青木選手の引退に寄せて&この日のあれこれ

青木選手の引退について何か書ける気が本当はしていなかったんです。

でも。そりゃ書きますよ。あんな引退試合見せられちゃあ。21年間青木宣親を見て来たんすよ。そりゃ書くよ。

青木選手の引退に寄せて

メジャーに行く前の青木選手は、あまりに一気にスーパースターになってしまったがゆえに、筆者にとっては少し遠い存在の選手だった。筆者の傾向として、そういう選手には距離を置いてしまいがちなところがある。とんがっていたしイケイケでもあったし。もちろん応燕しているし、誇りに思っていたけれど、青木選手には手の届かない別世界のスーパースターという印象を持ってしまっていた。

メジャーで活躍する青木選手のニュースも、もちろん耳に入っていた。メジャーでの活躍を願ってはいたけれど、熱狂的に追いかけていたわけではなかった。しかし、この頃からメジャーで苦労している様子も伝わって来たり、山田選手への背番号1の引き継ぎにも来てくれて、別世界のスーパースターという印象が少しずつ変わっていく。

そしてスワローズに帰って来てくれた青木選手は、別世界のスーパースターではなく、すっかり人間青木宣親だった。何しろ、スワローズを愛していると、やり残したことはスワローズでの日本一だと、そう言って帰って来てくれたのだ。こんなにファンの心に響く帰還があるだろうか。

その後の活躍とチームへの貢献はここで述べるまでもない。各種メディアで、ヒーローインタビューで、ファン感で、ビールかけで、引退スピーチで、率直な言葉でファンに語りかけてくれる青木選手。若かりし頃の青木選手に盲目的だった筆者も、すっかり青木宣親の言葉にやられてしまっていた。すっかり青木宣親に頼っていた。青木宣親がいるから絶対大丈夫だと。

ビデオメッセージでダルビッシュ投手やイチローさんが出て来てしまうと、やっぱり別世界の人なんだと、その偉大さに畏れ入るのだけれど、それでもあの涙とスピーチと胴上げを見ていれば、人間青木宣親の魅力に心を温められ、まだまだこれからも青木宣親に頼っていきたいと思ってしまう。

語り継がれるべき幸せな引退試合でした。何はともあれ青木選手、お疲れさまでした。そして、そんな寂しいことをおっしゃらず、こちらこそ、これからもスワローズをよろしくお願いします！

あまり報道されていないこの日のあれこれ

大量のお花

神宮球場の正面に並べられた大量のお花。こんなに来るもんでしょうか。繋がりが想像できる有名選手やOBやメディアはともかく、こんな選手からも！？という他球団の、こう言っちゃあ何ですが一軍で活躍できなかったような選手からもお花が来ていて、青木選手の影響力の大きさを感じました。

高橋奎二

すっかり埋もれているけれど。この日の高橋奎二は凄かった。この日のあのムードの土台を作ったのは間違いなく高橋奎二です。安心すぎて、試合以外のことがたくさん気にできました。

豪華な一塁側内野スタンド

さすが神宮球場。普通に関係者の方々がスタンドをうろちょろしている姿を見かけました。グランドに立てなかった選手たちはもちろん、サチさんと娘さんも、OBの方々はこれでもかと、トレードになったあの選手、今はサラリーマンのあの方、メディアに引っ張りだこのあの方々、独立リーグのあの方、他球団のコーチになったあの方、うろちょろうろちょろ、そして小川GM詣をされていました。いつかお会いしたかったスワローズファンを代表するあのタレントの方々の姿まで。

青木選手の求心力というか、長いキャリアが人を呼ぶというか、スタンドのファンもこの恩恵にあずかり、試合そっちのけで楽しかったです。

髙津監督の継投

もし石川投手に勝ちをつけるなら、この展開であれば、高橋投手を4回で降ろして石川投手に継投すれば勝てた可能性がありました。もしくは、より感動的な演出をするのであれば、サイスニード投手を挟んで最終回に石川投手に試合を締めてもらうという選択肢もあったはずです。

しかし、誰よりもリリーバーのプライドを理解する男はそんなことはしません。チームのかたちを大切にする男はそんなことはしません。エルビンとクローザー小澤で勝ちに行くという。そりゃそうですよね髙津さん！という采配を見た気がしました。

武内晋一さん

青木選手の早稲田の後輩。選手としては大成できなかったけれど、そのまま球団職員に。編成や育成に尽力されています。この日の青木選手のセレモニーでの涙腺崩壊は早稲田時代の監督、野村徹さんの登場によるところが大きかったですね。

ここで87歳の野村さんをエスコートするために傍らに付き添った厳ついスーツの男が武内さんでした。この役割は武内さん以外にはない最高の人選だったと思います。個人的には青木選手の涙そのものに加えて、野村さん、武内さん、青木選手が寄り添っている姿にグッときました。この日の武内さんは、小川GMのお側にいたり、放送席に参加したり、野村さんのエスコートだったり、大忙しでした。

三輪さん

広報三輪さん、青木選手に付きっきりでしたね。一緒に青木カメラも付きっきり。グラウンドの中まで入って臨場感を届けてくれました。各種メディアの放送で三輪さんが映るわ映るわ。さすがです。

今後の動画も楽しみにしています！