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スワローズファンのためのトレード答え合わせ⑤【2009~2010】

記事も貯まってきたのでマガジンを発動しました。

いくつか前提

①基本的にはトレードを実施した球団での成績を参照します。トレードの前の前やトレードの後の後の所属球団がある場合は考慮しません。
②勝ち負けをつけてみるという企画ではありますが、選手個人に対してはもちろん応援のスタンスです。来たからにはがんばってほしいし、行った先での活躍も気になります。
③その勝ち負けは当然ながら筆者の独断と偏見によるものとなります。

ここまでの独断と偏見による勝敗は6勝5敗です。さて今回はどうなるか。

米野智人⇔山岸穣

(対ライオンズ2010年6月)

【トレード前】

米野智人(S)
年数:11 試合:247 安打:120 打率:.208 出塁率:.259
本塁打:12 打点:53 四球:35 三振:141 盗塁:3

1999年ドラフト3位で入団。高卒ドラ3のキャッチャーとしてポスト古田の期待は相当高かったものと思います。2006年に116試合に出場し正捕手に近づくも再び低迷。トレード前年は一軍で11試合の出場に止まっていました。

山岸穣(L)
年数:6 試合:71 先発:3 勝利:6 敗戦:4 H:9 S:1
投球回:118.1 奪三振:101 WHIP:1.16 防御率:3.42

2004年ドラフト4位でライオンズに入団。石川投手の青学の後輩です。2006年に31試合7Hの活躍も、その後低迷。一軍には定着できませんでした。

【トレード時】

高田監督3年目シーズンの6月です。ということは開幕から絶不調で高田監督解任、小川淳司代行就任のタイミングということです。米野選手は高卒11年目、山岸投手は大卒5年目のシーズンです。キャッチャーは相川亮二選手がレギュラーとして君臨、川本良平選手が2番手という陣容でした。ブルペンは林昌勇投手、松岡健一投手、押本健彦投手、増渕竜義投手といったメンバーが盤石。しかし、そこから先が心許なく、ブルペンの強化が目的のトレードと思われます。

【トレード後】

米野智人(L)
年数:6 試合:52 安打:16 打率:.188 出塁率:.228
本塁打:1 打点:11 四球:4 三振:25 盗塁:0

2012年に外野手に転向し32試合に出場するも、以降低迷し6年で戦力外。2016年に地元球団であるファイターズに入団して1年で引退。その後、カフェレストランのオーナーとなり、西武ドームに出店されているのは有名な話です。

山岸穣(S)
年数:3 試合:5 先発:2 勝利:0 敗戦:0 H:0 S:0
投球回:10.1 奪三振:9 WHIP:1.55 防御率:11.36

3年で5試合の登板に終わり戦力外となりました。

【結論】

余剰戦力でのブルペン補強という、狙いは良いトレードだったと思うのですが、両名とも活躍できずに終わってしまいました。いちおう勝ち負けで言えば、スワローズの負けなのでしょう。

鎌田祐哉⇔渡辺恒樹

(対ゴールデンイーグルス2010年6月)

【トレード前】

鎌田祐哉(S)
年数:10 試合:125 先発:40 勝利:14 敗戦:17 H:5 S:0
投球回:341 奪三振:244 WHIP:1.30 防御率:4.04

2000年ドラフト2位逆指名で入団。石川投手の秋田の、青木さんの早稲田の先輩。3年目に15先発6勝2完封。しかしここがピークで、2007年にリリーフとして一瞬の輝きを見せるも、以降低迷します。

渡辺恒樹(E)
年数:5 試合:115 先発:0 勝利:4 敗戦:8 H:17 S:0
投球回:101 奪三振:68 WHIP:1.46 防御率:3.74

2004年ドラフト2位でイーグルスに入団。大社卒の即戦力として1年目から登板。3年目にシーズン最多の65試合登板で12Hを記録しますが、その後ケガで低迷します。

【トレード時】

先ほどのトレードと同様に小川代行就任のタイミングです。鎌田投手は大卒10年目、渡辺投手は大社卒6年目のシーズンです。先発経験のある鎌田投手を放出してブルペンに厚みを出したかったというのが狙いでしょう。先ほどのブルペンのメンバーを見ても、左のリリーフが相当手薄であったと思われます。

【トレード後】

鎌田祐哉(E)
年数:2 試合:0 先発:0 勝利:0 敗戦:0 H:0 S:0
投球回:0 奪三振:0 WHIP:0.00 防御率:0.00

まさかの一軍未登板のまま戦力外。しかし翌年、なんと台湾で最多勝を獲って引退。現役最終年がプロ生活で一番輝いていたという、数奇なキャリアをたどりました。

渡辺恒樹(S)
年数:3 試合:44 先発:0 勝利:1 敗戦:1 H: S:0
投球回:32 奪三振:17 WHIP:1.41 防御率:5.34

移籍直後から一軍でリリーフ登板を重ね、最終的には28登板4Hの成績。しかし翌年以降、登板数を減らし3年で戦力外、引退となります。その後、チームに残り、現在も打撃投手として活躍されています。

【結論】

いちおうスワローズの勝ちです。チームスタッフとしても年数を重ねている渡辺さん。これからもよろしくお願いします。

宮出隆自⇔一場靖弘

(対ゴールデンイーグルス2009年3月)

【トレード前】

宮出隆自(S)
年数:6 試合:49 先発:8 勝利:6 敗戦:5 H:0 S:0
投球回:104.2 奪三振:100 WHIP:1.36 防御率:4.73
年数:13 試合:520 安打:371 打率:.279 出塁率:.328
本塁打:33 打点:180 四球:87 三振:270 盗塁:10
※打者成績には投手時代を含みます。

1995年ドラフト2位で入団。ドラ2の高卒大型投手として、相当な期待を背負っての入団だったと思われます。3年目に一軍初登板、4年目と5年目は20試合程登板しキャリアを重ねますが、6年目に膝の大ケガ、7年目に野手転向となります。野手転向2年目で60試合に出場、そしてついに野手転向4年目に99試合出場で打率.320、次の2年はレギュラー格として活躍します。しかし翌年(トレード前年)は低迷し29試合の出場に止まっていました。

ちなみにスワローズで高卒のスーパーピッチャーが野手転向で成功したと言えば、もちろん雄平選手です。しかし雄平選手の成功の前に、宮出選手の成功があったこと、雄平選手の決断においても大きかったのではないでしょうか。

一場靖弘(E)
年数:4 試合:77 先発:59 勝利:15 敗戦:28 H:0 S:1
投球回:385.2 奪三振:290 WHIP:1.59 防御率:5.27

2004年ドラフト1位自由獲得枠でチーム初年度のイーグルスに入団。明治大学のエースとして鳴り物入りでの入団でした。入団前はいろいろありましたが…1年目から先発として投げ始め、2年目には30先発。しかし続く3年目、4年目と、ケガもあり伸び悩み。

【トレード時】

高田監督2年目シーズンの開幕時です。宮出選手は高卒14年目、一場投手は大卒5年目です。前年は石川雅規投手と館山昌平投手がともに12勝を挙げる中、左右のダブルエースに続く先発投手がほしかったものと思われます。実績がありつつも世代交代に飲み込まれていた宮出選手で、ネームバリューのある一場投手を先発候補として獲りに行きました。高田監督との明大つながりもあったのだとか。

【トレード後】

宮出隆自(E)
年数:2 試合:116 安打:59 打率:.253 出塁率:.309
本塁打:3 打点:25 四球:19 三振:47 盗塁:5

レギュラーとしての活躍とは行きませんでしたが、移籍後1年目は安定した打力を発揮しました。2年目に成績を落とし戦力外。そしてなんと再びスワローズに拾われ、現役最後の2年間は、試合数こそ少ないものの、スワローズで再び3割前後の成績を残し引退。

その後も引退直後からずっとスワローズでコーチ。誰よりも目立つ宮出コーチ。華々しいとは言えないかもしれないけれど、スワローズになくてはならない存在であり続ける巨人。戸田から次世代のスラッガーを育ててください。

一場靖弘(S)
年数:4 試合:14 先発:7 勝利:1 敗戦:2 H:0 S:0
投球回:43 奪三振:32 WHIP:1.67 防御率:7.53

移籍1年目は7試合に先発するも結果を残せず、4年で戦力外、引退となります。

【結論】

スワローズの負けでしょう。スワローズに戻り、そして今もスワローズで活躍する宮出さんのキャリアを振り返る機会になりました。

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