50歳50冊 ガープの世界 ジョン・アーヴィング
人生の50冊 小説部門 ベスト3
ガープは存在する。まさに私はガープの人生を共に歩んだ。
信念の女性によって、父親不在の不可思議な形でこの世に産まれたTS・ガープの一生。
看護婦である母親の強い影響を受ける幼少期、小説家を志す青年時代、
女性運動に取り組む後半生までが詳細に記述される。
ガープ人生はその都度、アクの強いキャラクターに囲まれて強烈なハーモニーを奏でる。
そのハーモニーの重層テーマは「命と死」であり、多くの家族や友人が失われていく。
信念と生命を秤にかけるような登場人物たちの行動の数々に我々も戸惑い、泣き、悩む。
それでも人生は続く。我々はその死から何かを学び続ける、人生が続く限り。
ご愛読いただきありがとうございます。 テーマごとにマガジンにまとめていますので、他の気になる記事も読んでいただければ幸いです。