蟷螂の斧
蟷螂の斧。とうろうのおの。カマキリが前足を振り上げて大きな車に立ち向かうこと。弱小のものが自分の力量もわきまえず強敵に向かうこと。
引退を表明した山崎晃大朗選手が、グッズ企画である座右の銘タオルに載せた言葉です。ほとんどのタオルに聞き慣れた言葉が並ぶ中、異彩を放つこの言葉。筆者はこの言葉の意味も知らず読めもせず、辞書を引くことになります。
なんとかっこいい言葉でしょう。そして山崎選手がどんな想いでプロ野球選手として戦っているのかを感じられる素敵な言葉です。
日本大学からドラフト5位で入団。左投左打の小柄な外野手。真中満監督の後継者として背番号31を受け継ぎます。ヤマザキではなくヤマサキ。晃太郎ではなく晃大朗。入団時から気になる存在でした。
YouTubeや公式動画ではいつもシオミクンとふざけているけれど、ヒーローインタビューでは決して笑わない男。ジュニアチームに混ざっても異常なくらい溶け込める小学生然とした姿。読書がお好きらしい。
3塁側内野席にこれでもかと打ち込むファールボール。俊足を活かしたダイビングキャッチ。体ごと飛んでいってしまいそうなスローイング。誰よりも目立つ胴上げでのハイジャンプ。心浮き立つ「ヤマザキ一番」と「走れコウタロー」。
塩見選手とのコンビはスワローズ史に残る1・2番だったと思います。
長くレギュラーとして活躍できたわけではないけれど、チームになくてはならない応燕したい選手でした。
個人的には山崎選手のハイライトはこのサヨナラ3ランです。
今後どんな道に進まれるかはわかりませんが、願わくば何らかのかたちでまだまだチームを支えてほしいです。でも31歳は早いなあ。山崎選手ありがとう!