「ふかえり」の日 9月-Vol.5
二俣尾は単線駅だから、線路が駅で二つに分かれて、駅から出るとまた一つになる。
これも天吾と青豆の人生の象徴のようだった。
分かれてしまった二人を、二つの月の世界で結びつけたのは、ふかえりの仕業である。
「空気さなぎ」の物語の力が、分かれてしまった100パーセントのカップルを、また結びつける。
そこから危険なゲームが始まるけど、最後にもう一度、一つになるはずなのだ。
二俣尾の線路の軌跡は、それを予感させた。
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