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スワローズファンのためのトレード答え合わせ③【2014】

今年はトレード選手がなかなか活躍できませんでした。トレード選手の活躍はチームに勢いをもたらします。こんなところもチームが浮上できなかった要因なのかもしれません。しかし、トレード直後はパッとしなくても、それ以降で大活躍の例はたくさんあるので!来シーズン頼みます!

筆者は基本的にトレード選手が好きなんだと思います。だからこんなテーマで書いているんだろうけれど。今回登場の2名は特にぞっこんになったトレード選手たちです。

いくつか前提

①基本的にはトレードを実施した球団での成績を参照します。トレードの前の前やトレードの後の後の所属球団がある場合は考慮しません。
②勝ち負けをつけてみるという企画ではありますが、選手個人に対してはもちろん応援のスタンスです。来たからにはがんばってほしいし、行った先での活躍も気になります。
③その勝ち負けは当然ながら筆者の独断と偏見によるものとなります。

ここまでの独断と偏見による勝敗は3勝2敗です。さて今回はどうなるか。

川島慶三・日高亮⇔新垣渚・山中浩史

(対ホークス2014年7月)

【トレード前】

川島慶三(S)
年数:7 試合:399 安打:266 打率:.247 出塁率:.321
本塁打:20 打点:96 四球:98 三振:189 盗塁:39

2005年ドラフト3位でファイターズに入団し、2008年シーズンからトレードでスワローズにやって来た川島慶三選手。高田監督の機動力野球にマッチし、2008年と2009年はサード、ショートのレギュラー格として活躍します。しかし2010年と2012年は右ひじのケガで一軍出場がないなど、その後はケガとの戦いが続いていました。

日高亮(S)
年数:5 試合:85 先発:0 勝利:5 敗戦:3 H:16 S:0
投球回:65.2 奪三振:54 WHIP:1.40 防御率:4.25

2008年ドラフト4位入団の日高投手。2011年に一軍デビューし、2012年は66試合にリリーフ登板、防御率2.98とリリーフサウスポーとしての地位を確立したかに見えました。しかし2012年の酷使が影響したか、2013年に靱帯を痛め、2012年の輝きを取り戻せない状況に陥っていました。

新垣渚(H)
年数:12 試合:148 先発:147 勝利:60 敗戦:50 H:0 S:0
投球回:956.1 奪三振:911 WHIP:1.31 防御率:3.82

2002年ドラフト自由獲得枠でホークスに入団し、1年目からローテーションピッチャーとして、その剛腕を見せつけていました。不調やケガで2009年と2010年は一軍での登板がなく、2012年に6勝を挙げるも、再び一軍での活躍の場を失っていました。

山中浩史(H)
年数:2 試合:18 先発:2 勝利:0 敗戦:2 H:1 S:0
投球回:32.1 奪三振:12 WHIP:1.83 防御率:5.57

2012年ドラフト6位でホークスに入団。オールドルーキーとして開幕ローテに食い込んだものの結果を出せず、ファームでは10勝を挙げて最多勝を獲得しています。

【トレード時】

小川監督5年目、最下位のシーズンです。川島選手は大卒9年目、日高投手は高卒6年目、新垣投手は大卒12年目、山中投手は大卒社会人から2年目のシーズンです。石川投手と小川投手以外の先発陣はナーブソン投手、八木投手、古野投手、木谷投手といった面々。古野投手と木谷投手がすごくがんばっていた印象のある年。苦しい…。

川島選手は一軍での実績もあったとはいえ、ケガがちで苦しい状況。サードは川端選手がレギュラーを獲っており、ショートは絶対的なレギュラーこそいないものの、候補はいるっちゃあいる状態。森岡選手を筆頭に荒木選手、谷内選手、今浪選手、西浦選手といったところで激しいポジション争いが繰り広げられています。日高投手も一軍で実績を作ったあとのケガが何とももったいない状況。両名とも今後コンスタントに活躍できるかわからない状態なので、トレードもやむなしという印象でした。

そして何より、あの新垣渚が来てくれるという衝撃。一軍では結果を出せずに苦しんでいましたが、あの剛腕が、あの暴投王が、あの魔球スライダーの使い手が、スワローズに来てくれるという期待感は大きなものがありました。山中投手については正直ノーデータ。

【トレード後】

川島慶三(H)
年数:8 試合:441 安打:204 打率:.262 出塁率:.355
本塁打:17 打点:81 四球:105 三振:156 盗塁:12

ホークスにとってなくてはならない選手になったのだと思います。左キラーとして、内外野守れるユーティリティーとして、ムードメーカーとして、レギュラークラスではないにせよ、貴重な戦力として8年も活躍しました。おそらくスワローズ時代のような長期離脱もなかったのではないでしょうか。あのスワローズ時代のケガがちな状態からは想像もつかないくらい活躍し続けた印象です。

日高亮(H)
年数:2 試合:1 先発:0 勝利:0 敗戦:0 H:0 S:0
投球回:1 奪三振:0 WHIP:2.00 防御率:0.00

残念ながらホークスでも輝きを取り戻せず。2年で戦力外になってしまいました。

新垣渚(S)
年数:3 試合:24 先発:23 勝利:4 敗戦:14 H:0 S:0
投球回:121 奪三振:99 WHIP:1.59 防御率:5.36

期待されたトレード直後の2014年は2試合の先発に止まり未勝利。救世主とはなれませんでした。翌年、2015年は真中監督の1年目。そう、優勝の年です。あまり活躍した印象が湧かないのが正直なところ、8月まで15先発で3勝10敗。チームが加速する下地をローテーションピッチャーとして担ってくれたと思っています。2016年シーズンオフに戦力外。もう一花とはいかなかったかもしれませんが、あの新垣渚の晩年をスワローズで見られたのはうれしいことでした。

山中浩史(S)
年数:7 試合:74 先発:56 勝利:17 敗戦:24 H:1 S:0
投球回:352.1 奪三振:151 WHIP:1.29 防御率:4.22

トレード直後の2014年はリリーフで9試合の登板に止まったものの、2015年以降先発投手として活躍。2015年は9先発ながら6勝。優勝の大きな原動力になりました。遅球のサブマリン。筆者がぞくぞくするタイプの投手です。ハマった時は相手の打線がまともに前に飛ばせない。逆にハマった時はサンドバッグ。石川投手のような感じですね。高津コーチの助言により「手首を立てた」のだとか。技術的にどういうことかはよくわかりませんが、高津コーチと山中投手のおかげで「手首を立てる」という言葉を知りました。大好きでした。山中投手。

【結論】

この勝ち負けは難しい。山中投手を発掘してくれたという意味では個人的には圧勝なのですが、思い入れ100%で勝ち負けをつけるほど独善的に判断したくはありません。客観的に数字を見ると、トレード後の川島選手と山中投手は同じくらいの貢献度と言えるのではないでしょうか。禁断のドローでもいいかなと思いつつ、新垣投手の15先発に敬意を表して、スワローズの勝ちとさせて下さい。

増渕竜義⇔今浪隆博

(対ファイターズ2014年3月)

【トレード前】

増渕竜義(S)
年数:7 試合:157 先発:44 勝利:15 敗戦:26 H:29 S:0
投球回:363.1 奪三振:257 WHIP:1.43 防御率:4.36

2006年高校生ドラフト1位で入団。埼玉の公立高校からのドラ1、お母さんがヤクルト販売員という、なかなか応燕要素満載の選手でした。高卒1年目から一軍で登板、2008年には髙津さんの背番号22を受け継ぎ11先発。2009年はケガでほぼ一年を棒に振りますが、2010年はリリーフで20ホールド、2011年は22先発とキャリアを重ねます。しかし2012年に成績を落とし、2013年は5試合登板に止まり、立場があやしくなって来ていました。

今浪隆博(F)
年数:7 試合:223 安打:89 打率:.237 出塁率:.281
本塁打:0 打点:25 四球:24 三振:41 盗塁:3

2006年、明治大学からドラフト7位でファイターズに入団。最底辺からのスタートながら内野のユーティリティーとして重宝され、トレード直前の2013年は91試合に出場、打率.242という成績を残していました。

【トレード時】

2014年の開幕直後のトレードでした。小川監督の5年目のシーズンです。前年は最下位。増渕投手は高卒8年目、今浪選手は大卒8年目のシーズンです。ショートは森岡選手と川島選手の併用となっていましたが、ショートを底上げできる選手が欲しかったものと思われます。

増渕投手は成績を落としていた状態だったので、長くスワローズにいてほしい選手だったものの、まあそうなるかという感じ。今浪選手は名前は知っているくらいの選手でした。低迷中の増渕投手に対して、いちおう前年はキャリアハイの成績だった今浪選手。ファイターズは増渕投手の潜在能力と復活に賭けたのでしょうか。

【トレード後】

増渕竜義(F)
年数:2 試合:0 先発:0 勝利:0 敗戦:0 H:0 S:0
投球回:0 奪三振:0 WHIP:0 防御率:0

まさか一軍登板なしのまま終わってしまうとは。例の応燕要素満載の選手でしたし、ファイターズで輝きを取り戻す姿が見たかったのですが残念。

今浪隆博(S)
年数:4 試合:182 安打:107 打率:.284 出塁率:.360
本塁打:3 打点:44 四球:46 三振:43 盗塁:1

本当に4年しかいなかったんでしょうか。実質、活躍したのは2年。本当に2年しか活躍できなかった選手なのでしょうか。それだけスワローズで鮮烈な印象を残したナミさん。筆者も今浪チルドレンでした。

今浪選手の何がスワローズファンの心を惹きつけたのでしょうか。たぶんセクシーだったんじゃないかな。かっこよかったな。鋭い眼光。勝負強く渋いバッティング。滋味深いコメント。体も大きくないし、そもそもプロ野球選手になれるかどうかというところから始まった選手生活。きっと生き残るために数々の工夫や考え方を積み重ねてきたんじゃないかと、そういうものを勝手ながら想像させてくれる選手でした。そしてその全てを、あの2年にぶつけてくれたんじゃないかと。

今浪選手の戦力外通告の日に神宮球場にいました。真中監督の退任も重なっていました。試合前、すがすがしい笑顔で手を振りながらクラブハウスから出ていく真中監督。今浪選手はクラブハウス前で泣いていました。多くの今浪チルドレンに囲まれて頭を下げていました。悲しかったなあ。

【結論】

勝ちです。今浪選手ありがとう!

ところで最近のスワローズ

★髙津さんの続投決定。個人的にはうれしいです。でも身は削りすぎないでください。心配だから。
★青木ブーストが終わったと思ったら髙津ブーストなのでしょうか。果たして5位でフィニッシュできるのか。
★今年も戦力外通告の時期となりました。予想はしていましたが悲しいものです。近藤投手のあの一瞬の輝きは忘れません。凄かった!

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