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アーリーリタイア・リアル想定 人生収支計画 ゴキゲンLIFESHIFT39 アーリーリタイア

3回連続でお話ししている「FIRE理論をリアルに考える」続きになります。この話、文章だけではとてもわかりにくいと考えて、ゴキゲンLIFESHIFTの「リアル人生収支計画」を表にしてみました。今回は上の写真を見ながら、お読みください。

第1回では、「生活費の25年分」という、F.I.R.E理論の貯蓄目標がアバウトであると指摘し、アーリーリタイアを実現した後、「自分で稼いだ資産はゼロまで使い切って死ぬ」という目標を掲げました。
第2回では、年代別に生活費が変化していくことを織り込んで人生設計すべきだとして、①アーリーリタイアから65歳 ②65歳から75歳の人生の黄金期
③75歳から90歳の人生の黄昏期の3段階に区分したプランを想定すべきだと指摘しました。

前回までの記事

FIREブームは甘過ぎないか!リアルに実行するには、まず「生活水準を上げない」こと – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

アーリーリタイアをリアルに想定する – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

上の「リアル人生収支計画」を見ていただくと、全体が縦に<収入の部>と<支出の部>に分かれていることがわかると思います。

また横軸に年数を取っており、その軸で①アーリーリタイアから年金支給65歳まで ②65歳から75歳の人生の黄金期 ③75歳から90歳の人生の黄昏期を色分けしています。

細かい自分の数値をお見せすることはできないので、各パーツの概念をご紹介していきます。

まず<支出の部>についてですが、どの年代、どのステージでも必要な経費として「葬式関連費用」をまず財産からマイナスしておきます。

この葬式関連費用については、今回の母の葬儀でとてもよく勉強させていただきました。ざっくり最低線の葬式関係で200万円+自宅遺品整理50万円+予備費50万円=300万円を計上しておきます。これで四十九日法要や香典返し、戒名などを含んでいます。これ以下で取り行うことも可能ですので、そこはお調べください。
重要なのは、総資産-(葬式関連費用300万円)が、今回の人生収支計画のスタートラインだということです。

<支出の部>で、次にすべきことは、支払い項目ごとの目的別に口座を分割してしまうという手法です。
表では、a. 生活費引落口座 b. リゾート費口座 c.教養・趣味口座  d.その他の遊興費口座と分割してあります。
第1回で提案したように、まず自分がなにに支出しているかを把握することが大事なのですが、支出をこのようにグルーピングすることも同じように大事だと思います。なぜなら、これらの項目ごとに年代で費やせる金額が変化するからです。特に健康寿命の黄金期は旺盛に旅行や趣味に没頭できますが、体力、気力が落ちてきた黄昏期に同様にお金を消費することはできなくなります。今回のご提案がリアルなのは、こうした年代ごとの状況を分析的に織り込んでいくことにあります。
項目ごとに詳細をみてみましょう。

a. 生活費引落口座
基本的にこの項目は、住居費、光熱費、医療費など生きていくのに欠かせない支出を計上しています。なので大きくは変化しないものとしていますが、横軸をみていただくと、2段階に区分されています。75歳以上で見直しとしており、インフレ問題や家族構成変化による住居のサイズダウンなどをして、減額できる可能性を織り込んでいます。 

b. リゾート費口座
ゴキゲンLIFESHIFTでは、この費用をとても重視しています。「人生でやりたいこと100リスト」を叶えるための費用だと考えてください。 
この計画の趣旨が「自分で稼いだ資産はゼロまで使い切って死ぬ」なのですから、この費用を多くとるべきなのです。
ところが実際にはこの費用計上を雑に考えている場合が多く、使いすぎる、またはもったいなくて使わないという方々がたくさんいます。
そこで今回は「リゾートノルマ制度」を導入しておりまして、年間予算を計上して、それをちゃんと管理していくことを提案しています。
ちなみに、この項目こそ年代ステージで実効性が変わります。我々夫婦は75歳まで人生の黄金期を思う存分楽しもうと話し合い、年1回の海外旅行+季節ごとの国内旅行を最優先として費用計算して、独立口座に15年分を貯蓄をしました。

c.教養・趣味口座
教養や趣味に熱中することも、人生を楽しむためには重要な要素だと思います。現在の費用をそのまま計上してもいいですし、表のように年代によって推移させてもいいと思います。
私の場合、陶芸を90歳代まで続けたいという希望がありますが、さすがに50代と80代ではかかる費用も違うだろうと考えていますし、映画や観劇にしても回数はめっぽう減ると考えています。


d.その他の遊興費口座
通常は、旅行や趣味の費用などを含めて遊興費と呼ぶと思いますが、ゴキゲンLIFESHIFTではそれをしっかり区分して管理します。
なので、いわゆる遊興費 - 旅行費用 - 趣味・教養費を「その他の遊興費」としました。ここまで絞り込むと意外とシンプルになります。定額のビデオオンデマンドの経費とか、なにやら細々ですが、それは年代問わずに一律計上してもいいと思います。

私の場合、これらの娯楽主体の支出の外側に、シニア起業での投資-回収=損失計上(もちろん利益を目指しますが (笑))を行います。
これによって、投資の限界枠が自然にできます。年間計上の限度額を超えるような冒険を防止するためです。

さて、以上で<支出の部>を紹介できました。引き続き<収入の部>です。
FIRE理論を単純に考えている人は、アーリーリタイアを実現したら、基本収入は投資益だけで設定していると思いますが、もう少し理詰めのアプローチをします。

上段<収入の部>では、まず65歳からの「年金収入」を見込んでいます。「ねんきん定期便」の額を入れておきますが、昨今の報道を見る限り、15年後以降は減額の織り込みをしておくべきだと思います。

投資益を考える上で重要なのは、「資産は年々目減りしていく」ことです。そして、今回のリアル収支計画の目標が「自分で稼いだ資産はゼロまで使い切って死ぬ」であるならば、最終死ぬ年度には資産はゼロ=投資益ゼロであることが「成功条件」になるのです。ここが専門家でも難しい構築なのです。
FPでも、資産を増やす提案は簡単につくれても、資産をゼロにして死ぬシミュレーションは難易度が高いと思います。

仮に資産1億円で運用を始めて4%理論で年間投資益を400万円でスタートし、その400万円を生活費としてすべて使い切るとしても、90歳(仮)で死亡する段階で、これを資産はゼロ=投資益ゼロにもっていくシナリオはかなり難しいです。上記プランでは5年単位で減額しています。

そこでまず方法として、支出プランを先に立て、その逆算で資産の目減り分を算入していくべきだと考えます。
これを具体的に詰めていくと、あれっ!ちょっと待って、全然余りそうって気分になると思います。特にb. リゾート費口座 c.教養・趣味口座をしっかり金額を入れて考えると、あまり多額を必要としないのですよ、リアルには。

大事なのは、「自分で稼いだ資産はゼロまで使い切って死ぬ」なのですが、子供がいるご家庭では、遺産を残したいというご希望があると思います。法定では現在最大4000万円(生命保険300+資産3500万円)までが無税だと思いますので、そのぐらいの金額は残してあげたいというのであるなら、設定バーをその金額まであげて、シミュレーションしてください。そこはご自分でご検討下さい。

さて、ここまで「ゴキゲン×ヤリガイ人生」のゴキゲンに焦点を当てて説明しましたが、実際、上記の消費活動だけで残りの人生が充実したものになるとは思えないのです。

そこで、ゴキゲンLIFESHIFTでは、「持続可能なヤリガイ活動」を提案しています。何かしらの労働をすることで、社会的な貢献をしていくことは、アーリーリタイアを実現した後でも継続されるというコンセプトです。
ということは、慈善団体やボランティア活動でない限り、シニア起業も含めて、労働対価を得ていくことになります。
そこで、年収を受け取っていた欄に、「バイト収入」を計上しております。
シニア起業の利益が出たらここに編入してください。その場合、ちゃんと税金は支払いましょうね。

長くなりましたが、これが3回に渡ってお伝えしたかった、FIRE理論をよりリアルに分析した「ゴキゲンLIFESHIFT式人生収支計画」になります。
45歳以上の方でプチ・アーリーリタイアを検討している方にはリアルな内容だと思います。それよりお若い方でとりあえずFIREを目指している人も、いずれはかなり細かく考えなければならないという情報だと、お読みいただけたら幸いです。

今後、各項目別の詳細や、自分のアーリーリタイアの活動報告などをしていきたいと思います。




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太田泉
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