回の書籍のような「アメリカとの関係に悩み戸惑う近現代の日本」の姿を、かつての「イギリスとの関係に悩み戸惑う自身」とダブらせてしまって、軽く鬱ってしまったり、困惑する菊さんの姿を見て歯痒かったりもどかしかったりする蘭にいさんであったらいいなとちょっと思ったり。


そして今回、湾岸戦争の頃の話題を出しましたが、その後の日本の自衛隊さんの海外派遣ではけっこうオランダさんやイギリスさんなどの軍にお世話になっています。

その当時に起きた事件のひとつ、イラクのサマーワであった一件ではオランダ側も苦言を呈したりしていますが、

(※誤解も含んだ件ではありますが『味方が攻撃されているのに法律上何もできないのはさすがに立場上まずいだろう』的な。この内容の詳細はかの『ヒゲの隊長』さんである、佐藤正久さんのオフィシャルブログの記事「何故、助けないのか!(2014-05-17)」に綴られています)

そういった「さすがにこれは」という場面以外、普段はそれでも菊さんの意思や判断を尊重して黙っているんだろうなぁ……とか。


そして、もうひとつ。

もしかしたら鎖国中の菊さんの『煩雑な大多数の諸国・諸地域との関係を制限した結果としての平和・平穏』の在り方は、当時各国との色々な関係に悩んでいた(そして追い落とされることとなった)蘭さんにとっては、実は「こうもあれるものなのか」、もしかしたら「こうありたかった」ひとつの姿だったんじゃないかなぁ。と。

もちろんオランダは北海バルト海を中心として世界各国と交易を行うことで富んだ国家。そうはできないということは理解しているけれど、不特定多数の国との制限なき交流を拒み、限られた数か国と安定して純粋に平和に情報交換や交易だけをしていられるという菊さんの状況は、それはそれでひとつの楽園に見えたんじゃないかなと。

だからこそ最後の最後まで開国を拒む菊さんに蘭さんも歩調を合わせていた、という萌え方もまた可能なのではないかなぁ。と妄想したりしてしまうのです。


※作品の参考にした内容)

以前書いたものの中で、アルフレッドくんに蘭さんに対して言わせたこのようなセリフがあります。

「――それに、あれ(※アーサーさん)を兄貴って言うなら君だって一応俺の兄貴分の一人だろ」

実際にオランダはアメリカ大陸発見~開拓期にかけて、既に色々と足跡を残してきています。こちらの書籍でもアメリカの歴史家バンクロフトが書いた内容としてちょこっとだけ扱われていました。箇条書きすると以下の通り。

・オランダはアメリカに最初の植民地を築いた
・アメリカに政治的自由の手本を示した
・英国がアメリカに議会政治を教えてくれたとするならば、
 オランダはアメリカに連邦制度を教えてくれた
(「繁栄と衰退と」p25. より)

ハーレムやブルックリンなどの地名もオランダ由来ですし、
あとは、ドーナツもオランダから伝わってましたね。
『蘭さんはアルフレッドくんの兄貴分の一人』発言はここからです。

「辿り着いた地-1950-」p2. より



★≪おまけの≫色々グッと来たり興味深かった内容≪萌え語り≫


かいつまんだ部分だけをさらっと箇条書きで書いてゆきます。

資料だの何だの多すぎて「この歴史上の話どこから引いたんだっけ?」になりがちな自分自身の備忘録的なもののつもりですが、内容に興味を抱いた方はぜひこちらの一冊を始めから終わりまですべて通してのご一読を。

どこからどこまでも絶対面白いから! ( ´∀`)b


「アルマダの海戦(1588)」におけるオランダの功績
パルマ公の足止めおよび、スペイン軍の心理的混乱を呼んだ作戦の効果について。(「繁栄と衰退と」p110.)


〇英蘭関係。特にイギリスの動向が、オランダ側に寄ったり離れたりと絶妙な距離感で凄い。
しかしオランダ側も超ピンチの折に「主権預けるから守ってくれ」という、国家という存在を鑑みるに衝撃的すぎる案を英仏に出そうとしていたり、何やらこちらも凄い。(「繁栄と衰退と」p103-104.)


〇「戦争中にオランダが敵国スペインに武器を売っていた」ネタが既にヘタリアにあるけれど、それにまずブチ切れたのがオランダとともにスペインと戦っていたイギリス。これが後の英蘭戦争の一要因。

さらに、フランス軍がオランダに侵入した折にもオランダ商人はフランス軍に武器弾薬を売っていたという衝撃。(「繁栄と衰退と」p238.)

結論:どこをどう掘っても、オランダさんの商魂がたくましすぎる問題が。


〇オランダとスペインとの戦争中、スペインがアムステルダム沖合で氷結して動けなくなったオランダ船隊を襲ってGETしようとした時、スケートを履いたオランダ兵に返り討ちにされたというエピソード大好き。アルバ公もびっくり。機動性高いオランダ兵怖すぎる。さすが現代に至るスピードスケート強国。

しかしその後、アルバ公も負けじと即時7千足のスケートを発注。配下のスペイン軍に訓練を命じたとのこと。マジか (; ̄Д ̄) (「繁栄と衰退と」p81.)


〇フランスの立ち回りっぷりが想像以上。スペインイギリスオランダ全方面敵として”おまえら潰しあえ”感満々。特にルイ14世時代。
「イタリア2号機」ネタとか白旗ジョークとかがあるけれど、フランスって実は対外戦争の勝率悪くないよね。


〇「アントワープの略奪(1576.11.4)」の経緯があまりにも理不尽で、ベルギーが可哀想すぎる。マジでとことん可哀想。国土の位置が位置だけど、それにしても、とばっちりにもほどがある……。 (「繁栄と衰退と」p93-94.)
"通り道"にされがちとはいえ、歴史上何度もこれを繰り返されては耐えて復活してきたベルギー、実はとてつもなく凄い国でしょ……。


〇「アルマダの海戦(1588.7-8)」の結果、スペイン貴族の家が葬儀だらけになったため、士気喪失を恐れたスペイン政府は”喪に服することを禁ずる”とした。さらには当時スペインに併合されていたポルトガルの人(※リスボン商人)が「スペインざまぁw」して絞首刑にされたため、「泣くことも笑うことも許されない」と言われた。 (「繁栄と衰退と」p111.)


〇「ニューポールトの戦い(1600.6.23)」でオランダがスペインに勝利したという知らせを受けて、東南アジア各地の住人からオランダ人が讃えられた。
…というエピソードから察せられる、”スペインは南米だけじゃなく東南アジアでもやらかしてたんやなぁ……”感 (「繁栄と衰退と」p144.)



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q-ny
ここまでお読み頂きありがとうございました。 今後も色々と精進してゆきたいと思っております。