「ふかえり」の日 9月-Vol.7
帰りは一人だった。ふかえりは犬の散歩をさせるために外に出て行った。
天吾は電車のやってくる時刻に合わせてタクシーを呼んでもらい、二俣尾駅まで行った。
天吾とふかえりの不思議なデートは、こんな風に突然終わる。僕のこの日の旅もここで終わった。
今回のふかえりデート体験を通して、自分のなかで、ふかえりという、つかみどころのない少女の「存在性」をやっと実感できた。
こういう場所なら、ふかえりは、存在できそうな気がした。
ふかえりは、本当に、生きて、生活していたんだ。
あの「1Q84なる世界」で。
そんな風にして、「ふかえりの日」が暮れていった。
それは夏の終わりのこと。
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