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シーズンでのブレイクはオープン戦の成績と相関するのか?
通常運転しなきゃと書いておきながら、心の中はもう通常運転できません。だって「そこにいない」のだから。喪失感はつのるばかり。
さて通常運転。なにはともあれオープン戦が始まりました。昨年、オープン戦のチーム成績がシーズンの成績とは相関しないことを改めて実証してみたのがコチラです。まあ髙津監督時代ということであれば、オープン戦の成績は悪い方がシーズンの結果が良い、という傾向があります。現在1勝1敗。
特に主力選手はオープン戦の成績とシーズンの成績は関係ないということや、新外国人選手や新入団選手がオープン戦だけ良かったというケースにもたびたび遭遇しているので、今回はこういう選手は取り上げません。
では若手選手はどうでしょうか。今シーズンもブレイクしてほしい若手選手はたくさんいて、シーズンでのブレイクとオープン戦の成績に何か相関や兆しがあるのか調べてみようというのが今回の趣旨です。
シーズンでブレイクした選手のオープン戦の成績
2024年の吉村貢司郎投手
OP戦 試合:5 投球回:20 防御率:1.35
シーズン 試合:23 9勝8敗 防御率:3.19
オープン戦から結果を残し、シーズンでもローテの柱に。
2022年の長岡秀樹選手
OP戦 試合:17 打率:.239 出塁率:.265 本塁打:0 盗塁:0
シーズン 試合:139 打率:.241 出塁率:.324 本塁打:9 盗塁:2
キャンプからチャンスをつかみ、一気にレギュラーに駆け上がった印象。オープン戦でも試合数をこなしていることがわかります。
2022年の木澤尚文投手
OP戦 試合:7 投球回:6 防御率:3.00
シーズン 試合:55 投球回:70.1 9勝3敗8H 防御率:2.94
オープン戦から登板を重ね、シーズンでも大車輪の活躍。
2021年の塩見泰隆選手
OP戦 試合:12 打率:.122 出塁率:.217 本塁打:1 盗塁:1
シーズン 試合:140 打率:.278 出塁率:.357 本塁打:14 盗塁:21
大ブレイクのこの年、オープン戦では結果が出ていなかったようです。むしろ2019年のオープン戦での.385、12盗塁が鮮烈すぎますが、この時はまだブレイクには至りませんでした。
2021年の奥川恭伸投手
OP戦 試合:3 投球回:9 防御率:6.00
シーズン 試合:23 9勝4敗 防御率:3.26
あの年のオープン戦、成績上はそんなに良くなかったんですね。1年かけて加速度的に成長していった印象。
2020年の清水昇投手
OP戦 試合:4 投球回:6.1 防御率:2.84
シーズン 試合:18 投球回:53.1 0勝4敗30H 防御率:3.54
オープン戦では投球回以上の三振も奪っていました。その後、シーズンではセットアッパーに定着。
2019年の村上宗隆選手
OP戦 試合:14 打率:.245 出塁率:.315 本塁打:4 打点:12
シーズン 試合:143 打率:.231 出塁率:.332 本塁打:36 盗塁:96
オープン戦からホームラン打っていますね。成長曲線が感じられます。
2014年の山田哲人選手
OP戦 試合:13 打率:.213 出塁率:.288 本塁打:0 盗塁:1
シーズン 試合:143 打率:.324 出塁率:.403 本塁打:29 盗塁:15
オープン戦ですごく打っている、というか春先から打ちまくっているイメージがあまりありません…。
2013年の小川泰弘投手
OP戦 試合:4 投球回:16 防御率:2.25
シーズン 試合:26 16勝4敗 防御率:2.93
オープン戦の好投からローテをつかみ、あれよあれよと最多勝、新人王。この年のライアンはスワローズの希望の星でした。
2012年の中村悠平選手
OP戦 試合:6 打率:.000 出塁率:.000 本塁打:0 打点:0
シーズン 試合:91 打率:.254 出塁率:.344 本塁打:1 打点:15
初めて一軍で活躍した年のオープン戦は4打席しかチャンスがありませんでした。
なんとなくのまとめ
相変わらず相関があるのかないのかわからない感じになりましたが、以下の点は言えないこともないような気がします。
◆野手のブレイクとオープン戦の成績には相関があるような気はしないけれど、強化指定選手として出場試合数はこなしている場合が多い。
◆投手のブレイクは野手よりはオープン戦の成績が良い傾向にあるような気がする。まあ投手の場合はオープン戦でボコボコにされたらシーズンでは使いにくいですよね。
若手選手のチャレンジが見られるのもオープン戦の楽しみ。先日の試合では積極性もアピールも全然足りない的なコメントを坂口さんにも谷繁さんにも髙津さんにも言われていました。使ってもらっている若手選手には、シーズンのブレイクにつながる経験を積んでほしいものです。
ところで海の向こうでは
マリナーズの藤浪投手の好スタートがニュースになっていましたが、同じ試合でマクガフも今シーズンのオープン戦スタート。1回3安打1四球2三振2失点。うーむ。過去2年よりはアピールが必要な立場なのですけれどね…。